平成30年度 択一式問題 過去問題 情報管理

I-1-17 テレワーク

テレワークに関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。

① テレワークで円滑に仕事を進めるためには、書類を電子化しネットワーク上で共有するなど、仕事のやり方を変革することが必要となる。
② テレワークの導入に当たっては、職場とは異なる環境で仕事を行うことになるため、組織の情報セキュリティポリシーを見直すことが必要となる。
③ シンクライアント型のテレワーク端末を用いることで、電子データの実体を持ち出すことなくテレワーク先での作業が可能となる。
④ テレワークに要する通信回線の費用や情報通信機器の費用については、テレワークを行う労働者が負担する場合がある。
⑤ 自宅でのテレワークの実施中は、労働基準法上の労働者であっても、いわゆる労災保険の適用対象外となる。

正解と解説

【正解⑤】

テレワーク中でも、業務遂行性・業務起因性との関係があれば労災保険の適用となります。

I-1-18 ブロックチェーン技術

仮想通貨(ビットコインなど)で使われているブロックチェーン技術に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。

① データを保管するノードを多数配置し、当該データをネットワーク全体で共有する分散処理構造を採用することで、データベースとしての高可用性を実現する。
② 電子署名とハッシュ値を利用しデータブロックを連鎖状に繋げるデータ構造を採用することで、事実上改ざん不可能といえるほど改ざん耐性を高めている。
③ ブロックチェーン技術を用いることで、データの秘匿性と入力されるデータの真正性が保証される。
④ データを自動処理するプログラムをブロックチェーン上で動かすことで、人手を介さなくても手続や契約を履行できるスマートコントラクトも、ブロックチェーンの特徴である。
⑤ 海外では政府による公共サービス提供への利用が公表されるなど、仮想通貨に限らず様々な分野での活用が検討されている。

正解と解説

【正解③】

ブロックチェーン技術は耐改ざん性・耐障害性に優れていますが、秘匿性はありません。

I-1-19 PCT国際出願

特許協力条約(PCT)に基づく国際出願(以下「PCT 国際出願」という。)に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。

① PCT 国際出願は、国際的に統一された出願書類をPCT 加盟国である自国の特許庁に対して1 通だけ提出すれば良い。
② PCT 国際出願では、PCT 加盟国である自国の特許庁に出願書類を提出すれば、すべてのPCT 加盟国に対して「国内出願」を出願したことと同じ扱いが得られる。
③ PCT 国際出願に関する手続のほとんどは、自国の特許庁で母国語を用いて行える。
④ すべてのPCT 国際出願は、その発明に関する先行技術があるか否かを調査する「国際調査」の対象となる。
⑤ 自国での審査の結果、「特許査定」が得られれば、すべてのPCT 加盟国における特許権が認められる。

正解と解説

【正解⑤】

PCT出願を行った後に、特許権の取得を希望する条約加盟国の国内手続きへ移行し、その国の審査を通過する必要があります。国内手続きの移行期限は、条約加盟国により異なりますが、優先日から30ヵ月を移行期限とする国が多いです。

I-1-20 デジタル技術用語

デジタル技術に関する用語と対応する説明の組合せとして最も適切なものはどれか。

(ア)工場や製品などに関わる物理世界の出来事を、そっくりそのままサイバー空間上に再現する考え方
(イ)デジタルテクノロジーによる破壊的創造、破壊的イノベーション
(ウ)パソコンやインターネットを使いこなせる者と、使いこなせない者との間に生じる経済的・社会的格差
(エ)デジタル技術の普及・浸透による「社会のデジタル化」がもたらす組織や社会の変革

デジタルツインデジタルデバイドデジタルトランスフォーメーションデジタルディスラプション
正解と解説

【正解①】

“デジタル”に続く単語の意味がわかれば答えられる問題です。

I-1-21 情報セキュリティの脅威

組織の情報資産を脅かす情報セキュリティの脅威に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。

① DoS 攻撃:企業や国家の機密情報の詐取等を目的に、特定の個人や組織、情報を狙ったサイバー攻撃。
② ランサムウェア:コンピュータウイルスの一種で、感染したコンビュータが正常に利用できないよう人質に取り、復元のために代価の支払いを要求するソフトウェア。
③ 標的型攻撃:大量のデータや不正なデータを特定のコンピュータや通信機器等に送りつけ、相手方のシステムを正常に稼働できない状態に追い込むサイバー攻撃。
④ メール爆弾:ウイルスに感染した電子ファイルを電子メールに添付して、コンピュータをウイルスに感染させ、メール受信者のデータを破壊するサイバー攻撃。
⑤ ビジネスメール詐欺:実在の金融機関等を装った電子メールを送付し、偽のWeb サイトに誘導して、住所、氏名、銀行口座番号、クレジットカード番号等の情報を詐取する詐欺。

正解と解説

【正解②】

①:記述は標的型攻撃の説明です。標的型メールは主に企業・組織に対する攻撃です。
③:記述はDoS 攻撃の説明です。
④:メール爆弾とは、対象とした相手に故意的にメールを大量に送り、メールサーバをダウンさせる攻撃。Dos攻撃の一種と考えることもできる。
⑤:ビジネスメール詐欺は、メールアカウントをのっとり、自社または関連会社の経営層や取引先になりすまし、金銭をだまし取ることを目的としたサイバー攻撃のことです。記述はフィッシングメールの説明です。

I-1-22 改正個人情報保護法

いわゆる改正個人情報保護法(個人情報の保護に関する法律)に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。

① この法律は、個人情報の適正かつ効果的な活用が新たな産業の創出並びに活力ある経済社会及び豊かな国民生活の実現に資するものであることその他の個人情報の有用性に配慮しつつ、個人の権利利益を保護することを目的としている。
② 「個人情報」とは、生存する個人に関する情報であって、氏名、生年月日その他の記述等により特定の個人を識別することができるもの、あるいはマイナンバーや旅券番号等の「個人識別符号」が含まれるものをいう。
③ 「要配慮個人情報」とは、指紋や虹彩等の特定の個人の身体の一部の特徴を電子計算機のために変換した情報であって、「個人識別符号」よりも、その取扱いに特別な配慮を要する個人情報をいう。
④ 「個人情報取扱事業者」とは、個人情報データベース等を事業の用に供している者をいい、国の機関、地方公共団体等は含まれない。
⑤ 特定の個人を識別することができないように個人情報を加工し、その個人情報を復元できないようにした「匿名加工情報」については、その取扱いを「個人情報」の取扱いよりも緩やかに規律することで、自由な流通や利活用を促進している。

正解と解説

【正解③】

「指紋や虹彩等の特定の個人の身体の一部の特徴を電子計算機のために変換した情報」は要配慮個人情報に該当しないため誤りです。

要配慮個人情報とは、「本人の人種、信条、社会的身分、病歴、犯罪 の経歴、犯罪により害を被った事実その他本人に対する不当な差別、偏見その他の不利益 が生じないようにその取扱いに特に配慮を要するものとして政令で定める記述等が含まれる個人情報」とされています。

I-1-23 第4 次産業革命

IoT、ビッグデータ、人工知能等の技術革新による、いわゆる第4 次産業革命に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。

① 第4 次産業革命とは、農業等の第1 次産業、建設業等の第2 次産業、小売業等の第3 次産業に続く、新たな第4 次産業を創出する変革のことをいう。
② 第4 次産業革命は、産業に関する変革が対象であり、スマートハウスにより快適・便利な暮らしが実現できる等の社会生活に関する変革は、第4 次産業革命の対象ではない。
③ 第4 次産業革命の事例である「シェアリングエコノミーサービス」とは、高い市場シェアを獲得することで標準たる地位を獲得して提供される安価なサービスのことをいう。
④ 日本では全国の駅やコンビニ等で、安心して24 時間利用できるATM の利便性があり、決済送金サービス等の「フィンテック」の普及度合いで日本が欧米をリードしている。
⑤ 第4 次産業革命により、個々にカスタマイズされた製品・サービスの安価な提供、既に存在している資源・資産の効率的な活用、人工知能やロボットによる労働の補助・代替等が可能となる。

正解と解説

【正解⑤】

第1次産業革命

石炭、蒸気機関を動力源とする軽工業中心の発展です。

第2次産業革命

石油を動力源とする重工業中心の工業の発展です。

第3次産業革命

コンピューターの導入による自動化です。

第4次産業革命
IoT(モノのインターネット)やAI(人工知能)、ビッグデータを用いた技術革新です。

上記の定義から、①②は誤りであることがわかります。

③シェアリングエコノミーとは、インターネットを介して、個人同士でモノや場所、スキルなどを取引するサービスのことです。

④日本でのフィンテックの普及度は欧米に比べると低い水準にあります。

I-1-24 無線通信方式

スマートフォンやIoT 端末等の通信には、様々な用途に応じた無線通信方式が用いられる。最近では、環境モニタリングやスマートメータ一等の多数のIoT 端末からの情報を収集する用途に適したLPWA と呼ばれる方式の開発やネットワークの構築が進められている。下図は、縦軸を無線電波のカバー範囲、横軸を消費電力・速度・コストとしたときの、代表的な無線通信方式の位置付けを示したものである。次のうち、(ア)、(イ)、(ウ)、(エ)に該当する無線通信方式(技術の総称、規格名あるいはブランド名)の組合せとして最も適切なものはどれか。

LPWA4G(LTE)Wi-FiBluetooth
BluetoothWi-Fi4G(LTE)LPWA
4G(LTE)LPWAWi-FiBluetooth
4G(LTE)Wi-FiBluetoothLPWA
LPWA4G(LTE)BluetoothWi-Fi
正解と解説

【正解①】

LPWA(Low Power Wide Area)とは、省電力広域ネットワークと呼ばれ、LoRa、SIGFOX、NB-IoTなど様々な通信規格が存在し、少ない電力で数キロ〜数十キロの広い範囲で通信が可能な特徴を持つ通信方法のことです。

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