I-1-17 不正競争防止法
企業の次の行為のうち,不正競争防止法の不正競争に該当しないものとして,最も適切なものはどれか。
① 他人の商品の形態を模倣した商品を譲渡等する行為。
② 不正の利益を得る目的で,他人の商品・役務の表示と同一・類似のドメイン名を使用する権利を取得・保有する行為。
③ 商品・役務又はその広告等に,その原産地,品質・質,内容等について誤認させるような表示をする行為。
④ 商品・役務の広告において,他人の商品・役務の客観的事実に基づく情報を断りなく記載して,自らのものと比較表示をする行為。
⑤ 競争関係にある他人の営業上の信用を害する虚偽の事実を流布する行為。
解答と解説
【正解④】
経済産業省によって、不正競争行為型として10例挙げられています。
①形態模倣商品の提供行為(第2条第1項第3号・第21条第2項第3号)、「他人の商品の形態を模倣した商品を譲渡などする行為」に該当する不正行為です。
②ドメイン名の不正取得などの行為(第2条第1項第19号)、「図利加害目的で、他人の商品・役務の表示(特定商品等表示)と同一・類似のドメイン名を使用する権利を取得・保有、又はそのドメイン名を使用する行為」に該当する不正行為です。
③誤認惹起行為(第2条第1項第20号・第21条第2項第1号・第5号)、「商品・役務又はその広告などに、その原産地、品質・質、内容などについて誤認させるような表示をする行為、又はその表示をした商品を譲渡などする行為」に該当する不正行為です。
⑤信用毀損行為(第2条第1項第21号)、「競争関係にある他人の営業上の信用を害する虚偽の事実を告知し、又は流布する行為」に該当する不正行為です。
I-1-18 ナレッジマネジメント
ナレッジマネジメントに関する次の記述のうち,最も適切なものはどれか。
① 組織的知識創造とは,組織を構成する個人や集団のレベルではなく,組織の経営者が企業の環境から知りうる以上の知識を,あらたに創造することである。
② 暗黙知はわかりにくいので,すべて形式知化して暗黙知を無くすべきである。
③ 経営トップが現場を歩くManagement By Walking Aroundの取組は,暗黙知を形式知化するプロセスの代表的な例である。
④ 形式知から他の形式知を生み出そうとする行為は,非効率的なので避けるべきである。
⑤ 組織的に形式知化された知識を自分自身のものとして採り入れることで,形式知を暗黙知にすることができる。
解答と解説
【正解⑤】
ナレッジマネジメント、SECIモデルに関する問題です。SECIモデルとは、「知識には暗黙知と形式知の2つがあり、それを個人・集団・組織の間で、相互に絶え間なく変換・移転することによって新たな知識が創造されると考える。 こうした暗黙知と形式知の交換と知識移転のプロセス」
①組織的知識創造は、個人、集団、組織レべルで起きます。「組織」レベルに限定されないため誤りです。
②暗黙知は形式知になっても、SECIモデルのI (Internalization: 内面化)のステップによって暗黙知になります。
③Management BY Walking Around(MBWA)は、マネジメントが直接現場を訪れ、社員をよく知り、自分の経験を話し、心配事を聞き、励ますという取組です。
④SECIモデルのC(Combination : 連結化)のステップでは、既知の形式知から新たな形式知を生み出します。
I-1-19 情報セキュリティ認証制度
情報セキュリティに関連する認証制度とその評価基準の準拠規格を示した下表の(ア)~(ウ)に該当する規格番号の組合せとして,最も適切なものはどれか。
認証制度 | 評価基準の準拠規格 | |
規格番号 | 名称 | |
情報セキュリティマネジメントシステム適合性評価制度 | ア | 「情報技術-セキュリティ技術-情報セキュリティマネジメントシステムー要求事項 |
プライバシーマーク制度 | イ | 個人情報保護マネジメントシステム要求事項 |
ITセキュリティ評価及び認証制度 | ウ | Information security, cybersecurity and privacy protection – Evaluation Criteria for IT security |
ア | イ | ウ | |
---|---|---|---|
① | JIS Q 27001 | JIS Q 15001 | ISO/IEC 15408 |
② | JIS Q 27001 | JIS Q 15001 | ISO 26000 |
③ | JIS Q 27001 | JIS Q 15001 | ISO 9000 |
④ | JIS Q 15001 | JIS Q 27001 | ISO 26000 |
⑤ | JIS Q 15001 | JIS Q 27001 | ISO 9000 |
解答と解説
【正解①】
認証制度 | 評価基準の準拠規格 | |
規格番号 | 名称 | |
情報セキュリティマネジメントシステム適合性評価制度 | JIS Q 27001 | 「情報技術-セキュリティ技術-情報セキュリティマネジメントシステムー要求事項 |
プライバシーマーク制度 | JIS Q 15001 | 個人情報保護マネジメントシステム要求事項 |
ITセキュリティ評価及び認証制度 | ISO/IEC 15408 | Information security, cybersecurity and privacy protection – Evaluation Criteria for IT security |
ISO 26000:組織の社会的責任に関する国際規格
ISO 9000:品質マネジメントシステムに関する規格の総称
I-1-20 コミュニケーション・マネジメント
プロジェクトのコミュニケーション・マネジメントに関する次の記述のうち,最も不適切なものはどれか。
① 組織のコミュニケーション要求事項や,教訓と過去の情報は,コミュニケーション・マネジメント計画のインプットとなる。
② コミュニケーション・マネジメント計画書は,プロジェクトを実行するための情報を提供する文書であり,プロジェクトを開始した後の変更は避けなければならない。
③ プッシュ型コミュニケーションでは,情報が意図した対象者に実際に届くことや,理解されることは保証されない。
④ 課題ログや作業パフォーマンス・データは,コミュニケーションの監視のインプットになる。
⑤ ウェブ・ポータル,イントラネット・サイト,eラーニングはプル型コミュニケーションの例である。
解答と解説
【正解②】
コミュニケーション・マネジメント計画書は、ある前提条件・制約条件に基づいて作成されます。よって、前提条件・制約条件に変更に応じてコミュニケーション・マネジメント計画書も変更する必要があります。
I-1-21 統計分析
1日の来客数が平均μ,分散σ2の正規分布に従い,かつ各日の来客数が互いに独立である店舗において,1日の来客数を5日間調査したところ,73,54,81,60,72であった。この5つの来客数データの平均Ⅹ-barを用いてμを推定したい。μの推定や信頼区間に関する次の記述のうち,最も不適切なものはどれか。
① Ⅹ-barは68に等しい。
② Ⅹ-barはμの最尤推定量である。
③ Ⅹ-barはμの信頼係数95%の信頼区間に含まれる。
④ μの信頼係数95%の信頼区間は信頼係数99%の信頼区間より広い。
⑤ μの信頼係数95%の信頼区間は分散σ2が未知であっても定まる。
解答と解説
【正解④】
「広い」は誤りです。
信頼係数95%の信頼区間のほうが、信頼係数99%の信頼区間よりも狭い
I-1-22 避難情報 災害情報の伝達手段
避難情報,災害情報の伝達手段に関する次の記述のうち,最も不適切なものはどれか。
① 避難情報を居住者等に広く確実に伝達するためには,可能な限り多様な伝達手段を組合せることが望ましい。
② 避難情報の伝達手段として,市町村のホームページを活用するに当たっては,緊急時のアクセス増によりサーバがダウンしないよう回線増設等の対応を検討するべきである。
③ 緊急速報メールは,市町村などからの避難情報等を特定エリアに居住する携帯電話利用者に一斉配信する手段であり,居住者以外の当該エリアに居合わせた携帯電話利用者には情報伝達できない。
④ 防災行政無線は,市町村などがそれぞれの地域において防災,応急救助,災害復旧などに関する業務に使用することを主な目的としているが,平常時にも一般行政事務に使用できる。
⑤ 固定電話による避難情報の情報伝達には,輻輳により繋がりにくい場合がある,電話番号が分かる相手にしか連絡が取れない,といった課題がある。
解答と解説
【正解③】
「居住者以外の当該エリアに居合わせた携帯電話利用者には情報伝達できない。」は誤り。
I-1-23 デジタル技術
デジタル技術に関する次の(A)〜(E)の略語と対応する(ア)〜(オ)の説明の組合せとして,最も適切なものはどれか。
略語
(A)IoT
(B)RPA
(C)NFT
(D)ITS
(E)DX
説明
(ア)デジタル技術の活用による新たな商品・サービスの提供や新たなビジネスモデルの開発を通して,社会制度や組織文化などの変革を目指す取組のこと。
(イ)ブロックチェーン上で,デジタルデータに唯一の性質を付与して真贋性を担保する機能や,取引履歴を追跡できる機能を持つトークンのこと。
(ウ)情報通信技術等を活用し,人と道路と車両を一体のシステムとして構築することで,渋滞,交通事故,環境悪化等の道路交通問題の解決を図るもの。
(エ)人間が行ってきた定型的なパソコン操作をソフトウェアのロボットが代替して自動化するもの。
(オ) インターネットなどのネットワークにコンピュータやセンサー,カメラ,工作機械,家電などさまざまな「モノ」が接続され,データを収集したり相互に情報をやりとりしたりする概念のこと。
A | B | C | D | E | |
---|---|---|---|---|---|
① | ア | イ | エ | ウ | オ |
② | ア | ウ | イ | エ | オ |
③ | オ | イ | ウ | エ | ア |
④ | オ | イ | エ | ウ | ア |
⑤ | オ | エ | イ | ウ | ア |
解答と解説
【正解⑤】
IoT | インターネットなどのネットワークにコンピュータやセンサー,カメラ,工作機械,家電などさまざまな「モノ」が接続され,データを収集したり相互に情報をやりとりしたりする概念のこと。 |
RPA | 人間が行ってきた定型的なパソコン操作をソフトウェアのロボットが代替して自動化するもの。 |
NFT | ブロックチェーン上で,デジタルデータに唯一の性質を付与して真贋性を担保する機能や,取引履歴を追跡できる機能を持つトークンのこと。 |
ITS | 情報通信技術等を活用し,人と道路と車両を一体のシステムとして構築することで,渋滞,交通事故,環境悪化等の道路交通問題の解決を図るもの。 |
DX | デジタル技術の活用による新たな商品・サービスの提供や新たなビジネスモデルの開発を通して,社会制度や組織文化などの変革を目指す取組のこと。 |
I-1-24 情報通信技術 情報通信システム
情報通信技術や情報通信システムに関する次の記述のうち,最も適切なものはどれか。
① IPv6は,IPv4の後継として設計されたインターネットプロトコルであり,IPv6の付与可能なIPアドレスの数は約43億個である。
② エッジコンピューティングは,エンドユーザ付近にデータ処理や保管の機能を分散配置することで,通信量や遅延,より上位ノードの演算負荷などを抑える手法である。
③ 第5世代移動通信システムの利用シナリオの1つである「多数同時接続」は,極めて多数の利用者が同時に携帯電話で音声通話を行うためのシナリオであり,そのような場合でも通話に支障が生じないことが期待されている。
④ スマートグリッドは,インターネット上の仮想空間であり,利用者はアバターを操作して他者と交流するほか,仮想空間上での商品購入などのサービスを享受することもできる。
⑤ ネットワーク仮想化は,汎用サーバ上に実装することが一般的であったネットワーク機能を専用のハードウェアに実装する概念である。
解答と解説
【正解②】
①IPv4が232で約43億個、IPv6は2128で約340澗個
③「多数同時接続」は音声通話に限ったシナリオではないため誤りです。
④メタバースの説明のため、「スマートグリッド」は誤りです。スマートグリッド とは「次世代電力網」と呼ばれる新たな電力供給システムのことです。
⑤「専用のハードウェアに実装する」は誤りです。
ネットワーク仮想化は、共有された物理ネットワーク上に論理的に分離された仮想ネットワークを構築し、複数の仮想ネットワークの異種混在した集合体を、共有された物理ネットワーク上に同時に共存させる概念です。