マクレガーのX理論とY理論 | 行動モデル

心理学者であり経営学者であるダグラス・マクレガーが1960年に出版した「企業の人間的側面」において、「人間は本来怠け者であり、強制されなければ仕事をしない」とするX理論と、「人間は生まれつき仕事が嫌いという訳では無く、条件次第では自ら進んで働く」とするY理論の二つの行動モデルを提唱しました。

この理論はマズローの欲求5段階説がもとになっています。

マズローの欲求5段階説とマクレガーのX理論とY理論のアナロジー
目次

X理論

マズローの欲求5段階説の生理的欲求と安全の欲求に相当します。科学管理や官僚主義のような命令と統制による伝統的管理を行う必要があります。

X理論に当てはまる人の特徴

  • 人は生まれながら仕事が嫌い。できるだけ避けようとする。
  • 強制され統制され、処罰で脅かさなければ働かない。
  • 命令されることを好む。責任から逃れ野心を持たず安全を望んでいる。

Y理論

マズローの欲求5段階説の社会的欲求、承認欲求、自己実現欲求に相当します。

X理論に当てはまる人の特徴

  • 人は生まれながら仕事が嫌いではない。
  • 自分が決めた目標の達成には努力する。
  • 自ら進んで責任を取ろうとする。
  • 問題解決のために創意工夫する能力を持っている。
  • 現代の企業は人間の知的能力の一部しか生かしていない。


Y理論の経営管理手法として、目標管理 (MBO Management by Objectives) を提唱しました。これは、上司が目標を決めるのではなく部下に目標設定させる手法です。

権限を拡大させるようなマネジメント方法が効率的です。

さいごに

社会の生活水準が上昇し、生理的欲求や安全欲求などの低次欲求が満たされている時には、X理論の人間観によるマネジメントは管理対象となる人間の欲求と適合しないため、モチベーションの効果は期待できません。低次欲求が充分満たされているような現代においては、Y理論に基づいた管理方法の必要性が高いと言われています。

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