アージリスの未成熟-成熟理論 | 行動モデル

未成熟-未成熟理論はアージリス (Argyris)が1969年に提唱した、「人間は誰でも成長への欲求を持っている」とした理論です。一般的な経営課題である従業員のモチベーション問題についても言及し「伝統的な企業、組織の仕組みは人間の成長欲求を阻害する働きがある」という指摘をしました。
未成熟-未成熟理論はマズローが提唱した5つの欲求を上下で成熟と未成熟にわけました。
低次欲求中心の行動をとる人は自己防衛的で未成熟者、高次欲求中心の行動をとる人は成長しようとする成熟者と考えました。

マズローの欲求5段階説とアージリスの未成熟・成熟理論のアナロジー

未成熟者が多い原因は現代が管理社会で企業が科学的管理・官僚組織だからと指摘しました。
効率化のため、「仕事を細分化し、仕事の手順を作り、上司が厳格に従業員を管理する」、このような管理が従業員を未成熟な人格に留め、従業員の成長欲求は満たされずモチベーションが低下すると唱えました。
このような状況に対して、従業員の成長を促し、モチベーションを高める対策を提示しました。

  1. 職務拡大
    仕事の種類、内容に変化をもたせる。職務の数を増加させることにより、職務の幅を拡げる。(職務の水平的拡大)
  2. 参加型リーダーシップ
    一方的な指揮ではなく、従業員にも決定権を与える。すべてのメンバーが将来の活動についての議論に参加することを許し、職務上の立場をメンバー自身に決定させることを許容する。
  3. 感受性訓練:
    対人的な共感性に目覚めさせ、自己、他人、集団への理解を深めるための訓練を施す。

従業員の職務拡大、参加型リーダーシップ、感受性訓練を促すことで従業員が成熟(成長)し、成熟した従業員は企業に大きな利益をもたらす。よって、従業員の成長に投資することは有益だと主張しました。

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