生産方式とサプライチェーンマネジメント

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プッシュ型生産方式

需要予測に基づく見込み生産方式あり、原料に近い上流側が製品に近い下流側に生産を指示する。ロット生産を行っている、医薬品、化粧品、食品工場などはこの生産方式です。

MRP (資材所要量計画: Material Requirements Planning)

対象となる製品に関して、基準生産計画に基づき、BOM(Bill of Material : 部品表)と在庫情報から、資材調達量と時期を決め、部品原価や組み立て手順などの情報をもとに生産活動を効率化する手法です。

プル型生産方式

後工程が前工程に生産指示するもので、後工程が前工程の作った部品を引き取るイメージからプル型と呼ばれます。

受注生産方式

受注後に生産開始する方式で、注文を受けると各工程へ生産指示を出します。部材や人員など、リソースを確保してから生産を開始するため、理論上在庫をゼロにできるが、納品までのリードタイムが長くなります。

基点在庫方式

あらかじめ、各工程の基準在庫量を決めておき、それを下回れば基準在庫量まで発注または生産指示を行う方式です。

JIT生産方式

後工程引き取りの生産方式です。「いつ、何を、どれだけ必要か」を、「最も早く・正確にわかる」後工程が、使った分だけ前工程に引き取りに行き、前工程は引き取られた分だけ生産・補充する方式です。個別化、多様化した需要、変動の多い市場に対応して時間を大幅に短縮し、在庫を極限まで削減できる手法です。

製造現場のムダを徹底的になくし、生産を平準化させることを総合的に実現します。

需要に一番近い最終工程から必要なだけ前工程へ生産指示を出す方法として、「かんばん」を使用します。

かんばん方式

かんばんには生産指示かんばんと引き取り看板があります。

生産指示かんばん : 生産を指示するために使用します。
引き取り看板 : 運搬を指示するために使用します。

使った分だけ生産するので、引き取りかんばんと生産指示かんばんの合計数しか在庫を持ちません。現在では、バーコード、ITタグを利用したコンピュータ管理システムも使用されています。

TOC理論

生産工程の中のボトルネック工程に着目し、それを改善することでリードタイムの短縮、在庫水準の維持など、生産目標を達成しようとする考え方です。ボトルネック工程の後工程はプッシュ型、前工程はプル型生産を行います。

サプライチェーンマネジメント

サプライチェーンとは、原材料が製造・加工の工程を経て製品(モノ)・サービスとなってユーザーに届くまでの一連の流れのことを指します。JIT生産方式の思想を包括的に取り入れて、サプライチェーン全体で、調達から生産、出荷、流通、販売、回収までの情報をネットワークで一括管理・共有・連携することで全体最適化を図る経営手法を「サプライチェーンマネジメント (SCM : Supply Chain Management)」と呼びます。リアルタイムに近い形での需要予測が可能になり、生産を調整して在庫を減らし、コスト削減を実現する、関連している複数企業が協力する情報管理運用システムです。

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