文章には、たくさんの種類があります。
メール、SNS、手紙、レポート、報告書、論文、プレゼン資料、etc。
種類によって書き方のルールは異なります。
技術士二次試験の筆記試験は、文字制限のある論文です。
さらに時間制限もあり、辞書で漢字や意味を調べることもできません。
つまり、どんなに作文能力に自信があっても、技術士試験用の準備無しでは合格は遠のいてしまいます。
さらに、日本はハイコンテクスト文化という事実も、論文作成を難しくしている要因だと考えています。
コンテクストについては、この記事で詳細に説明しています
業務でたくさん文章を書いているから大丈夫なんだよ~!
と、作文能力に自信がある方も、振り返るためにも一度、目を通してください (ななめ読みでOK!!)
筆記試験 各問題の解答のポイントは、こちらの記事で説明しています!
採点者のことを考えましょう
技術士試験の採点者の私生活を考えたことがありますか?
論文採点だけを生業にして生活をおくっていると思いますか?
そんなわけありません。
皆さん、本業が忙しい中、受験者の論文を読み込んで採点しているのです。
仕事で嫌なことがあったり、体調がすぐれない日もありますよね?
家族や友人と喧嘩することもありますよね?
そんな、気持ちが乗らない時でも時間を割いて採点してくれているのです。
鹿夫が採点者だったら、読みにくい文章・解読困難な文字に遭遇すると、採点を投げ出しますね
「不合格にしてしまおうか、、、」と考えてしまうのも人情ではないでしょうか?
そんなことは無いと思いますが。
貴重な時間を費やしてくれる方の気持ちを考えて、わかりやすい文章作成を心がけましょう!!
短期間で達筆にはなれません。
しかし、読みやすい字、丁寧な字を心がけるだけで受ける印象は大きく違います。
丁寧な字を速く書けるようになるためにも、実際に論文を書く訓練は欠かせません!!
演習時から、丁寧な字を書くようにしましょう!
論文作成の基本3ルール
ここでは、日常業務でも活用できる基本3ルールについて説明いたします。
「ぼんやり」と論文演習していては上達しません。
作文は奥が深いです、、、
文章は簡潔に。60文字/文
このルールは基本中の基本です。
従うことで、これ以降に説明するルールもおのずと守られます。
- 主語と述語が近くなり、意味が通じやすくなる
- 「シンプルに書こう」と心がける = 「わかりやすい文章を書こう」
「短文で正しく伝える」という意識が強くなるためです。
ポイントは「なくても意味が通じる言葉は削除する」ことです。
無駄な言葉がなくなることで、「文章を読むこと」に対する読み手の負担が減ります。
つまり、読み手は内容を理解することに集中できます。
- 婉曲表現
- 冗長表現
- 接続詞
- 形容詞
- 副詞
- 重複する言葉
- 二重否定
目安は「60文字/文」です。
これは筆記試験用原稿用紙の2.5行ほど、そして原稿用紙1枚 = 10文です。
そう考えると原稿用紙1枚を埋めることが易しく感じませんか?
このポイントを日ごろから意識することで、論文作成のトレーニングができますよ。
わかりやすい言葉を使いましょう
一般的にあまり使用されない、なじみのない言葉・漢字は使わない
身の丈に合っていない文章になってしまい、違和感を覚える。
また、身近でない言葉は読み手に負担を与えます。
筆記試験には格調高い文章は求められていません。
相当特殊なワードでない限り、専門用語の使用はかまいません。
技術士試験ですからね
ただし、社内用語の使用は禁止です。
「日常的に使っている用語になじみ過ぎ、その言葉が他組織の人には伝わらない」ということを忘れてしまいます。
「失注」、「コレポン」、「XXX(社内システム名)」、、、
社内用語だなんて知らなかった、、、
接続詞を正しく使おう
接続詞とは、文と文をつなぐ言葉です。
読み手は接続詞を見て、瞬間的に次の文章を予測します。
接続詞を正しく使うことで、理解しやすい文章になります。
つまり、間違った使い方をすると、読み手を混乱させてしまいます。
効果的に接続詞を使い、読みやすい文章を書きましょう。
接続詞は10の種類に分類されます。https://pothos.blue/setuzokusi.htm
だから、それで、そのため、このため、そこで、すると、だからこそ、それでこそ、したがって、ゆえに、それゆえに、それなら、それでは、そうすれば、そうしなければ、そうすると、そうしないと、では、それでは、これでは、その結果、結果として、結果的に、以上のことから、このことから、これらのことから、そのことから、それらのことから、結局、つまるところ、このように、以上のように、以上のことを踏まえて、これらのことを踏まえて、もし、もしも、仮に、仮にも、もしかしたら
この中で、「添加・累加」「転換」「譲歩」は削除できますね。
また、「順接」も削除できる場合がよくあります。
「逆説」が文中にあると、先を推測できるため読みやすい文章になりますね。
ええやんええやんの4ルール
ここでは、論文作成・作文のちょっとしたテクニック、気を付けるポイント4点を説明いたします。
書く前に考えよう⇒見出しベースで考える!
いきなり原稿用紙に書き始めるのではなく、落ち着いて問題文を読んで論文の全体構成を考えましょう。
筆記試験の解答論文を作成するプロセスは次の通りです。
出題者の意図を的確に読み取ることが必要です
主語と述語を意識する
日本語は主語がなくても文が成立してしまう言語です。
ハイコンテクスト文化の一面ですね。
ということもあり、主語と述語の関係が忘れられがちです。
つまり、
- 主語と述語が対応していない
- 主語と述語が離れている
- 主語がない、わからない
という事態が起きやすく、理解が難しい文章になります。
次に示すステップが、簡潔で理解しやすい文章を書くプロセスです。
- 主語と述語をワンセットで考え、主語と述語を近くに置いた文を書く
- 主語を削除できるかを検討する
「修飾語」の使い方を考える
修飾語は文や名詞を「飾る」言葉です。
筆記試験では過度に飾る必要はありませんし、不要な修飾語は使うべきではないです。
どうしても修飾語を使用する際は、次の3点に気をつけましょう。
- 修飾語は被修飾語の近くに置く
- 修飾語が多いときは文章を分ける
- 修飾語を具体的な数字に置き換える
3点目は、「たくさん」「少し」「とても高い」といった修飾語ではなく、「具体的な数字を使用する」、ということです。
売り上げがたくさん増えた ⇒ 売り上げが1.5倍になった。売り上げが110%になった。
砂糖を少し加えた ⇒ 砂糖を2g加えた
とても高い建物を建てた ⇒ 150mの建物を建てた。
曖昧さを排除できるため、技術系論文・報告書には特にオススメです。
「、」を正しく使う
「、」は読点、「。」は句点と読み、合わせて句読点です。
「。」は文の最後につけるので誤用、書き忘れはないでしょう。
問題は「、」ですね。
「、」は無くても文章は書けるし、だいたいの意味は通じます。
伝えたいことを考え、正しく「、」を使いましょう。
そして、伝えたい文になっていることを、何度も読み直す習慣をつけましょう。
繰り返すことで上達しますよ~
当たり前かもの2ルール
ここでは、すでに当たり前、常識となっている文章のルールについて説明いたします。
まあ、こここそ、流し読みですね。
「である」調、「ですます」調を統一する
小学校の授業でも習うことですが、文末を「である」or「ですます」のいずれかに統一しましょう。
筆記試験の場合は「である」が無難です。
「である」の特徴は、文章にキレが増して冗長表現が避けられる点です。
まさに技術士筆記試験には最適ですね!!
語彙力・漢字力をつける
語彙が増えれば、より正確に伝えられます。
的確な言葉を選び出して書き手の考えを表現することで、読み手も正確に書き手の考えを理解できるようになります。
筆記試験で求めているのは文学作品ではないので、次の3点に注意すればよいでしょう。
- 知らない単語は辞書を引く (or ネットで調べる)
- 同音異義語は意味と漢字をセットで覚える
- 論文出題範囲に関する用語は漢字で書けるようにする
まとめ
この記事では技術士試験の論文作成に役立つ9つのルールを説明しました。
最初に書いたように採点者は、働きながら空いた時間で採点してくれています。
読みやすい、理解しやすい論文の作成を心がける努力をしましょう。
自分の文章を評価することは難しいので、効率よく論文力を鍛える方法は、
というステップが最適です。
「書きまくる」ことで、「量が質に変わる」ときが来ます。
第三者に添削してもらうことで「推敲」まで含めた、「本当の自分の作文能力」を評価してもらえます。
本記事の内容を意識し、筆記試験 各問題の解答のポイントを参考にして練習問題を繰り返しましょう。
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