総監キーワード|情報管理(4/5) 情報通信技術動向

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情報システム実現方法の動向

集中化と分散化

様々なサービスを実現するシステムは、1つのコンピューターを中心とする集中型と、複数のコンピューターによって処理を行う分散型に大別されます。

WEBサービス

利用者がWEBブラウザに表示される画面を操作することで利用できるサービスのことです。

クラウドコンピューティング

クラウドコンピューティング(cloud computing)は、インターネットなどのコンピュータネットワークを経由して、コンピュータ資源をサービスの形で提供する利用形態のことです。略してクラウドと呼ばれることも多く、cloudとは英語で「雲」を意味します。クラウドの世界的な普及でオンラインであれば必要な時に必要なサービスを受けられるようになり、あらゆる業務が効率化され、社会の創造性を高めることに成功しました。

エッジコンピューティング

エッジコンピューティング(Edge computing)とは、利用者や端末と物理的に近い場所に処理装置(エッジプラットフォーム)を分散配置して、ネットワークの端点でデータ処理を行う技術の総称を指します。エッジコンピューティングは分散コンピューティングの活用であり、サーバ処理とデータストレージをリクエスト元にネットワーク上距離を近づける事で、処理応答時間を改善し、バックボーン帯域幅の節約に寄与します。

システム評価指標(RASIS)

RASIS(レイシスまたはラシス)とは、コンピューターシステムやソフトウェアの品質を評価する5つの指標の頭文字をとったものです。システムやソフトウェアが安定して期待した通りに稼働しているか否かを判断するために使用される指標です。それぞれの頭文字は、次の5つを意味します。

  • Reliability 信頼性
  • Availability 可用性
  • Serviceability 保守性
  • Integrity 保全性
  • Security 安全性/機密性

信頼性(Reliability)

信頼性は、システムの壊れにくさを評価する指標です。評価指標にはMTBF(Mean Time Between Failure, 平均故障間隔)とMTTR (Mean Time To Recovery, 平均修復時間)があります。両方とも数値が大きいほうが信頼性が高いシステムと言えます。

MTBF(平均故障間隔)

MTBFは稼働開始から次に故障するまでの平均稼働時間です。

MTBF = 総稼働時間÷総故障回数

MTTR(平均修復時間)

MTTRはシステムなどを修復する平均修復間隔です。

MTTR = 総故障時間÷総故障回数

可用性(Availability)

システムを障害なく継続稼働することで、指標には稼働率を使用します。稼働率はシステムなどの全運転時間に対する稼働時間の割合で定義されます。

稼働率

稼働率 = MTBF ÷ (MTBF + MTTR) = 総稼働時間 ÷ (総稼働時間+総故障時間)

保守性(Serviceability)

修理の容易性だけでなく、システム更新のしやすさも含まれます。特にソフトウェアは税法などの法律改定などによって保守(更新)が必要となるため、それが容易なわかりやすいプラグラム構造、ドキュメント類の整備が必要です。

保全性(Integrity)

悪意ある改変や攻撃や事故によって障害が発生しても処理異常が発生しにくいという状態のことです。

安全性(Security)

機密性に優れ、不正アクセスされにくい状態のことです。

通信インフラ

通信インフラとは、インターネットやスマートフォンに用いられている通信回線のことで、水道・ガス・電気などの生活インフラと同様に、人々の生活にはなくてはならない社会基盤です。地中や電柱などに張り巡らされた電話回線(メタル回線)網や光ファイバー回線網、携帯電話基地局、通信会社の拠点施設、集線装置や交換機などが含まれます。

固定通信

固定通信とは、自施設内へケーブルを引き込んで屋内で使用する物理的なインターネット回線のこと。 ケーブルに直接接続するので、モバイルWi-Fiやホームルーターよりも通信速度が速く、安定しているのが特長です。

移動通信

携帯電話やスマートフォンのように、端末が移動することのできる(通信線路に接続されておらず、固定無線局でもない)電気通信の総称を指します。

インターネット

インターネットは、コンピュータなどの情報機器を接続するネットワークを指します。

SNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)

ソーシャル・ネットワーキング・サービスとは、Web上で社会的ネットワークを構築可能にするサービスのことです。

クラウドサービス

クラウドサービスは、従来は利用者が手元のコンピュータで利用していたデータやソフトウェアを、ネットワーク経由で、サービスとして利用者に提供するものを指します。

情報システム活用方法の動向

ERP(統合基幹業務システム)

ERPは経営資源を統合的に管理する経営管理手法を指し、その実現を支援する統合基幹業務システムを「ERP」と呼びます。

財務会計・管理会計システム

財務会計・管理会計システムは、会計に必要な予算実績管理や原価管理を効率化するシステムです。従来の管理会計では、経営層に報告するために毎月、実績の入力を各部署に依頼し、その数字をもとに資料を作成するフローにおいて、多大な労力が必要でした。管理会計システムでこれらの業務を効率化することで、分析や評価といった重要な業務に集中できるようになります。

財務会計は利害関係者(ステークホルダー)に財務状況を報告するための社外向けの会計であり、法律上、すべての企業は財務会計を行う義務があります。 一方、管理会計は経営者などが自社の経営管理をするための社内向けの会計で、それぞれの企業が任意で行うものです。

人事システム

人事の様々な業務(採用管理、給与計算、人材評価など)をIT化することで情報管理・企業経営に貢献するシステムのことです。

販売管理システム

販売管理システムとは、販売にかかわる業務を一元的に管理するシステムです。「販売」と一口にいっても、受発注、出入荷、請求、入金など、そのプロセスにはさまざまな業務が関わっています。 これらを一元管理し、業務を効率化するのが販売管理システムです。

顧客管理(CRM)システム

CRMとは顧客情報を一元管理できるシステムです。Customer Relationship Management (カスタマー・リレーションシップ・マネジメント)の略語で、顧客管理システムとも呼ばれます。当初は顧客情報や取引履歴の管理をするものでしたが、最近では見込み客の段階からカバーするシステムも増えています。CRMで顧客管理を行うことにより、顧客のニーズを効率的に把握し、メールや電話などの履歴を全社で共有することができます。顧客と1対1の関係から、満足度・安心度向上と収益性を築くことも可能です。

営業支援(SFA)システム

SFAとは「Sales Force Automation」の略語で、日本語では「営業支援システム」と呼ばれます。営業部門のメンバー行動、商談の進捗状況とその結果を見える化し、営業の生産性向上や業務改善を実現するためのツールです。SFAには、大きく分けて、顧客管理機能、案件管理機能、行動管理機能という3つの機能があります。です。

生産管理システム

生産管理システムとは、製造現場における納期・在庫・工程・原価などの情報を一括管理するシステムのことです。製造業には欠かせないツールであり、生産管理業務を効率化し、生産性向上につなげることができます。

サプライチェーンマネジメント(SCM)システム

サプライチェーンマネジメント(SCM)とは、供給(仕入れ先)企業から顧客(最終顧客)までの製品の流れを管理し、その業務プロセスの効率性を高め、無駄をなくす管理手法のことを言います。

企業内ポータル・イントラネット

社内ポータルは「業務に必要な情報にアクセスするための窓口になるツールやサイト」のことで、社内イントラネットは「組織内や会社内といった限定された人だけがアクセスできる情報通信網」のことです。

ビジネスインテリジェンス(BI)

ビジネスインテリジェンスは、ビジネスに関するインテリジェンス、すなわち事業上の意思決定のために情報を分析して得られる知見およびそれを得る仕組みや手法のことです。企業などの組織のデータを収集・蓄積・分析・報告することによって、経営上などの意思決定に役立てます。

デジタルトランスフォーメーション(DX)の技術

DXとは、企業が、ビッグデータなどのデータとAIやIoTを始めとするデジタル技術を活用して、業務プロセスを改善していくだけでなく、製品やサービス、ビジネスモデルそのものを変革するとともに、組織、企業文化、風土をも改革し、競争上の優位性を確立することです。

人工知能(AI)

人工知能(AI)とは、人間の知的ふるまいの一部をソフトウェアを用いて人工的に再現したものです。経験から学び、新たな入力に順応することで、人間が行うように柔軟にタスクを実行します。チェスをプレイするコンピューターから自動運転車まで、最近耳にするAIの事例のほとんどは、ディープ・ラーニングと自然言語処理に大きく依存しています。これらのテクノロジーを応用すると、大量のデータからパターンを認識させることで、ビジネスや生活における様々な難しいタスクをこなせるようにコンピューターをトレーニングすることができます。

機械翻訳

機械翻訳とは、ある自然言語を別の自然言語に翻訳する変換を、コンピューターを利用して全て自動的におこなうことです。

音声対話

音声対話システムは、音声を理解して適切に応答するシステムです。人間の発声する音声を認識し、それに対して自動的に音声などで応答します。

画像認識

画像認識とは、「画像に何が写っているのか」を機械やコンピューターが認識する技術です。対象物の形や色などの特徴から、それが何であるかを判断します。

IoT (Internet of Things)

IoT とは、従来インターネットに接続されていなかった様々なモノ(センサー機器、駆動装置(アクチュエーター)、住宅・建物、車、家電製品、電子機器など)が、ネットワークを通じてサーバーやクラウドサービスに接続され、相互に情報交換をする仕組みです。読み方は「アイオーティー」で、「Internet of Things」の略からもわかるように「モノのインターネット」という意味で使われています。

モノがインターネットと接続されることによって、これまで埋もれていたデータをサーバー上で、処理、変換、分析、連携することが可能になります。このような IoT の技術を活用することによって、これまでに無かった、より高い価値やサービス生み出すことが可能になります。また、センサーやデバイスといった機器、通信インフラ、クラウドサービスの高性能化、低価格化が追い風になり、IoT の導入がより身近なものになってきています。

仮想現実(VR)

VR(Virtual Reality)とは、「仮想現実」という意味の言葉です。AR は現実の世界を主体としますが、VRはバーチャルな世界でリアルに近い体験ができます。なお、VRは仮想の世界を現実世界から完全に遮断するため、ユーザーはヘッドセットとヘッドフォンを着用することが一般的です。

拡張現実(AR)

ARとは、Augmented Realityの略で、「拡張現実」を意味します。 現実の風景に対し、コンピュータで情報を付加または合成して表示する技術を指します。

ブロックチェーン

ブロックチェーンは情報を記録するデータベース技術の一種で、ブロックと呼ばれる単位でデータを管理し、それを鎖(チェーン)のように連結してデータを保管する技術を指します。

暗号資産(仮想通貨)

暗号資産は、インターネットの中だけでやりとりされる、通貨のような機能を持つ電子データです。紙幣や貨幣などの実態は存在せず、ブロックチェーン技術を使った新しい電子マネーの形態です。以前は「仮想通貨」と呼ばれていましたが、令和2年5月に施行された資金決済法の改正により、国際標準である「暗号資産」(crypto-assets)に呼称が変更されました。

RPA (Robotic Process Automation)

RPAとは「Robotic Process Automation」の略語で、パソコンで行っている事務作業を自動化できるソフトウェアロボット技術のことです。RPAはパソコン上で人が日常的に行っているマウス操作やキーボード入力などの操作手順を記録し、それを高速で正確に実行することができます。

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