この記事では、技術士二次試験の口頭試験について説明します。
- 技術士になりたい、興味がある
- 口頭試験の概要・目的を知りたい
- 口頭試験の対策を知りたい
という方にオススメの内容です。
私の経験談もあるよ~
口頭試験の概要
技術士口頭試験は、いわゆる「面接」です。
この試験で受験生の技術士としての適性を評価します。
ここでは口頭試験の位置づけ、スケジュール、合格率といった概要について説明いたします。
概略をつかんでモヤモヤを解消しておきましょう!!
口頭試験の位置づけ
技術士資格をゲットするまで、つぎのステップがあります。
口頭試験は、3度試験がある中で最後の試験になります。
ここまで来たらあと少しです、頑張りましょう!!!
合格すると、修習技術者になれます。
大学エンジニアリング過程修了者(JABEE) は、大学を卒業するだけで修習技術者になれます。
例年7月中旬に実施され、合格発表は10月末から11月初旬です。
筆記試験合格者合格者を対象に実施されます。例年12月初旬から1月中旬にわたって実施されます。
口頭試験に合格した受験生は技術士登録することによって、晴れて技術者を名乗れます。
口頭試験のスケジュール
受験申込 | 4月初頭~中旬 |
試験期間 | 12月初頭~翌年1月中旬 |
合格発表 | 3月 |
試験会場 | 東京 |
筆記試験合格者にのみ試験日と試験会場情報が、筆記試験の成績とともに郵送で連絡があります。
口頭試験の合格率
部門、年度によって差がありますが、全体では80~90%の受験生が合格します。
筆記試験の合格率10%と比べると、合格しやすい試験ですね。
とはいえ、合格率が100%でないということは、必ず不合格の受験生がいるということです。
自分が、その20%に入ってしまうこともあります。
不合格だと、来年度以降に筆記試験からやり直しです。
そのリスク影響度は高すぎます。。。
口頭試験の評価基準ポイント
技術士会ホームページに、口頭試験の内容の記載があります。
口頭試験は、筆記試験の合格者に対してのみ行われます。
技術士としての適格性を判定することに主眼をおき、筆記試験における記述式問題の答案及び業務経歴を踏まえて実施します。
評価方法は「技術士第二次試験受験申込案内」に記載されています。。
試問事項 | コンピテンシー | 配点 |
---|---|---|
技術士としての実務能力 | 1.コミュニケーション、リーダーシップ | 30点 |
2.評価、マネジメント | 30点 | |
技術士としての適格性 | 3.技術者倫理 | 20点 |
4. 継続研さん | 20点 |
この4項目すべてが60%以上の評価で合格となります。
1つでも60%未満の項目があると不合格です。
配点も規定されてますが、受験生にとっては意味のない数字ですね。
この4項目は技術士として欠かせないコンピテンシー(資質)といえます。
技術士に求められる資質能力のうち、専門的学識と問題解決は評価対象ではありません。
↑の通り、2019年度の試験改正によって口頭試験で質問される項目は、非常に明確になりました。
それでは、6つのコンピテンシーを復習しましょう!
マネジメント
業務の計画・実行・検証・是正(変更)等の過程において,品質,コスト,納期及び生産性とリス ク対応に関する要求事項,又は成果物(製品,システム,施設,プロジェクト,サービス等)に係 る要求事項の特性(必要性,機能性,技術的実現性,安全性,経済性等)を満たすことを目的とし て,人員・設備・金銭・情報等の資源を配分すること。
日本技術士会
評価
業務遂行上の各段階における結果,最終的に得られる成果やその波及効果を評価し,次段階や別の 業務の改善に資すること。
日本技術士会
コミュニケーション
・業務履行上,口頭や文書等の方法を通じて,雇用者,上司や同僚,クライアントやユーザー等多様 な関係者との間で,明確かつ効果的な意思疎通を行うこと。
・海外における業務に携わる際は,一定の語学力による業務上必要な意思疎通に加え,現地の社会的 文化的多様性を理解し関係者との間で可能な限り協調すること。
日本技術士会
リーダーシップ
・業務遂行にあたり,明確なデザインと現場感覚を持ち,多様な関係者の利害等を調整し取りまとめ ることに努めること。
・海外における業務に携わる際は,多様な価値観や能力を有する現地関係者とともに,プロジェクト 等の事業や業務の遂行に努めること。
日本技術士会
リーダーシップの詳細説明
技術者倫理
・業務遂行にあたり,公衆の安全,健康及び福利を最優先に考慮した上で,社会,文化及び環境に対 する影響を予見し,地球環境の保全等,次世代にわたる社会の持続性の確保に努め,技術士として の使命,社会的地位及び職責を自覚し,倫理的に行動すること。
・業務履行上,関係法令等の制度が求めている事項を遵守すること。
・業務履行上行う決定に際して,自らの業務及び責任の範囲を明確にし,これらの責任を負うこと。
日本技術士会
継続研さん
・業務履行上必要な知見を深め,技術を修得し資質向上を図るように,十分な継続研さん(CPD) を行うこと。
日本技術士会
口頭試験の対策
結論から言うと口頭試験への対策は、
評価対象である6つのコンピテンシーに関する質問への回答を整理する
に集約されます。
ということで、6つのコンピテンシーを口頭試験向けに簡単にまとめました。
マネジメント | 制約条件下でのリソース配分 |
評価 | 改善点、改善方法 |
コミュニケーション | 効果的な意思の伝達。外国語、海外文化の理解 |
リーダーシップ | 関係者利害調整。多様な価値観を持った関係者との協働 |
技術者倫理 | 倫理的行動・思考。特に公益確保 |
継続研さん | OJT以外の資質向上アクティビティ |
次に、コンピテンシー以外に想定される質問です。
- 受験動機を教えてください。
- 合格した後の抱負を教えてください。
- 経歴を教えてください。
これらをもとに想定問答シートを作成しましょう。
私は30問程度に落ち着きました。
少ないと思いましたか?
人によって、想定問答数は100を超えるという意見もあります。
試験には傾向があります。絶対にそれを認識してください。
残念ながら、無駄な作業が増えるだけですよ~。
数十年前に合格した超ベテランエンジニア
⇒ 口頭試験なんて雑談でしょ。対策しなくても全員合格するよ~
2015年あたりに合格したシニアエンジニア
⇒業務、筆記試験の細かいところまで聞かれたね。3義務2責務、条文も覚えたよ。
↑は、周りの技術士が言っていたことです。
受験年度によって質問内容は大きな違いがあります。
なぜなら、「試問事項」が違うんですから。
2019年度に試験は改定されたのです。
必ず、最新情報に従って準備をしましょう。
口頭試験トレーニング
想定問答集を作成したら記憶し、自分の言葉で自然に自信をもって話せるまでトレーニングしましょう。
想定問答集を録音し、隙間時間に聴いてました
実際に声を出すことが大事です。スピード感をつかみやすくなります。
模擬面接試験を受けられたら盤石ですね!!
まとめ
この記事では技術士二次試験の口頭試験対策について説明しました。
アドリブや面接が得意な方も油断せず、最低限の準備をしておきましょう。
準備なしで令和3年度試験合格したよ~、という友人がいました。
たしかに喋りが得意な友人ですが、「準備していない証拠」は掴んでいません (笑)
とっさの質問で戸惑ってしまい、不合格になんてしまったら悔やんでも悔やみきれません。
もう終わりは見えています。最後まで気を緩めずがんばりましょう!!
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