ISO 9000で品質とは「本来備わっている特性の集まりが要求事項を満たす程度」と定義されています。
品質管理の視点から、品質 (Quality)は製品やサービスが持つ特性が、顧客の要求や期待にどれだけ合致しているかを示す尺度。
目次
要求品質 (Required Quality)
- 定義: 顧客や市場から求められる品質の基準や条件を指します。
- 特徴:
顧客のニーズや期待に基づいて設定される。
法的基準や業界標準も含まれる。 - 例: 車の安全性、食品の鮮度、電子機器の耐久性など。
設計品質 (Design Quality)
- 定義: 製品やサービスの設計段階で決定される品質の特性や基準。
- 特徴:
設計者が考慮すべき機能や性能の要件。
要求品質を満たすために、どのような特性を持たせるべきかを示す。 - 例: スマートフォンのバッテリー持続時間、衣服のサイズやフィット感、家電製品のエネルギー効率。
製造品質 (Manufacturing Quality)
- 定義: 製品が製造される際に実際に達成される品質。生産プロセスにおけるエラーや不良品の発生率など。
- 特徴:
生産過程の安定性や再現性に依存。
設計品質が適切に実現されているかを測る指標。 - 例: 自動車部品の製造における寸法精度、不良品率、製品の表面仕上げ。
品質特性 (Quality Characteristics)
- 定義: 品質を測定するための具体的な特性や指標。製品やサービスの評価基準を構成します。
- 特徴:
それぞれの製品やサービスに応じて異なる特性が設定される。
定量的または定性的に評価されることが多い。 - 例:
性能特性: 製品の機能や性能(例: 加速性能、冷却能力)
信頼性特性: 故障までの時間(MTBF: Mean Time Between Failures)
耐久性特性: 使用に耐える期間(例: 耐水性、耐摩耗性)
外観特性: 製品の見た目や仕上がり(例: 色合い、デザイン)
まとめ
品質は、要求品質、設計品質、製造品質、品質特性など、さまざまな観点から定義されます。これらは相互に関連し合い、最終的に顧客の満足度に影響を与えます。品質管理を行う際には、これらの要素を総合的に考慮し、製品やサービスが顧客の期待を満たすように努めることが重要です。
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