サービス品質とは、提供されるサービスの品質のことを言います。
サービスの品質評価尺度にSERVQUAL があります。
サービス (Service)と品質(Quality)を組み合わせた造語で、1988年にParasuraman、Zeithmal、Berry の3人によって提示されました。
SERVQUALによるサービス品質の評価は、主観的な事前の期待値と事後の評価の差を「品質」と捉えました。
SERVQUALは、次の5次元によってサービス品質は構成されるという考え方です。
信頼性 assurance | 期待した結果が実際に提供されたか。約束したサービスを常に供給できるか、といった組織への信頼度を判断する品質 |
対応性 responsiveness | サービス提供のスピードと意欲。組織の従業員は、迅速なサービス提供できることを判断する品質 |
確実性 assurance | サービス遂行に必要な技能と知識、丁寧さ、尊敬、配慮。リスク・疑念を抱かないで済む安全性、信じるに値する人・組織かどうか。期待する結果が得られるであろう予想についての確信の度合い。従業員が、知識豊富で礼儀正しく、信頼できる存在であるかを判断する品質。 |
共感性 empathy | 近づきやすさ、アクセスのしやすさ、顧客ニーズの理解。企業が顧客への気遣いや顧客ごとの注意を払っているかを判断する品質 |
有形性 tangibles | 物理的施設・設備、接客員の外見・制服、パンフレットなどのコミュニケーションツールがサービスにふさわしいものかを判断する品質 |
目次
SERVQUALの測定方法
SERVQUALモデルを用いるには、以下の手順が一般的です。
- 顧客調査
- アンケートやインタビューを通じて、顧客が期待するサービスレベルと、実際に受けたサービスレベルを評価してもらいます。
- ギャップ分析
- 期待と実際の評価を比較し、各次元でのギャップを特定します。これにより、改善が必要なエリアを把握します。
- 改善策の策定
- ギャップが特定されたら、サービス品質向上のための具体的なアクションプランを策定し、実施します。
メリット
- 顧客満足度の向上: サービスのギャップを把握し改善することで、顧客満足度を高めることができます。
- 競争力の強化: 顧客の期待に応えるサービスを提供することで、他社との差別化を図ることができます。
- 組織のパフォーマンス向上: サービス品質の向上は、組織全体のパフォーマンスを改善します。
注意点
- 文化的差異: 顧客の期待は文化や地域によって異なるため、調査の結果を解釈する際には注意が必要です。
- 定期的な見直し: サービス市場や顧客ニーズは常に変化するため、定期的にSERVQUAL調査を行い、サービスを見直すことが重要です。
具体例
- ホテル業界: ホテルのフロントサービスや客室の清潔さ、スタッフの態度について顧客の期待と実際の評価を調査し、ギャップを分析してサービスを改善する。
- 飲食業界: レストランの料理の提供時間や、スタッフの応答性、メニューの明確さについて調査を行い、サービス品質を向上させる施策を講じる。
SERVQUALモデルは、サービス品質を具体的に測定し改善するための有力な手段であり、顧客満足度向上に寄与する重要なツールです。
コメント