サービス特性・IHIP | サービス産業の特性を把握

サービスの特性はIHIP(アイエイチアイピー、または、アイヒップ)という4つの特性で説明されます。

・無形性 Intangibility : 目に見えない
・不均質性 Heterogeneity : 品質が一定でない (提供するヒトが重要)
・不可分性 Inseparability : 生産と消費が同時。在庫を持てない
・消滅性 Perishability: 手元に残らない

IHIPモデルは、サービスの特性を理解するために用いられる4つの重要な要素を示すモデルで、以下の特性の頭文字を取って「IHIP」と呼ばれています。それぞれの特性を説明します。


目次

I (Intangibility) – 無形性

  • サービスは形のないものであり、製品のように物理的に見たり触れたりすることができない特性を持っています。無形であるため、品質を事前に判断しにくいという特徴があります。 :
  • ホテルでの接客サービス、航空会社のフライトサービス、医療サービスなど。 注意点:
  • 無形性のため、顧客はサービスを受ける前にその品質を判断しにくく、信頼や口コミが重要な要素となります。また、ブランドや評判が品質の指標となることが多いです。

H (Heterogeneity) – 非均一性

  • サービスは標準化が難しいという特性を持っています。同じサービスであっても、提供される場面や提供者によって異なったり、顧客の状況やニーズによってカスタマイズされることが多いです。 :
  • レストランのサービスは、担当するスタッフや時間帯によって体験が変わる。コンサルティングサービスもクライアントに応じて異なる。 注意点:
  • 非均一性により、サービスの質にばらつきが出やすいです。サービス標準の確立や従業員教育を徹底することが重要です。

I (Inseparability) – 同時性・不可分性

  • サービスは、生産と消費が同時に行われるため、生産者と消費者の相互作用が重要です。これにより、サービスの提供者と顧客の関係や現場の状況がサービスの品質に大きく影響します。 :
  • 美容室でのヘアカットは、顧客がその場で提供者とやり取りしながら行われる。
  • 病院での診療は、医師と患者が直接関わる。 注意点:
  • 顧客と提供者が直接関わるため、提供者のスキルやコミュニケーションがサービスの成功に大きく影響します。

P (Perishability) – 受容不能性・消滅性

  • サービスは貯蔵ができないため、需要と供給のバランスが重要です。例えば、未使用のホテルの部屋や、乗客がいない飛行機の座席は後から売ることができないため、機会損失になります。 :
  • 空の飛行機の座席、空いているレストランのテーブル、使用されなかった医師の予約時間。 注意点:
  • 需要予測が非常に重要で、予約システムや動的な価格設定を活用して、供給と需要をうまく調整することが求められます。

IHIPのまとめ

  • 無形性 (Intangibility): サービスは目に見えず、事前に評価が難しい。
  • 非均一性 (Heterogeneity): サービスは提供する人や環境によって異なる。
  • 同時性 (Inseparability): サービスは提供と消費が同時に行われ、提供者と消費者が直接関わる。
  • 消滅性 (Perishability): サービスは貯蔵ができないため、未使用のリソースは機会損失につながる。

IHIPモデルのメリットと注意点

メリット

  • サービス産業における特性を理解し、それに基づいた戦略を立てやすい。
  • サービスの提供において重要なポイントを明確にし、サービスの品質向上や効率化を図ることができる。

注意点

  • 無形性や非均一性を克服するために、標準化や顧客対応における教育が必要です。
  • 需要予測を正確に行い、供給不足や過剰供給を防ぐためのシステムが求められます。

IHIPモデルを理解することで、サービス産業の特性を捉え、適切な経営・運営が可能になります。

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