戦略的原価管理活動

原価管理の主な考え方に原価企画、原価維持、原価改善の3つがあります。
これは、1963年、トヨタ自動車株式会社が原価管理の三本柱(原価企画、原価維持、原価改善)として位置づけたのが始まりとされています。

新製品の企画段階で「目標原価」を設定し、目標利益の確保を企画する原価管理活動として原価企画があり、量産段階に入った後に展開する継続的な原価維持・改善活動に原価維持原価改善があります。

目次

原価企画

原価企画(target costing)は、新製品を市場に導入するに際して、商品構想、製品企画、開発・設計といった初期フェーズにおいて目標利益(目標利益=目標価格-許容原価)を確保してしまおうとする原価作り込み活動です。

目標原価(=許容原価)

目標原価は、市場ニーズなどを見極めて設定する販売価格から、得たい利益を差し引いた値で定義されます。

原価差異分析

原価差異とは、標準原価と、実際原価との間で発生した差額のことです。原価差異の原因を特定する活動が原価差異分析です。
材料に関する原価差異である、材料受入価格差異直接材料費差異
労務費に関する原価差異である、直接労務費差異
製造間接費に関する原価差異である、製造間接費差異
の4つに分類されます。

原価維持

原価維持は、既存の経営構造や生産諸条件を前提に、原価の価格要素と数量要素に設けた原価標準を量産段階で達成しようとする、製造現場における日常的な統制活動のことです。
つまり、既存製品の実際原価が標準原価を超過しないようにコントロールするもので、伝統的な標準原価計算の技法を用いて発生場所別および責任者別に発生原価を管理します。
このため、標準原価管理とも呼ばれています。
既存の経営構造や生産諸条件を前提としています。

原価改善

原価改善(cost improvement、kaizen costing、continuous improvement)は、製品や部品の製造原価を改善目標となる原価レベルにまで計画的に引き下げる継続的な活動のことです。
原価改善では製造方法の改善・投入資材の変更によって原価削減を達成します。
原価維持は、既存の経営構造や生産諸条件を前提としていたのに対し、原価改善は経営構造や生産諸条件の変更を伴う改善活動です。

  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!
目次