システムの高信頼化

フォールトアボイダンス
【信頼性を高めて故障させない】
Fault Avoidanceと書き、障害の発生自体を避けられるように対象の品質や信頼性を高める考え方です。具体的な方策として、信頼性の高い部品や材料の採用、試験や検証の徹底、高品質な個体の選別、人員の教育・訓練の充実などがあります。ただし、障害や故障が一切起きないようにすることは難しいため、多少の障害が発生しても全体の機能が停止しないような仕組みや設計にする必要があり、その手法を「フォールトトレランス」(fault tolerance)といいます。

フォールトトレランス
【故障しても予備で稼働継続】
Fault toleranceと書き、機器やシステムなどの構成要素の一部が故障、停止などしても予備の系統に切り替えるなどして機能を保ち、稼動維持する考え方です。主な技術として、冗長性技術、異常検出技術、試験・診断技術、異常救済技術などがあります。

フェールセーフ
【故障して停止しても安全性確保】
Fail Safeと書き、機器やシステムの部品に故障や破損、操作ミス、誤作動などが発生した際に、常に安全な状態に移行する仕組みにする考え方です。
転倒すると自動的に消化する石油ストーブ、制御装置が停電すると制御棒が自重で落下して核反応を停止させる原子炉、停電・故障すると遮断桿が降りた状態で停止する踏切などがあります。

フェールソフト
【故障しても残りで頑張って稼働継続】
Fail Softと書き、事故や故障が発生した際に、問題の個所を切り離すなどして被害の拡大を防ぎ、全体を止めることなく残りの部分で運転を継続させるという考え方です。
複数のエンジンを積んだ航空機では、エンジンに火災が発生すると燃料の供給を断って延焼を防ぎ、残ったエンジンで速度を落として飛行を継続できるような設計になっています。

フールプルーフ
【ヒトによって誤作動させない設計】
Fool Proofと書き、操作や取り扱い方を誤っても危険が生じない、あるいは、そもそも誤った操作や危険な使い方ができないような構造や仕掛けを設計段階で組み込む考え方です。
正しい向きにしか挿入できない電池ボックス、ドアが完全に閉じなければ起動しない電子レンジ・洗濯機、ギアがパーキングに入っていないと始動しない自動車、左右に離れたボタンやレバーを両手で同時に操作しなければ降りてこない裁断機やプレス機、人が座っていないと水を噴射しない洗浄便座などがあります。

インターロック
設計時に決められた複数の条件がすべて揃わないと機能が有効にならないよう制御する方式です。

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