【令和7年 2025年】総合技術監理部門 択一問題 解答と解説

目次

I-1-1 事業継続(BCP・BCM)

事業継続に関する危機的事象の教訓、関連制度の整備、経済・社会の変化等を踏まえ、内閣府は「事業継続ガイドライン(令和5年3月)」を公表している。ここで示されている事業継続計画(BCP)・事業継続マネジメント(BCM)に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。

  1. BCPは、自然災害、突発的な経営環境の変化など不測の事態が発生しても、企業等が重要な事業を中断させない又は中断しても可能な限り短い期間で復旧させるための方針、体制、手順などを示した計画のことである。
  2. 企業におけるBCMは、自社の人的・物的被害の軽減が主たる目的であるため、委託先・調達先・供給先などは、BCMの活動や対策の検討範囲には含まれない。
  3. 事業中断による影響度の評価では、自社の各事業が停止した場合の影響の大きさ及びその変化を時系列にできるだけ定量的に評価し、自社にとっての重要な製品・サービスを特定する。
  4. 重要業務について、どれくらいの時間で復旧させるかの目標復旧時間は、停止が許されると考える時間の許容限界より早く設定し、また、操業度をどの水準まで復旧させるかの目標復旧レベルは、レベルの許容限界を上回るように設定する。
  5. 事業継続戦略・対策として、業務拠点に関しては拠点の建物や設備の被害抑止・軽減など、要員確保に関しては重要業務の継続に不可欠な要員に対する代替要員の事前育成・確保などについて検討する。
解答と解説

【正解②】

BCMは自社だけでなく、サプライチェーン全体を考慮する必要があります。委託先・調達先・供給先を範囲外とする記述は不適切です。ガイドラインでは、取引先を含めた包括的な事業継続対策を推奨しています。

【他の選択肢の解説】

BCPの定義として正しい。ガイドラインに沿った記述。

影響度評価はBCP策定の基本ステップであり、定量評価と重要業務特定は必須。

RTO(目標復旧時間)は許容限界より短く、復旧レベルは許容限界を上回る設定が適切。

拠点の被害抑止や代替要員確保は事業継続戦略の基本事項であり、正しい。

I-1-2 品質管理(統計的手法)

品質管理の統計的手法に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。

  1. 管理限界は、工程を管理する際に、管理特性の限界値として定められる値であり、製品の規格値が定められている場合には、その値に設定する。
  2. 工程能力指数の値から工程能力が不十分と考えられる場合は、品質ばらつきによる不適合品の発生リスクが大きい。
  3. サンプルに関する不適合品率は、1つ以上規定要求事項を満たしていないアイテムの数を、検査したアイテムの総数で除したものである。
  4. 全数検査は、製品又はサービスのすべてのアイテムに対して行う検査で、新製品の場合、品質が安定していない場合、高信頼性が要求される製品の場合などに採用する。
  5. 抜取検査は、製品又はサービスのサンプルを用いる検査で、合格ロットの中に、ある程度の不適合品の混入があることを許容できる場合に使用する。
解答と解説

【正解①】

管理限界は工程の統計的管理に基づき設定される値であり、製品の規格値とは異なります。規格値は製品の適合基準であり、管理限界は工程の安定性を監視するための基準です。

【他の選択肢について】

工程能力指数が低い場合、不適合品リスクが高まるのは正しい。

不適合品率の定義は正しい。

全数検査は新製品や高信頼性製品で採用されるのは正しい。

抜取検査は不適合品混入を許容する場合に使用するのは正しい。

I-1-3 損益分岐点分析

企業Xが次期に販売する製品Yの販売価格は1,000円/個、生産するための変動費と固定費はそれぞれ400円/個、384,000円であり、800個の売上を予定している。この条件下での損益分岐点の分析に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。

  1. 売上数量が800個のときの利益は416,000円である。
  2. 1個当たりの限界利益は520円である。
  3. 変動費率は60%である。
  4. 損益分岐点売上高は640,000円である。
  5. 次期に利益150,000円を獲得するために必要な売上高は1,335,000円である。
解答と解説

【正解④】

損益分岐点売上高は、固定費 ÷ 限界利益率で求めます。

  • 限界利益率 = (販売価格 – 変動費) ÷ 販売価格 = (1,000 – 400) ÷ 1,000 = 0.6
  • 損益分岐点売上高 = 384,000 ÷ 0.6 = 640,000円 →④が正しい。

他の選択肢の正しい理由/誤り理由:

誤り。必要売上高 = (固定費 + 目標利益) ÷ 限界利益率 = (384,000 + 150,000) ÷ 0.6 = 534,000 ÷ 0.6 = 890,000円。1,335,000円ではない。

誤り。利益 = 売上高 – 変動費 – 固定費 = (1,000×800) – (400×800) – 384,000 = 800,000 – 320,000 – 384,000 = 96,000円。416,000円ではない。

誤り。限界利益 = 1,000 – 400 = 600円。520円ではない。

誤り。変動費率 = 400 ÷ 1,000 = 40%。60%ではない。

I-1-4 設備総合効率(OEE)

ある工場では、設備管理に関する次の取組を行った。このうち、設備総合効率の値を高めた取組として、最も不適切なものはどれか。

  1. 設備を更新することで加工精度を向上させ、加工した数量に対して不適合品の発生数を減らした。
  2. 事後保全活動を見直すことで、設備故障の発生によって生じる修理作業の時間を短縮した。
  3. 段取作業手順の見直しにより、段取作業による設備の停止時間を変えることなく作業者数を減らした。
  4. 遅くなっていた設備のスピードを上げることで、稼働時間内の加工数量を増やした。
  5. 設備本体の清掃を徹底することで、設備のチョコ停発生回数を減らした。
解答と解説

【正解③】

OEEは「稼働率 × 性能 × 良品率」で構成されます。段取作業による停止時間を変えずに作業者数を減らしても、OEEには直接影響しません。したがって③は不適切。

他の選択肢の正しい理由:

不適合品減少 → 良品率向上 → OEE改善。

修理時間短縮 → 稼働率向上 → OEE改善。

スピード向上 → 性能向上 → OEE改善。

チョコ停減少 → 稼働率向上 → OEE改善。

I-1-5 工程改善活動

工程管理や工程の改善活動に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。

  1. 改善活動が成功するには全員の意識改革が不可欠で、トップが率先して危機意識を持って全社で推進することが求められる。
  2. 業務改善を実施するうえでの視点を示した「ECRSの原則」において、「E」はEliminate(排除)、「C」はCombine(結合)、「R」はReuse(再利用)、「S」はSimplify(簡素化)を指す。
  3. 合理化の基本的な手法である「合理化の3S」は、「単純化」、「標準化」、「専門化」を意味するそれぞれの英単語の頭文字を取ったものである。
  4. 「動作経済の原則」は、疲労を軽減し、有効な仕事量を増やすための法則を示したもので、「最短距離動作」、「円滑・リズミカルな動作」、「重力の利用」などを含む。
  5. 工程改善手法の1つである「5S」において、「清潔」は、整理・整頓・清掃を維持することを指す。
解答と解説

【正解②】

ECRSの「R」はReuseではなく、**Rearrange(再配置)**です。したがって②は誤り。

他の選択肢の正しい理由:

意識改革とトップの率先は改善活動の基本であり正しい。

合理化の3S(Simplification, Standardization, Specialization)は正しい。

動作経済の原則の内容は正しい。

5Sの「清潔」は整理・整頓・清掃の維持を意味し正しい。

I-1-6 科学的・数理的手法

計画・管理における科学的・数理的手法に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。

  1. モンテカルロシミュレーションは、システムの動作をモデル化し、乱数を用いない数値実験を何度も繰り返すことで予測や最適化を行う手法であり、確定的な結果を得ることを目的とする。
  2. ゲーム理論は、意思決定をする主体が複数存在する状況を数学的に取り扱う方法論であり、非協力ゲームと協力ゲームとに大きく分けることができる。
  3. 価値工学(VE)は、顧客の要求機能を分析し、組織的活動により製品・サービスの価値を高める技法であり、VEにおける価値は、「価値=機能×コスト」というモデルで表現される。
  4. 線形計画問題は、複数の等式あるいは不等式で与えられる線形制約のもとで、決定変数の積で表される目的関数を、最大化又は最小化する問題である。
  5. AHPは、分析対象のすべてをいくつかの群に分ける手法であり、何らかの基準に従って似ているものが同じ群に入るように分類する。
解答と解説

【正解②】

ゲーム理論は、複数の意思決定主体(プレイヤー)が存在する状況を数学的に分析する手法であり、非協力ゲームと協力ゲームに分類されるのは正しい。

他の選択肢の誤り理由:

モンテカルロは乱数を用いる確率的シミュレーションであり、「乱数を用いない」「確定的な結果を得る」は誤り。

VEの価値式は「価値=機能/コスト」であり、「機能×コスト」ではない。

線形計画の目的関数は決定変数の線形結合であり、「積」ではない。

AHPは階層構造で評価する意思決定手法であり、分類手法ではない。


I-1-7 財務会計

財務会計に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。

① 財務会計は、経営成績や財務状況を内部の関係者に対して報告することを目的としている。

② 財務諸表作成の基となる企業会計原則は、採用した処理の原則、手続、方法を毎期見直し、改定することを求めている。

③ 減価償却とは、減価償却資産の取得に要した金額を一定の方法によって各年分の必要経費として配分していく手続である。

④ 財務会計では、事業などの業務のために用いられる建物は減価償却資産に分類されるが、建物附属設備、機械装置、器具備品、車両運搬具は減価償却資産に分類されない。

⑤ 財務諸表のキャッシュ・フロー計算書は、営業活動におけるキャッシュ・フロー、投資活動によるキャッシュ・フロー、社会貢献活動によるキャッシュ・フローの3つの部分から構成される。

解答と解説

【正解③】

減価償却は、資産の取得原価を耐用年数に応じて費用配分する手続であり、③は正しい。

他の選択肢の誤り理由:

財務会計は外部報告が目的であり、内部報告は管理会計の領域。

会計原則は継続性が重要であり、毎期改定は誤り。

建物附属設備や機械装置も減価償却資産に含まれるため誤り。

キャッシュ・フロー計算書は営業・投資・財務活動の3区分であり、「社会貢献活動」は誤り。

I-1-8 プロジェクト管理(クリティカルパス)

あるプロジェクトの各作業の所要日数と先行作業が下表のように与えられている。次のうち、このプロジェクトのクリティカルパス上にある作業をすべて列挙したものとして、最も適切なものはどれか。

作業名先行作業所要日数(日)
Aなし6
BA10
CA15
DA16
EB5
FC, E2
  1. A
  2. A, D
  3. A, C, F
  4. A, B, E, F
  5. A, B, C, E, F
解答と解説

【正解⑤】

クリティカルパスは最長経路。

  • A(6)→B(10)→E(5)→F(2) = 23日
  • A(6)→C(15)→F(2) = 23日
    両方同じなので、A, B, C, E, Fがクリティカルパス上にある。

他の選択肢の誤り理由:

①②③④はいずれも一部しか含まれておらず、最長経路の全作業を網羅していない。

I-1-9 労働基準法(災害時の臨時労働)

労働基準法第三十三条に、災害その他避けることのできない事由によって、臨時の必要がある場合、使用者は法定の労働時間を延長し、又は法定の休日に労働させることができることが定められている。これに対する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。

  1. 災害等による臨時の必要がある場合とは、当該事業者が直接災害などの被害を受けた場合であり、被害を受けた他の事業者からの協力要請に応じる場合は対象とならない。
  2. 災害等による臨時の必要がある場合の事例として、人命又は公益を保護するための大規模なリコール対応がある。
  3. 災害等による臨時の必要がある場合の事例として、事業の運営を不可能とさせるような突発的な機械・設備の故障の修理、保安やシステム障害の復旧がある。
  4. 災害等による臨時の必要がある場合において、1か月で80時間を超えて休日や時間外に働かせたことにより疲労の蓄積が認められた労働者からの申し出があれば、事業者は、医師による面接指導等を行わなければならない。
  5. 災害等による臨時の必要がある場合、使用者は、所轄労働基準監督署長の許可を受けて時間外・休日の労働時間の上限規制を超えて労働させることができるが、許可を受ける暇がない場合においては、事後に遅滞なく届け出なければならない。
解答と解説

【正解①】

災害時の臨時労働は、他事業者からの協力要請に応じる場合も対象となります。「対象とならない」は誤り。

他の選択肢の正しい理由:

②③は災害等による臨時の必要の事例として正しい。

は過重労働対策として医師面接義務があるため正しい。

は許可を受ける暇がない場合の事後届出義務を定めており正しい。

I-1-10 パートタイム・有期雇用労働法

いわゆるパートタイム・有期雇用労働法並びに労働基準法に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。

①事業主は、通常の労働者に対して実施する、職務の遂行に必要な能力を付与するための教育訓練について、既にその職務に必要な能力を有している場合を除き、職務内容が通常の労働者と同一な短時間労働者等に対しても実施しなければならない。

②事業主は、短時間労働者等を雇い入れたときは、昇給の有無、退職手当の有無、賞与の有無、相談窓口を文書の交付などにより明示するように努めなければならない。

③事業主は、短時間労働者に係る事項について就業規則を作成しようとするときは、雇用する短時間労働者の過半数を代表すると認められるものの意見を聴くように努めればよく、通常の労働者の過半数で組織する労働組合等の意見を聴く必要はない。

④通常の労働者と短時間労働者等の基本給、賞与その他の待遇に差別的取扱いをしてよいのは、職務内容が異なる場合であり、配置の変更の範囲が異なる場合には、待遇について差別的取扱いをしてはならない。

⑤事業主は、その雇用する短時間労働者等について、通常の労働者募集を行う場合の募集内容の周知、通常の労働者のポストを社内公募する場合の応募機会の提供、通常の労働者への転換を推進するための措置のいずれかを講じるよう努めなければならない。

解答と解説

【正解⑤】

職務内容が同一であれば、教育訓練の機会を同様に提供する義務があります。⑤は法の趣旨に沿った正しい記述。

他の選択肢の誤り理由:

明示は「努めなければならない」ではなく「義務」であるため、表現が不正確。

就業規則の意見聴取は通常の労働者の過半数組織の意見が必要。

配置変更範囲が異なる場合も待遇差は認められるため誤り。

措置は「いずれか」ではなく複数の取組が求められる。

I-1-11 労働安全衛生法(ストレスチェック)

労働安全衛生法で規定される、労働者の心理的な負担の程度を把握するための検査(ストレスチェック)に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。

①ストレスチェックを実施した事業者は、当該検査を行った医師等に検査結果を一定規模の集団ごとに集計・分析させ、その結果を勘案し、必要に応じて、当該集団の労働者の心理的な負担を軽減するための適切な措置を講ずるよう努めなければならない。

②常時使用する労働者の数が50人以上の事業場では、事業者は、常時使用する労働者に対して、1年以内ごとに1回、定期に、ストレスチェックを行わなければならない。

③ストレスチェックは、労働者のストレスの程度を把握し、労働者自身のストレスへの気付きを促すとともに、職場改善につなげることにより、労働者がメンタルヘルス不調となることを未然に防止することを主な目的としている。

④ストレスチェックでは、労働者に対して、職場における心理的な負担の原因、心理的な負担による心身の自覚症状、職場における他の労働者による支援に関する事項について検査を行わなければならない。

⑤ストレスチェックを実施した事業者は、当該検査を行った医師等から個々の労働者の検査結果の提供を受け、ストレスの程度を記録後、個々の労働者に検査結果を通知しなければならない。

解答と解説

【正解④】

事業者は個々の検査結果を直接受け取ることはできません。検査結果は本人に通知され、事業者は本人の同意がある場合のみ医師等から提供を受けます。④は誤り。

I-1-12 雇用保険制度

雇用保険法に基づく雇用保険制度に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。

  1. 雇用保険は、労働者が失業した場合、雇用の継続が困難となる事由が生じた場合、自ら職業に関する教育訓練を受けた場合、子を養育するための休業した場合に、必要な給付を行うとともに、雇用安定及び能力開発のための事業を行う制度である。
  2. 正当な理由がなく自己の都合により退職した者に対しても、一定の要件を満たせば、求職者給付の基本手当は支給されるが、自己の責めに帰すべき重大な理由によって解雇された者に対しては、求職者給付の基本手当は支給されない。
  3. 求職者給付の対象者には、一定の要件を満たした、季節的に雇用される者、日雇労働者及び65歳以上の高年齢者も含まれる。
  4. 厚生労働大臣が指定する教育訓練を受け修了した場合にその費用の一部を支給される教育訓練給付金は、一定の要件を満たせば、離職後一定の期間内にある者のほか、在職者にも支給される。
  5. 雇用保険の被保険者が、同居又は扶養していない祖父母を介護するために休業を取得した場合、一定の要件を満たせば、介護休業給付金は支給される。
解答と解説

【正解②】

重大な理由による解雇でも、基本手当は支給されます(ただし給付制限がある場合あり)。②は誤り。

I-1-13 専門職制度

専門職制度に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。

  1. 我が国における専門職制度は1990年代後半から新たに導入され、キャリア・プラトーの解消や企業内の専門的知識の需要増への対応等が図られた。
  2. 専門職制度により、労働者が専門性を軸にしたキャリア目標を持つことが可能になり、自己のキャリア像に即した職務行動をとることで組織業績に貢献し、長期持続的な仕事意欲の維持が期待できる。
  3. 専門職制度においては、特定分野における専門知識や技術の保有状況、業務経験、企業業績への貢献度などをもとに任用の可否や格付けが検討される。
  4. 専門職制度においては、評価の項目として、職務や格付けに対応した業績の達成度、知識・技術・経験の蓄積のほか、能力、意欲があり、評価は目標管理制度(MBO)を活用して行われることが多い。
  5. 専門職制度には、高度な専門職の育成や外部労働市場からの調達を目的としたものがあり、このような場合、報酬は、競合他社や他業界の水準を意識した設計になることも多い。
解答と解説

【正解①】

専門職制度は1980年代後半から導入が始まっており、「1990年代後半から」は誤り。

I-1-14 リーダーシップ理論

リーダーシップに関する用語(ア~エ)と、それらに関連する企業や組織における行動事例(A~D)の組合せとして、最も適切なものはどれか。

用語:
ア:PM理論
イ:フォロワーシップ
ウ:SL理論
エ:サーバントリーダーシップ

事例:
A:A氏は、相手によって行動スタイルを変えることなく接したため、経験の乏しい新人社員に対しては、タスク面への関心に重きを置く指示型の行動が適切ではないかと指摘された。
B:B氏は、組織構成員としての役割を理解しつつ、独自の視点を持ち、イニシアティブをとって自発的に担当業務以上の仕事を行い、周りをサポートし、組織に大きく貢献した。
C:C氏は、タスクや成果に関しては強い関心があったが、部下の性格や考え方などの内面に対する関心は薄かったため、もっと部下の内面に対して関心を持つべきだったと指摘された。
D:D氏は、チームのメンバーを上意下達で納得させるのではなく、共感を得られる価値観を示し、部下の判断を尊重して各々の力を引き出すことにより、望ましい成果を出すことができた。

選択肢:

  1. アA イB ウC エD
  2. アC イB ウA エD
  3. アB イD ウC エA
  4. アC イD ウA エB
  5. アC イB ウD エA
解答と解説

【正解②】

  • ア(PM理論)→C:タスク重視で人間関係配慮が不足していた事例
  • イ(フォロワーシップ)→B:主体的に組織貢献するフォロワーの事例
  • ウ(SL理論)→A:状況に応じた指導スタイルが求められる事例
  • エ(サーバントリーダーシップ)→D:部下の成長を支援し共感を重視する事例

他の選択肢の誤り理由:

  • ①③④⑤はいずれも用語と事例の対応が不正確。

I-1-15 メンター制度

 企業が導入するメンター制度に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。

  1. メンター制度の導入に当たっては、課題整理と目的の設定、全体計画や推進方法の検討及び経営幹部の理解・協力が重要である。
  2. メンティのキャリア志向や期待に対して、メンターの経歴や特性が合っていることが重要であり、双方が直属のラインでないことが望ましい。
  3. 事前研修の目的は、メンター制度の正しい知識と必要なスキルを身につけ、問題発生時の対処法等を学ぶことであり、対象者はメンターとメンティの双方である。
  4. メンタリングは、業務の一環ではないので、原則として就業時間外に行うことが望ましい。
  5. メンタリングを効果的に進めるために、メンターとメンティに意見交換会への参加や報告書の提出を促し、情報の共有を図るなど、制度の推進部門からのサポートが重要である。
解答と解説

【正解④】

メンタリングは業務の一環として就業時間内に行うことが望ましい。「原則として就業時間外」は誤り。

I-1-16 モチベーション

人事考課管理に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。

①評価に対する社員の納得性を高めるには、人事評価の基準、手続、結果などを被評価者に公開する透明性が重要である。

②多面評価は、直接の上司だけでなく、同僚、後輩、一緒に仕事をした他部門の社員、顧客、取引先等の評価を考慮することであり、評価誤差を低減する1つの手法である。

③一般的に、被評価者の職位が上位ランクであるほど、能力や取組姿勢より、業績が重視される。

④成果のみで評価すると、成果の出にくい仕事に配置された人が低く評価されてしまうという不公正な状態が生じる場合がある。

⑤情意考課は、仕事に対する意欲、取組姿勢に関する評価であり、実際の行動内容ではなく、どのような気持ちを持っているかに視点を定めて評価する。

解答と解説

【正解⑤】

情意考課は意欲や取組姿勢を評価しますが、実際の行動も評価対象です。「気持ちのみ」は誤り。

他の選択肢の正しい理由:

① 透明性は納得性向上に不可欠で正しい。

② 多面評価は評価誤差低減に有効で正しい。

③ 職位が高いほど業績重視は一般的傾向で正しい。

④ 成果のみ評価の不公正性指摘は正しい。

I-1-17 クラウドコンピューティング

米国国立標準技術研究所(NIST) が発行した「NISTによるクラウドコンピューティングの定義」に示されている,クラウドコンピューティングの,実装モデルに依存しない基本的な特徴を表す記述として,次のうち最も不適切なものはどれか。

① オンデマンド・セルフサービスである。
② 複数のユーザでリソースを共用する。
③ 広く一般の自由な利用に向けて提供される。
④ スピーディな拡張性を持つ。
⑤ サービスの利用結果がユーザにもサービス提供者にも明示できる。

解答と解説

【正解③】

③ 広く一般の自由な利用に向けて提供される。

この記述はクラウドコンピューティングのパブリッククラウドに特有の特徴を表していますが、クラウドコンピューティング全般の定義ではありません。NISTの定義では、クラウドコンピューティングにはパブリッククラウド、プライベートクラウド、ハイブリッドクラウドなどの複数の展開モデルがあり、必ずしも「広く一般の自由な利用に向けて提供される」必要はありません。

他の選択肢(①オンデマンド・セルフサービス、②複数ユーザでリソースを共用、④スピーディな拡張性、⑤サービスの利用結果がユーザにもサービス提供者にも明示できる)は、NISTが定義するクラウドコンピューティングの基本的な特徴に当てはまります。

I-1-18 データマイニング

データ解析又はデータマイニングに用いられる技法に関する次の記述のうち,最も不適切なものはどれか。

① 主成分分析では,多くの変数により記述された量的データの変数間の相関関係を利用し,情報の損失を最小限に抑えつつ,少数個の無相関である合成変数に縮約する。
② 因子分析では,変数の間の相関関係から共通の因子を求めることで,多くの変数を共通因子にまとめて説明する。
③ 多次元尺度法は,個体間の親近性データを2次元あるいは3次元空間に配置する方法であり,類似したものは近く,そうでないものは遠くに配置される。
④ 階層的クラスター分析は,大量のデータ解析に向き,代表的な方法としてk平均(k-means) 法がある。
⑤ 線形判別分析では,グループ(群)分けの境界が直線あるいは超平面であると想定し,線形関数を用いてグループの所属を判別する。

解答と解説

【正解④】

① 適切です。主成分分析の特徴を適切に説明しています。

② 適切です。因子分析の基本的な考え方を正しく説明しています。

③ 適切です。多次元尺度法の目的と特徴を適切に説明しています。

④ 不適切です。この説明には2つの誤りがあります:

  1. 階層的クラスター分析は、大量のデータ解析に向いているわけではありません。むしろ、データ量が多くなると計算コストが高くなるため、小~中規模のデータセットに適しています。
  2. k-means法は非階層的クラスター分析の手法であり、階層的クラスター分析の例ではありません。

⑤ 適切です。線形判別分析の基本的な考え方を正しく説明しています。

したがって、最も不適切なものは ④ です。

階層的クラスター分析に関する正確な説明は以下のようになります:
階層的クラスター分析は、データ間の類似性や距離に基づいてクラスターを段階的に形成していく方法で、比較的小規模なデータセットに適しています。代表的な方法としては、最近隣法(単連結法)、最遠隣法(完全連結法)、群平均法などがあります。一方、k-means法は非階層的クラスター分析の代表的な手法であり、大量のデータ解析に適しています。

I-1-19 情報セキュリティマネジメントシステム

ISO Q 27001に基づく情報セキュリティマネジメントシステムの情報セキュリティ方針に関する次の記述のうち,最も適切なものはどれか。

① 情報セキュリティ方針は, トップマネジメントが指名した実務管理者が確立し,発行する。
② 情報セキュリティ方針は,情報セキュリティ目的の達成を最優先とし,組織の目的には影響されてはならない。
③ 情報セキュリティ方針は,組織内に確実に伝達されていれば,必ずしも文書化されていなくてもよい。
④ 組織は,情報セキュリティ方針や関連規定に対する逸脱や例外を認めてはならない。
⑤ 情報セキュリティ方針は,必要に応じて,利害関係者が入手できるようにしなければならない。

解答と解説

【正解⑤】

① 不適切です。情報セキュリティ方針はトップマネジメントが確立し、承認すべきものです。

② 不適切です。情報セキュリティ方針は組織の目的に適切であるべきで、組織の目的と整合性を持つ必要があります。

③ 不適切です。ISO 27001では、情報セキュリティ方針を文書化することが要求されています。

④ 不適切です。組織は方針や規定に対する逸脱や例外を完全に禁止するのではなく、適切に管理する必要があります。

⑤ 適切です。情報セキュリティ方針は「伝達する」必要があります。また、一般的に ISO 27001 では、情報セキュリティ方針を必要に応じて利害関係者が入手できるようにすることが求められています。

情報セキュリティ方針は、組織の目的に適合し、情報セキュリティ目的を含み、適用される要求事項を満たすコミットメントを示し、継続的改善へのコミットメントを含む必要があります。また、文書化され、組織内に伝達され、必要に応じて利害関係者が入手できるようにする必要があります。

I-1-20 コーチングのモデル

コーチングのモデルに関する次の記述のうち,最も不適切なものはどれか。

① インナーゲームでは,クライアントが, 自分が持っているものを自身の主観に基づき批判的に評価するように,コーチが指導する。
② インテグラル・コーチングでは,「内的」と「外的」,及び「個人的」と「集団的」の2軸で視点を整理するモデルを使う。
③ コーアクティブ・コーチングでは,クライアントは本来,創造的であり,資質や人的資源に富み,欠けることがない存在であると考える。
④ ポジティブ心理学コーチングでは,コーチはクライアントが楽観主義的なスタイルで物事を考えるように手助けする。
⑤ オントロジカル・コーチングでは,クライアントの「行動様式」ではなく,「在り方」を変化させることを目標とする。

解答と解説

【正解①】

① 不適切です。インナーゲームでは、クライアントの自己批判を減らし、客観的な自己観察を促進することが重要です。コーチが批判的評価を指導するという記述は、インナーゲームの本質と矛盾しています。

② 適切です。インテグラル・コーチングでは4象限(「内側」「外側」×「個人的」「集団的」)でクライアントのサポートを行うとされています。

③ 適切です。コーアクティブ・コーチングの4つの礎の1つとして「人はそもそも創造力と才知にあふれ、欠けるところのない存在である」と記述されています。

④ 適切です。ポジティブ心理学コーチングでは、クライアントの強みや楽観的な思考を育成することが重要な要素です。

⑤ 適切です。オントロジカル・コーチングは、クライアントの存在様式(在り方)の変化に焦点を当てるアプローチです。

インナーゲームの正しい説明は次の通りです。クライアントが自己批判を減らし、客観的な自己観察を通じて内なる障害を克服し、パフォーマンスを向上させることを目指すアプローチです。コーチは批判的評価を指導するのではなく、クライアントの自己認識と自己信頼を高めるサポートを行います。

I-1-21 情報公開法

いわゆる情報公開法(行政機関の保有する情報の公開に関する法律)に関する次の記述のうち,最も遥切なものはどれか。

① 情報公開法における行政文書とは,行政機関の職員が職務上作成した文書, 図画及び電磁的記録であって,職員が職務上取得した文書は含まれない。
② 情報公開法における行政文書には,官報,白書,新聞,雑誌,書籍その他不特定多数の者に販売することなどを目的として発行されるものを含む。
③ 開示請求をする者が,自らの氏名や名称を明らかにせずに,行政文書の開示請求を行うことは認められている。
④ 行政文書の存否を示すことが不開示情報の開示につながる場合であっても,開示請求を拒否する際には,当該行政文書の存否を明らかにしなければならない。
⑤ 行政文書に不開示情報が記録されている場合であっても,公益上特に必要があると認めるときは,開示請求者に対し当該行政文書を開示することができる。

解答と解説

【正解⑤】

① 不適切です。行政文書は「行政機関の職員が職務上作成し、又は取得した文書、図画及び電磁的記録」と定義されています。したがって、職務上取得した文書も含まれます。

② 不適切です。官報、白書、新聞、雑誌、書籍その他不特定多数の者に販売することを目的として発行されるものは、行政文書から除外されています。

③ 不適切です。一般的に情報公開法では、開示請求者の氏名や名称を明らかにすることが要求されます。

④ 不適切です。行政文書の存否を明らかにすることが不開示情報の開示につながる場合、行政機関は当該行政文書の存否を明らかにしないで、開示請求を拒否することができます。

⑤ 適切です。情報公開法の「公益上の理由による裁量的開示」の規定の説明です。行政機関の長は、公益上特に必要があると認めるときは、不開示情報が含まれていても行政文書を開示することができます。

I-1-22 産業財産権

出願日が2023年4月1日である産業財産権(特許権,実用新案権,意匠権,商標権)の原則的な存続期間の組合せとして,次のうち最も適切なものはどれか。

選択肢特許権実用新案権意匠権商標権
出願から10年出願から5年出願から20年登録から5年(更新可)
出願から10年出願から10年出願から20年登録から10年(更新可)
出願から20年出願から10年出願から25年登録から10年(更新可)
出願から20年出願から20年出願から25年登録から20年(更新可)
出願から30年出願から20年出願から30年登録から20年(更新可)
解答と解説

【正解③】

最も適切な組合せは です。

③ 出願から20年 / 出願から10年 / 出願から25年 / 登録から10年(更新可)

具体的には以下の通りです:

  • 特許権: 原則として、出願から20年です。
  • 実用新案権: 原則として、出願から10年です。
  • 意匠権: 原則として、出願から25年です(2020年改正により、従来の20年から25年に延長されました)。
  • 商標権: 登録から10年で、その後更新が可能です。

I-1-23 ブロックチェーン

ブロックチェーンに関する次の記述のうち,最も不適切なものはどれか。

① ブロックチェーンは,データをブロックと呼ばれる単位で格納し,ブロック同士を時系列に沿ってチェーンのようにつなげていく。
② ブロックチェーンは.,中央管理者無しに信頼性の高い記録によって取引を成立させることができる特性を持っている。
③ 暗号資産のビットコインには,参加者が自由にネットワークに加わることが可能なパブリック型ブロックチェーンが利用されている。
④ ブロックチェーンは,ネットワークヘの参加ノードが増えるほど,改ざん耐性や耐障害性が低下する。
⑤ ブロックチェーンには,ハッシュ関数や電子署名などの技術が使われている。

解答と解説

【正解④】

最も不適切なものは です。

④ ブロックチェーンは,ネットワークへの参加ノードが増えるほど,改ざん耐性や耐障害性が低下する。

ブロックチェーンでは、ネットワークへの参加ノードが増えるほど、改ざん耐性や耐障害性がむしろ向上します。これは、分散型のネットワークにおいて、ノードが多ければ多いほど、全てのノードに改ざんを行うことが難しくなるためです。

I-1-24 ランサムウェア

ランサムウェアに関する次の記述のうち,最も不適切なものはどれか。

① ランサムウェアとは,英語で身代金を意味する「ランサム」と,「ソフトウェア」とを組み合わせた言葉である。
② ランサムウェアに感染すると,一般に,データが盗み取られてインターネットに公開されるとともに,公開されたデータの削除と引き換えに金銭の支払いを要求するメッセージなどがパソコンの画面に表示される。
③ 以前は不特定多数の利用者に不正プログラムなどをメールで送信して感染させる手口が一般的であったが, 2020年頃からネットワークの脆弱性等を狙って企業・団体のネットワークに侵入する手口が増えている。
④ ランサムウェアヘの感染原因等の調査にあたっては,感染端末をはじめとした各種機器のログが必要となるので,適切にログを保管することが推奨される。
⑤ ランサムウェアによる被害の範囲の拡大をできるだけ防止するため,ユーザアカウントに割り当てる権限やアクセス可能とする範囲は必要最小限にすることが望ましい。

解答と解説

【正解②】

最も不適切なものは です。

② ランサムウェアに感染すると,一般に,データが盗み取られてインターネットに公開されるとともに,公開されたデータの削除と引き換えに金銭の支払いを要求するメッセージなどがパソコンの画面に表示される。

ランサムウェアの主な目的は、データを暗号化してアクセス不能にし、その解除と引き換えに身代金を要求することです。データの盗難やインターネット上での公開は、近年一部のランサムウェア(「二重脅迫」)によって行われることもありますが、一般的にはデータの暗号化が中心的な被害です。

I-1-25 リスク認知のバイアス

リスク認知のバイアスの種類(A)~(D)と、それらに起因した事例(ア)~(エ)の組合せとして、最も適切なものはどれか。

種類
(A) 正常性バイアス
(B) カタストロフィーバイアス
(C) ベテランバイアス
(D) バージンバイアス

事例
(ア) 自宅の耐震補強のために資金を準備していたが、海外の隕石飛来のニュースで被害の深刻さを見て、自宅地下に隕石からの避難用シヱルターを建設することとし、準備していた資金をこれに充てたが、その翌年に起きた地震で自宅が倒壊した。
(イ) これまで内部犯行による情報漏洩が起きたことのない会社で、管理していた情報が漏洩した際、実際には内部犯行の可能性が高いにも関わらず、管理担当部長の意識は社内管理体制の向上に向かわず、内部犯行による情報漏洩が再発した。
(ウ) 堤防が決壊し周辺家屋に浸水被害が発生しているときに、「自分の家には影響はない」と思い込み、避難が遅れた。
(エ) 消費者から自社製品への苦情が数件寄せられたが、以前、内容は多少異なるものの、類似の苦情があった際には間もなく鎮静化し問題にもならなかったことから、今回の苦情に特段の対応はしなかったところ、大きな社会問題に発展した。

選択肢ABCD
解答と解説

【正解④】

各リスク認知バイアスの種類とその特徴を理解し、提示された事例と照らし合わせる必要があります。

(A) 正常性バイアス:危険な状況下でも、自分は大丈夫だと思い込む傾向。
(B) カタストロフィーバイアス:大規模な災害や事故のリスクを過大評価する傾向。
(C) ベテランバイアス:経験豊富な人が過去の経験に頼りすぎて、新しい状況を見逃す傾向。
(D) バージンバイアス:これまでに経験したことのない事象に対して、過度に警戒する傾向。

事例を分析すると:

(ア) カタストロフィーバイアスの例。隕石飛来のリスクを過大評価している。
(イ) 正常性バイアスの例。過去に問題がなかったため、現在も問題ないと思い込んでいる。
(ウ) 正常性バイアスの例。危険な状況下でも自分は大丈夫だと思い込んでいる。
(エ) ベテランバイアスの例。過去の経験に頼りすぎて、新しい状況を適切に評価できていない。したがって、

正しい組み合わせは:
A – (ウ)
B – (ア)
C – (エ)
D – (イ)

この組み合わせに最も近いのは選択肢 ④ ウアエイ です。

I-1-26 メンタルヘルス対策

事業場におけるメンタルヘルス対策(以下「メンタルヘルス対策」という。)に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。

① メンタルヘルス対策は、心の健康に関する、積極的な健康の保持増進や仕事による健康障害の防止、健康不全の早期発見・早期対処、職場復帰支援とメンタルヘルス不調の再発・再燃の防止を含む。
② メンタルヘルス対策のひとつに自殺の予防と対応があり、これは未然防止、危機介入、事後対応を含む。
③ メンタルへルス対策のうち健康不全の早期発見・早期対処については、労働時間管理、人事労務管理、仕事の方法、評価制度など、労働者の心の健康に影響を与えうる事業場内の事項についての問題を点検し、その改善を図ることが中心となる。
④ メンタルへルス対策については、事業者が講ずるように努めるべき労働者の心の健康の保持増進のための措置が適切かつ有効に実施されるよう、法に基づく指針が定められている。
⑤ 厚生労働省は、心の健康問題により休業した労働者の職場復帰に当たり、事業者が行う職場復帰支援の内容を総合的に示した手引きを作成し、周知啓発を図っている。

解答と解説

【正解③】

① 適切です。メンタルヘルス対策の範囲を適切に説明しています。

② 適切です。自殺予防と対応の段階を正しく述べています。

③ 不適切です。この説明は健康不全の早期発見・早期対処ではなく、むしろ積極的な健康の保持増進や仕事による健康障害の防止に関する内容です。早期発見・早期対処は、定期的な面談やストレスチェック、相談窓口の設置などが中心となります。

④ 適切です。労働安全衛生法に基づき、「労働者の心の健康の保持増進のための指針」が定められています。

⑤ 適切です。厚生労働省は「心の健康問題により休業した労働者の職場復帰支援の手引き」を作成し、周知啓発を行っています。

したがって、最も不適切なものは ③ です。

健康不全の早期発見・早期対処に関する正確な説明は以下のようになります:
メンタルヘルス対策のうち健康不全の早期発見・早期対処については、定期的な面談やストレスチェックの実施、相談窓口の設置、管理監督者による日常的な観察などが中心となります。これらの方法により、労働者のメンタルヘルスの状態を早期に把握し、必要な支援や対応を迅速に行うことが重要です。

I-1-27 フェールセーフ

工作機械等の制御機構のフェールセーフ化に関するガイドラインにおける、フェールセーフ化の対象とする制御機構の区分(A)~(D)と、その内容(ア)~(エ)の組合せとして、最も適切なものはどれか。

制御機構の区分
(A) ガード用のインターロックの回路
(B) 急停止用の回路
(C) 非常停止用の回路
(D) ホールド・ツー・ランの回路


内容
(ア) 機械の運転中に作業者が危険領域内へ侵入するのを防止する回路
(イ) 作業者が何らかの異常を感知したときに直ちに機械の運転を停止させる回路
(ウ) 作業者が操作装置を押しているときに限って機械が運転を開始し、操作装置から手指等を離したときは直ちに機械を停止させる回路
(エ) 機械側で何らかの異常を感知したときに、直ちに機械の運転を停止させる回路

選択肢ABCD
解答と解説

【正解②】

最も適切な組み合わせは、② アエイウ です。

  • (A) ガード用のインターロックの回路: (ア) 機械の運転中に作業者が危険領域内へ侵入するのを防止する回路
  • (B) 急停止用の回路: (エ) 機械側で何らかの異常を感知したときに、直ちに機械の運転を停止させる回路
  • (C) 非常停止用の回路: (イ) 作業者が何らかの異常を感知したときに直ちに機械の運転を停止させる回路
  • (D) ホールド・ツー・ランの回路: (ウ) 作業者が操作装置を押しているときに限って機械が運転を開始し、操作装置から手指等を離したときは直ちに機械を停止させる回路

I-1-28 自然災害

自然災害に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。

① 流域治水は、流域に関わるあらゆる関係者が協働して水災害対策を行う考え方であり、治水計画を気候変動による降雨量の増加などを考慮して見直し、地域の特性に応じた対策をハード・ソフトー体で多層的に進める。
② 洪水浸水想定区域をその区域に含む市町村の長は、洪水予報等の伝達方法、避難場所、避難経路等を住民等に周知させるため、これらを記載した印刷物の配布その他の必要な措置を講じなければならない。
③ タイムラインは、災害の発生を前提に、防災関係機関が連携して災害時に発生する状況を予め想定し共有した上で、「いつ」、「誰が」、「何をするか」に着目して、防災行動とその実施主体を時系列で整理した計画である。
④ 特別警報は、警報の発表基準をはるかに超える大雨や、大津波等が予想され、重大な災害の起こるおそれが著しく高まっている場合に気象庁から発表される。
⑤ 記録的短時間大雨情報は、大雨警報発表の有無にかかわらず、その地域にとって災害の発生に繋がる、数年に一度しか発生しないような短時間の大雨が今後予測される場合に発表される。

解答と解説

【正解⑤】

最も不適切なものは、です。

⑤ 記録的短時間大雨情報に関しては、「今後予測される場合に発表される」とありますが、実際には「すでに降った短時間の大雨」に関する情報です。具体的には、1時間に100mm以上の非常に激しい雨が降った場合などに発表され、これにより災害の危険性が高まっていることを知らせる情報です。

4o

I-1-29 公益通報者保護法

2022年6月に改正法が施行された公益通報者保護法(以下「法」という。)に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。

① 公益通報をしたことを理由とする公益通報者の解雇の無効及び不利益な取扱いの禁止等、並びに公益通報に関し事業者及び行政機関がとるべき措置等が定められている。
② 保護される公益通報者の範囲に、労働者及び退職後一定期間以内の退職者は含まれるが、役員は含まれない。
③ 一定の要件を満たす事業者は、内部公益通報対応体制を整備する義務がある。
④ 事業者内部、権限を有する行政機関などの通報先に応じて、法に基づく保護を受けるための要件が定められている。
⑤ 法に基づく保護の対象とならない通報であっても、他の法令等によって通報者が保護される場合がある。

解答と解説

【正解②】

公益通報者保護法に関する記述のうち、最も不適切なものは以下です。

② 保護される公益通報者の範囲に、労働者及び退職後一定期間以内の退職者は含まれるが、役員は含まれない。

この記述は不適切です。改正された公益通報者保護法では、役員も公益通報者として保護されることが明記されています。そのため、役員は保護の対象外ではありません。他の選択肢は法律の内容に沿った正しい記述となっています。

I-1-30 労働安全衛生マネジメントシステム

労働安全衛生マネジメントシステムに関する指針(厚生労働省、令和元年改正。以下「OSHMS指針」という。)及び労働安全衛生マネジメントシステムに関する規格についての次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。

① OSHMS指針の対象者には、労働基準法における労働者ではないボランティアも含まれる。
② OSHMS指針は、事業者が労働者の協力の下に一連の過程を定めて継続的に行う自主的な安全衛生活動を促進することとしている。
③ OSHMS指針では、同一法人の複数の事業場を1つの単位として労働安全衛生マネジメントシステムを運用できるとされている。
④ 国際規格であるISO45001を和訳しJISとしたものがJISQ45001であり、ISO45001とJISQ45001は国際的に同等とみなされている。
⑤ ISO45001に日本独自の安全衛生活動を取り入れたJISQ45100を運用することで、OSHMS指針と国際性のあるISO45001を両立して運用することが可能となる。

解答と解説

【正解①】

労働安全衛生マネジメントシステムに関する記述のうち、最も不適切なものは以下です。

① OSHMS指針の対象者には、労働基準法における労働者ではないボランティアも含まれる。

この記述は不適切です。OSHMS指針は主に労働基準法における労働者を対象としており、ボランティアは通常、労働者としての定義には含まれません。他の選択肢はOSHMS指針や関連する規格の内容に即した正しい記述となっています。

I-1-31 システム信頼度

下図のシステムにおいて、ユニット1と3の信頼度は0.800、ユニット2と4の信頼度は0.700である。このシステム全体の信頼度に最も近い値はどれか。ただし、各ユニットの故障発生は独立事象とする。

① 0.686 ② 0.806 ③ 0.816 ④ 0.874 ⑤ 0.940

解答と解説

【正解④】

このシステムの信頼度を計算するために、以下の手順で進めます:

  1. 並列部分の信頼度計算
    並列システムの信頼度 = 1 – (1 – R1)(1 – R2)
    ここで、R1とR2はそれぞれのユニットの信頼度で次の通り求める。

    ユニット1と3の並列部分
    R13 = 1 – (1 – 0.800)(1 – 0.800) = 1 – 0.2 × 0.2 = 1 – 0.04 = 0.96
    ユニット2と4の並列部分
    R24 = 1 – (1 – 0.700)(1 – 0.700) = 1 – 0.3 × 0.3 = 1 – 0.09 = 0.91
  2. システム全体の信頼度計算
    全体の信頼度 = R13 × R24 (直列接続のため)
    = 0.96 × 0.91 = 0.8736

したがって、システム全体の信頼度は約0.874です。

I-1-32 国土強靭化基本法

2023年6月に改正された、いわゆる国土強靭化基本法(強くしなやかな国民生活の実現を図るための防災・減災等に資する国土強靱化基本法)に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。

① 国土強靭化は、大規模自然災害が発生した場合においても、国家及び社会の重要な機能が致命的な障害を受けず、維持され、我が国の政治、経済及び社会の活動が持続可能なものとなるようにすることを、基本方針の1つとしている。
② 国土強靭化基本計画は、国土強靭化基本計画以外の国土強靭化に係る国の計画等の指針となるべきものとして定められる。
③ 政府は、国土強靭化実施中期計画案の作成時に、脆弱性評価の指針を定め、脆弱性評価を行うこととされている。
④ 政府は、国土強靱化実施中期計画において、計画期間及び、計画期間内に国土強靱化に関し実施すべき施策の内容及び目標等を定めるものとされている。
⑤ 都道府県又は市町村は、当該都道府県又は市町村の区域における国土強靱化に関する施策の推進に関する基本的な計画を、定めることができる。

解答と解説

【正解③】

② 国土強靭化基本計画は、国土強靭化基本計画以外の国土強靭化に係る国の計画等の指針となるべきものとして定められる。

これは不適切です。実際には、国土強靭化基本計画は、国土強靱化に関する基本的な方針を定めるものであり、その内容が他の計画の「指針」になるものではありません。

I-1-33 気候変動

気候変動に関する次の記述の、[ ]に入る用語の組み合わせとして、最も適切なものはどれか。
[ ア ]現象が発生すると、西太平洋熱帯域の海面水温が [ イ ],西太平洋熱帯域で積乱雲の活動が不活発となる。この影響で日本付近では、夏季は太平洋高気圧の張り出しが弱くなり、気温が[ ウ ]傾向があり、一方、冬季は西高東低の気圧配置が弱まり、気温が[ エ ]傾向がある。

選択肢
エルニーニョ低下し低くなる高くなる
エルニーニョ低下し低くなる低くなる
エルニーニョ上昇し高くなる低くなる
ラニーニャ低下し低くなる高くなる
ラニーニャ上昇し高くなる低くなる
解答と解説

【正解①】

  • ア: エルニーニョ現象
    エルニーニョ現象では、太平洋赤道域の東部で海面水温が異常に上昇し、西太平洋熱帯域では海面水温が低下します。
  • イ: 低下し
    エルニーニョが発生すると、西太平洋熱帯域では海面水温が低下します。
  • ウ: 低くなる
    エルニーニョによって日本の夏季には太平洋高気圧の勢力が弱まり、気温が低くなる傾向があります。
  • エ: 高くなる
    エルニーニョ現象によって冬季には西高東低の気圧配置が弱まり、気温が高くなる傾向があります。

したがって、最も適切な選択肢は ① エルニーニョ / 低下し / 低くなる / 高くなる です。

I-1-34 再生可能エネルギー

再生可能エネルギーに関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。 ただし、以下でFIT制度とは、いわゆる再エネ特措法(再生可能エネルギー電気の利用の促進に関する特別措置法)に基づく再生可能エネルギー気の固定価格買取制度を指す。

①FIT制度の対象である太陽光,風力,水力。地熱,バイオマスの各発電のうち,制度開始後に新たに運転を開始した設備導入量が最も大きいのは太陽光発電である。
② FIT制度で買い取られる再生可能エネルギー竜気の買い取りに要した費用は、電気の使用者から広く集められる再生可能エネルギー発電促進賦課金によってまかなわれる。
③ FIT制度における電気事業者による再生可能エネルギーの買取価格は、再生可能エネルギーの種類に関わらず一律である。
④ FIT制度の認定を受けた再生可能エネルギー発電事業者は、発電量に対して、需給の状況によらず、常に固定価格を受け取ることができる。
⑤太陽光発電導入量が多いエリアでは、竜気の無給バランスを雑持するため。火力発電の抑制、揚水発電のくみ上げ運転による結要創出等が行われ、それでもなお供給が需要を上回る場合には再生可能エネルギー発電の出力制が実施されている。

解答と解説

【正解③】

最も不適切なものは です。

③ FIT制度における電気事業者による再生可能エネルギーの買取価格は、再生可能エネルギーの種類に関わらず一律である。

この記述は誤りです。FIT制度における買取価格は、再生可能エネルギーの種類(太陽光、風力、水力、地熱、バイオマスなど)や発電規模によって異なります。さらに、設備の運転開始時期や設置場所の条件などによっても価格が異なる場合があります。一律ではありません。

他の選択肢

  • : FIT制度の開始以降、最も導入量が多いのは太陽光発電であり、この記述は正しいです。
  • : FIT制度での再生可能エネルギーの買取費用は、電気使用者からの賦課金でまかなわれることも正しいです。
  • : FIT制度のもとでは、認定を受けた発電事業者は、発電量に応じて需給の状況にかかわらず固定価格を受け取ることができます。この記述も正しいです。
  • : 太陽光発電導入量が多いエリアでは、需要と供給のバランスを保つために火力発電の抑制や揚水発電の利用が行われ、必要に応じて再生可能エネルギーの出力制御が実施されることも正しいです。

I-1-35 生物多様性の保全

生物多様性の保全に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。ただし、以下において、ワシントン条約とは「絶滅のおそれのある野生動植物の種の国際取引に関する条約」,種の保存法とは「絶滅のおそれのある野生動植物の種の保存に関する法律」,LMOとは現代のバイオテクノロジーによって改変された生物を指す。

① ワシントン条約の附属書1に掲載されている種は、日本国内における取引についても、種の保存法に基づく国際希少野生動植物種として規制を受ける。
② 生物の多様性の保全及び持続可能な利用への悪影響を防止するためのLMOの輸出入 手続き等に関する国際的な枠組みは、COP10における名古屋議定書によって初めて定められた。
③ IPBESとIPCCが公表した合同ワークショップ報告書では、気候と生物多様性は相互に関連しており、生態系の保護,持続可能な管理と再生のための対策が気候変動の緩和、気候変動への適応に相乗効果をもたらすとされている。
④ 30by 30は,生物多様性の損失を食い止め、回復させるというゴールに向け、2030年までに陸と海の30%以上を健全な生態系として効果的に保全しようとする目標である。
⑤ 「つなげよう、支えよう森里川海」プロジェクトは、国民全体で森里川海を豊かに保ち、その恵みを引き出すこと、また,一人一人が、森里川海の恵みを支える社会をつくることを目指すものである。

解答と解説

【正解②】

① 適切です。ワシントン条約の附属書Iに掲載された種は、種の保存法に基づき国際希少野生動植物種として指定され、国内取引も規制されます。

② 不適切です。LMOの国際的な移動に関する手続きは、2000年に採択されたカルタヘナ議定書によって定められました。名古屋議定書は遺伝資源へのアクセスと利益配分に関するものです。

③ 適切です。IPBESとIPCCの合同報告書の内容を正しく説明しています。

④ 適切です。30by30の目標を適切に説明しています。

⑤ 適切です。「つなげよう、支えよう森里川海」プロジェクトの目的を正しく述べています。

したがって、最も不適切なものは ② です。

LMOの国際的な移動に関する手続きを定めた国際的な枠組みは、2000年に採択されたカルタヘナ議定書です。これは生物多様性条約の補足議定書として作成されました。一方、名古屋議定書(2010年のCOP10で採択)は、遺伝資源へのアクセスと利益配分(ABS)に関する国際的な枠組みを定めたものです。

I-1-36 循環型社会の形成と廃棄物処理

循環型社会の形成と廃棄物処理に関する姿の記述のうち、最も不適切なものはどれか。ただし、以下において、循環型社会基本法とは循環型社会形成推進基本法を、戦略とは2019年に策定されたプラスチック資源循環戦略を指す。

① 循環型社会基本法において、基本原則として、循環資源の循環的な利用及び処分の優先順位を、第1に発生抑制、第2に再使用、第3に生利用、第4に熱回収、最後に処分と定めている。
② 3R+Renewableによるプラスチック資源循環は、回避可能な使用は合理化した上で、再生素材や再生可能資源に適切に切り替え,徹底したリサイクルを実施することなどで、プラスチックのライフサイクル全体を通じて資源循環を促進する取組である。
③ 戦略においては、海洋プラスチック対策として、ポイ捨て・不法投棄滅の徹底、洗い流しのスクラブ製品に含まれるマイクロビーズの削減の徹底などを定めている。
④ 我が国の廃プラスチックの総排出量に対する有効利用量は、多い順に、マテリアルリサイクル、サーマルリサイクル、ケミカルリサイクルとなっている。
⑤ バイオマスプラスチックの原料であるバイオマスは、その成長過程において大気中の二酸化炭素を固定したものであり、バイオマスを再生産する限りにおいては、カーボンニュートラルである。

解答と解説

【正解④】

① 適切です。循環型社会形成推進基本法の基本原則として、処理の優先順位が正しく記述されています。

② 適切です。これは3R+Renewableによるプラスチック資源循環の概念を適切に説明しています。

③ 適切です。プラスチック資源循環戦略における海洋プラスチック対策の一部を正しく述べています。

④ 不適切です。一般的に日本の廃プラスチックの有効利用は、サーマルリサイクル(熱回収)が最も多く、次いでマテリアルリサイクル、ケミカルリサイクルの順となっています。

⑤ 正確です。バイオマスプラスチックとカーボンニュートラルの関係を適切に説明しています。

したがって、最も不適切なものは ④ です。

日本の廃プラスチックの有効利用の実態としては、サーマルリサイクル(熱回収)が最も多く、次いでマテリアルリサイクル、そしてケミカルリサイクルの順となっています。この順序は、エネルギー回収の容易さと、技術的・経済的な要因によるものです。

I-1-37 異常気象と防災

異常気象と防災に関する姿の記述のうち、最も不適切なものはどれか。

① 都市の気温が周囲よりも高くなる現象をヒートアイランド現象といい,都市化の進展に伴って、顕著になりつつあり、熱中症等の健康への被害や,感染症を媒介する蚊の越冬といった生態系の変化が懸念されている。
②地態が発生して地盤が強い衝撃を受け、地盤が液体のような状態になる現象を液状化現象といい,噴水、噴砂や建物の沈下・傾斜などをもたらし、和6年能登半島地態でも被害が確認されている。
③ 生態系の保全・再生を通じて防災・減災や生物多様性を含めた地域の課題を複合的に解決しようとする考え方をEco-DRRといい,自然と触れ合う場の提供やエコツーリズムの実施など幅広い社会・経済効果が期待できる。
④ 環境負荷低減効果が認められる資機材,建設機械、工法を用いて整備されるインフラをグリーンインフラといい,防災,減災や持続可能で魅力ある国土づくり、地域づくりのため国により推進されている。
⑤ 次々と発生する発達した積乱雲が列をなし数時間にわたってほぼ同じ場所を通過又は停滞することで作り出される線状に伸びる強い降水域を線状降水帯といい,これによる顕著な大雨によって、毎年のように数多くの災害が生じている。

解答と解説

【正解④】

① 適切です。ヒートアイランド現象の定義と影響を適切に説明しています。

② 適切です。液状化現象の定義と影響、最近の事例(令和6年能登半島地震)を正しく説明しています。

③ 適切です。Eco-DRR(Ecosystem-based Disaster Risk Reduction:生態系を活用した防災・減災)の概念と期待される効果を適切に説明しています。

④ 不適切です。この説明はグリーンインフラではなく、環境配慮型公共事業(グリーン調達)の説明です。グリーンインフラは、自然環境が有する多様な機能を活用して社会における様々な課題解決を図る考え方や手法を指します。

⑤ 正確です。線状降水帯の定義と影響を適切に説明しています。

したがって、最も不適切なものは ④ です。

グリーンインフラの正しい説明は以下の通りです:
グリーンインフラとは、自然環境が有する多様な機能(生物の生息・生育の場の提供、良好な景観形成、気温上昇の抑制等)を活用し、持続可能で魅力ある国土・都市・地域づくりを進める考え方や手法を指します。これは、防災・減災、環境保全、快適性の向上など、様々な社会課題の解決に寄与するものとして、国により推進されています。

I-1-38 第五次環境基本計画

第五次環境基本計画(平成30年4月閣議決定)に示されている環境政策の実施の手法に関するの記述のうち、最も不適切なものはどれか。

① 直接規制的手法は、法令によって社会全体として達成すべき一定の目標と守事項を示し、統制的手段を用いて達成しようとする手法である。
② 枠組規制的手法は、目標を提示してその達成を義務づけ、又は一定の手順や手続を踏むことを義務づけることなどによって規制の目的を達成しようとする手法である。
③ 経済的手法は、市場メカニズムを前提とし、経済的インセンティブの付与を介して各主体の経済合理性に沿った行動を誘導することによって政策目的を達成しようとする手法である。
④ 手続的手法は、各主体の意思決定過程に、環境配慮のための判断を行う手続と環境配点に際しての判断基準を組み込んでいく手法である。
⑤ 自主的取組手法は、消費者が自主的に環境負荷の少ない製品などを選択できるように、環境負荷などに関する情報の開示と提供を進める手法である。

解答と解説

【正解⑤】

① 適切です。直接規制的手法の定義を適切に説明しています。

② 適切です。枠組規制的手法の特徴を正しく説明しています。

③ 適切です。経済的手法の定義と目的を適切に説明しています。

④ 適切です。手続的手法の特徴を正しく説明しています。

⑤ 不適切です。この説明は自主的取組手法ではなく、情報的手法の説明に近い説明です。自主的取組手法は、事業者などが自主的に環境保全に関する取組を行うことを推進する手法です。

したがって、最も不適切なものは ⑤ です。

自主的取組手法の正しい説明は以下のようになります:
自主的取組手法は、事業者などが自らの行動に環境配慮を織り込んでいくことを推進するもので、環境保全に関する協定の締結、環境管理システムの導入、環境報告書の作成・公表などが含まれます。この手法は、事業者などの自主性を尊重しながら環境保全への取組を推進するものです。

情報的手法は、環境保全活動に積極的な事業者や環境負荷の少ない製品などを選択できるように、環境負荷などに関する情報の開示と提供を進める手法です。これは ⑤ の説明に近いものです。

I-1-39 社会的責任と環境管理活動

組織の社会的責任と環境管理活動に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。

① ESG金融は、投資家や金融機関などが環境・社会・企業統治といった非財務情報を考慮して行う投融資であり、世界各国で政策的に推進され欧米から先行して普及・拡大し、持続可能な社会を構築する上での鍵となっている。
② グリーンボンドは、調達資金の使途を環境改善効果のあるグリーンプロジェクトに限定して発行される債券であり、発行体・投資家の取組が組み合わさることで、明示的にグリーンプロジェクトに向かう資金の流れを作りだすことができる。
③環境マネジメントシステムは、組織や事業者が、法令で定められた環境に関する方針や目標の達成に向けて取り組んでいくための組織や事業者の体制・手続き等の仕組みであり、会社法上の大会社にはその整備が義務付けられている。
④ 環境会計は、事業活動における環境保全のためのコストと効果を可能な限り定量的に測定し伝達する仕組みであり、経営管理ツールとしての役割と環境に配慮した事業活動に対する適切な評価に結びつく役割が期待される。
⑤TNFD(自然関連財務情報開示タスクフォース)は、事業活動における自然資本及び生物多様性に関するリスクや機会を適切に評価し,開示するための枠組みを構築するものであり、資金の流れをネイチャーポジティブに移行させることが目的である。

解答と解説

【正解③】

① 適切です。ESG金融の定義と重要性を適切に説明しています。

② 適切です。グリーンボンドの特徴と効果を正しく説明しています。

③ 不適切です。環境マネジメントシステム(EMS)の定義は概ね正確ですが、会社法上の大会社にその整備が義務付けられているという記述は誤りです。検索結果によると、EMSは「組織や事業者が、その運営や経営の中で自主的に環境保全に関する取組を進めるにあたり、環境に関する方針や目標を自ら設定し、これらの達成に向けて取り組んでいくための組織や事業者の体制・手続き等の仕組み」とされており、法的な義務ではなく自主的な取り組みです。

④ 適切です。環境会計の定義と期待される役割を適切に説明しています。

⑤ 適切です。TNFDの目的と役割を正しく説明しています。

環境マネジメントシステムに関する正しい説明は以下のようになります:
環境マネジメントシステムは、組織や事業者が、自主的に環境に関する方針や目標を設定し、その達成に向けて取り組んでいくための組織や事業者の体制・手続き等の仕組みです。ISO 14001などの国際規格に基づいて導入されることが多く、法的な義務ではなく自主的な取り組みです。

I-1-40 エシカル消費

エシカル消費に関連する次の記述の,[ ]に入る用語の組合せとして,最も適切なものはどれか。ただし,選択肢の語句のうち,「エコマーク」及び「プラマーク」は各々下の表に示す図案のことである。


エシカル消費は,地域の活性化や雇用なども含む,人・社会・地域・環境に配慮した消費行動のことであり,[ア]の付いた商品の選択的な購入や食品ロスの削減はその例である。
森林認証制度は,[イ]が,一定の基準に適合した森林を認証するとともに,認証された森林から産出される木材等を分別,表示管理することにより,消費者の選択的な購入を促す仕組みである。
加工食品の[ウ] 期限は,定められた方法により保存した場合において,腐敗,変敗その他の品質の劣化に伴い安全性を欠くこととなるおそれがないと認められる期限を示す年月日のことである。

選択肢
エコマーク第三者機関消費
エコマーク林野庁賞味
プラマーク第三者機関賞味
プラマーク林野庁消費
プラマーク林野庁賞味
解答と解説

【正解①】

[ア]には「エコマーク」が適切です。エコマークは環境に配慮した商品につけられるマークで、エシカル消費の一例として挙げられています。

[イ]には「第三者機関」が適切です。森林認証制度は通常、独立した第三者機関によって行われます。

[ウ]には「消費」が適切です。記述の内容は消費期限の定義に合致しています。

消費期限とは、食品が安全に消費できる期間を示すもので、特に腐敗や変質が進む可能性がある食品に対して設定されています。消費期限が過ぎると、その食品は食べることが安全でないとされ、健康へのリスクが高まります。消費期限は、製造者が定めた保存方法に基づいています。消費期限は、特に生鮮食品や冷蔵・冷凍食品など、品質の劣化が早いものに適用されます。これに対して、賞味期限は、食品の風味や品質が保持される期間を示し、過ぎても必ずしも食べられないわけではありません。

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