指数平滑法 |工程管理・計画

指数平滑法とは、過去の実績データを用い、加重移動平均法と比べて、「より新しい実績値」には「より大きな重み」をかけ、「より古い実績値」には「より小さな重み」かけて移動平均を算出する手法です。
在庫管理などで定期発注における発注量予測によく使われています。指数平滑法には複数の手法がありますが、ここでは単純指数平滑法の説明をいたします。

目次

単純指数平滑法

旧予測値とその実績との差の影響を取りいれて、新予測値を推定します。
影響の程度は、平滑化定数αを使用します。αは0以上1以下で定義され、αが1に近いほど直近のデータが重視され、αが0に近いほど過去のデータが重視される式になります。
需要が不安定な場合はαを1に近づけ、安定的である場合はαを0に近づけます

10日間を例にとり、平滑化定数αが0.3, 0.5, 0.8 とした場合の、重み係数の推移は次のようになります。

αが大きくなるにつれ、直近データの重み係数が大きくなり、逆に小さくになるにつれて重み係数も小さくなることがわかります。

指数平滑法の計算例: 7月の需要予測

指数平滑法の場合、わかっている過去のデータすべてを使用しますが、この例では「過去10ヵ月分のデータしか保有していない」、という前提で計算します。

1月2月3月4月5月6月
出荷量696263515863
7月8月9月10月11月 
出荷量52595842 

11月の需要予測は次の式で算出できます。

α・42+ α・(1- α)・58+ α・(1- α)2・59 + …+ α・(1- α)9・69

αを変えた場合の予測値は次の通りです。

α=0.3 : 52
α=0.5 : 50
α=0.8 : 45

いろいろな指数平滑法の手法

指数平滑法には、ほかにも以下のような手法があります。

ホルト・ウィンタース法
傾向と季節性の両方を含められる一般的な時系列予測手法です。時系列データの標本数が少なく、季節指数が作成できない場合でも、外部で作成した季節指数を利用することで需要予測を行えます。ただし、需要に明確な季節変動がない場合やサンプル数が少ない場合は、このメリットを活かせません。

• 可変応答平滑法
実績データを取り込みながら、需要の増減傾向に予測値の遅れが出ないよう、重みづけを変えていく手法です。

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