総監キーワード|人的資源管理(3/4) 人材活用計画

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人間関係管理

人間関係管理とは、従業員の労働意欲を高め,みずから進んで経営体に協力するようにその人間関係を民主的に創出する管理方法です。人間は、人間関係に影響を受けながら行動するという行動科学の考え方である人間関係論に基づいた管理手法です。「人間は、経済合理性に基づいて行動する」というテーラーの科学的管理法と対照的な管理手法と捉えらています。

公式組織・非公式組織

公式組織(フォーマル・オーガニゼーション)とは,一定の目的を達成するために意識的、人為的に形成された組織のことであり、「意識的に調整された人間の活動や諸力の体系」と定義されています。非公式組織(インフォーマル・オーガニゼーション) とは,個人間の接触・相互作用を通して自然発生的に形成されるもので、意識的な構造や制度をもたない社会的結合を意味します。

人事管理

人事管理とは、企業にとって重要な経営資源である「ヒト」に関わる管理業務です。主な業務は、必要な人材を獲得するための採用活動、従業員が能力やスキルを身につけるための研修や教育、従業員への正当な評価・処遇のための人事評価策定・運用、適材適所の人員配置、および従業員のモチベーションやコンディションの管理があります。

雇用管理

雇用管理とは、従業員の募集・選択・配置にかかわる一連の労務管理活動のことです。

職能資格制度

年齢や勤務年数、能力、技能から従業員の能力を基準にして決定する制度です。

職務等級制度

年齢や勤務年数、能力、技能から従業員の能力を基準にして決定する制度です。

役割等級制度

個人の役割やミッション、それらに対する成果によって区分・格付けを決める制度で、
職能資格制度と職務資格制度の課題を解決すると考えられる、新しい制度です。

複線型人事制度

複線型人事制度とは、1つの企業に複数のキャリアコースがある制度のことです。多様なキャリアパスを用意することで、自社内で多様な人材を育成することが期待されています。

勤務地限定社員制度

勤務地限定正社員とは、勤務する地域を限定して働く正社員のことです。限定される地域の範囲はさまざまで、企業の規定によって異なります。たとえば、「1つの事業所に勤務地を限定し、異動しない」「居住地から通勤可能な範囲の異動がある」「都道府県を越える事業所間の異動はあるが、転居は伴わない」といったケースが挙げられます。

専門職制度

専門職制度とは、特定の分野で専門的な知識や能力を評価することで管理職や役員と同じように評価される仕組みです。職人のように技術力を持った人材や、特定の資格を有する人材が対象となります。

社内公募制

社内公募制度とは、人材を補充したい部署が社内からの異動希望者を募るために社内募集をし、募集に対して従業員が応募できるようにするための制度のことです。近年、従業員のキャリア自律を促進するための人事施策として改めて注目されています。

再雇用制度

再雇用制度には、2つの種類があります。1つは定年を迎えた従業員を再び雇用する「定年後再雇用制度」、もう1つは「ジョブリターン」や「アルムナイ」など、転職や家庭の事情などで一度離職した人を再雇用する、いわゆる「出戻り」と呼ばれる制度です。

継続雇用制度

継続雇用制度とは、雇用している高年齢者を、本人が希望すれば定年後も引き続いて雇用する、「再雇用制度」などの制度をいいます。この制度の対象者は、以前は労使協定で定めた基準によって限定することが認められていましたが、高年齢者雇用安定法の改正により、平成25年度以降、希望者全員を対象とすることが必要となっています。
なお、継続雇用先は自社のみならずグループ会社とすることも認められています。

自己申告制度

自己申告制度とは、従業員が異動や転籍、将来のキャリアの希望などを企業側に自ら申告する制度を指します。異動や転籍といった部署や業務がすぐに入れ替わる申告だけではなく、従業員自身が考える今後のキャリアプラン申告や、従業員自身の業績評価を申告する際にも活用される制度です。

ジョブ型(職務主義)

職務に対して人が割り当てられる雇用形態で、欧米の多くの企業で採用されています。
職務等級制度で評価されます。

メンバーシップ型(属人主義)

従業員を採用してから人に応じて職務を割り当てる雇用形態で、多くの日本企業に採用されてきました。職能資格制度で評価されます。

総合職・一般職

総合職とは、社内の中核業務を担うポジションです。仕事内容は多岐に渡り、総合職で入社した社員は将来の管理職、幹部候補として会社から期待を寄せられます。一つの業務を長く担当することもありますが、基本的にはジョブローテーションで異動があり、転勤も発生しやすいのが特徴です。

一般職は、総合職のサポート業務を担う立ち位置です。書類作成などの事務作業から顧客対応まで、細かいタスクをこなしていきます。大きな注目を浴びるポジションではありませんが、総合職のスムーズな業務遂行のためには欠かせない存在です。

一般職は基本的に内勤業務となり、異動や転勤もほぼないため、結婚・出産などのライフスタイルの変化に合わせて働きたいという女性が多いのが特徴です。ただし、職務内容の範囲が限定されている分、総合職に比べて給与が低く設定されている場合があります。

職務分析

職務分析とは、職務に関する情報を収集・整理し、職務内容を明確にすることです。
具体的には、職務に求められている仕事の内容を洗い出し、職務遂行に必要な知識や能力、経験、責任、権限または職務の難易度などを明らかにします。

分析手法には、「観察法」「面接法」「記述法」「体験法」の4つがあります。

職務設計

職務設計とは、「作業者の欲求を満足させ、勤労意欲を高揚させるために、作業者に負担させる仕事の内容を計画する行為」(JIS Z 8141-5112)と定義されています。
人間性を尊重して、人を中心に仕事を計画することをいいます(仕事を人に合わせる)。
かつては、経済的・技術的な視点から、一人の人間が最も能率的に遂行できる仕事の組み合わせが考えられてきました。
今日では、人間の社会的・心理的な側面を考慮して担当業務を計画していくことが一般的となっています。
その際の重要なことは、従業員のやる気を引き出すことで、仕事への内的動機づけが高まる職務の要素を「職務設計の中核5次元」と言われています。

スキルの多様性
必要とされる能力や技能が多様であればあるほど自分の仕事は有意義で価値があり、重要だと感じる

職務の一貫性
大きな仕事の一部より、はじめから終わりまで一貫して携われる仕事のほうが内的動機づけは高まる。

職務の重要性
周囲にどれほどの影響をもたらすものなのか。どれほどの意味を持っているのか。自分の仕事は価値があり、重要だと感じるほど、内的動機づけは高まる。

自律性
どれだけ裁量権を持って仕事を進められるか。自由裁量の範囲が大きいほど、仕事の結果に責任を感じることになり内的動機づけは高まる。

フィードバック
仕事の最後に、自分の仕事の成果を確かめること。その職務に求められる活動を実行した度合いや結果が上司や同僚を通じてフィードバックされることで、内的動機づけは高まる

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従業員格付け・雇用形態・職務設計・職務分析 雇用管理とは、従業員の確保、処遇などに関する一連の計画的かつ体系的な労務管理活動のことです。授業員の採用、配置、教育訓練、処遇などの関する活動が含まれます。 ...

採用管理

採用管理とは、企業が外部から人材を雇用するための施策および計画のことです。また、内定後の人員配置や部署間の異動など、バランス調整も採用管理に含まれます。新しい人材を積極的に採り入れ、企業の力を維持していくためには重要な取り組みです。

セカンドキャリア

セカンドキャリアは人事労務用語で「第二の人生における職業」を意味します。中高年の早期リタイアや定年後のキャリア、出産・育児後の女性の社会復帰、プロスポーツ選手の引退後のキャリアを示す意味合いで使われます。 近年では就労を支援する取り組みも行われ、キャリア形成における新たな形態として注目されています。

役職定年制

役職定年制とは、ある一定の年齢に達した社員が、課長・部長などの役職から退く制度のことです。

ダイバーシティ・マネジメント

ダイバーシティマネジメントとは、多様性を認め合うことでさまざまな人材の能力を最大限活かし、事業を成長させていくという企業運営の考え方です「多様性」を競争優位の源泉として生かすために文化や制度、プログラムプラクティスなどの組織全体を変革しようとするマネジメントアプローチです。

障害者雇用

障害者雇用とは、事業主や自治体などが、障害のある人だけの特別な雇用枠「障害者雇用枠」で障害のある人を雇用することです。障害のある人が障害のない人と同様に就職しようとしても、不利になってしまう場合があります。そこで、障害のある人が働く機会を得やすくするために設けられているのが障害者雇用枠です。

障害者雇用の対象となるのは原則として、障害者手帳を持っている人です。従来は身体障害のある人と知的障害のある人に限られていましたが、2018年より精神疾患のある人も対象に加わりました。

ジェンダーギャップ

ジェンダーギャップとは、男女の 違いにより生じる格差のことを言います。ジェンダーギャップ指数とは、WEF が毎年公表しているもので、経済活動や 政治への参画度、教育水準、出生率や 健康寿命などから算出される、男女格差を示す指標です。2021年の日本の総合スコアは0.656、順位は156か国中120位(前回は153か国中121位)でした。前回と比べて、スコア、順位ともに、ほぼ横ばいとなっており、先進国の中で最低レベル、アジア諸国の中で韓国や中国、ASEAN諸国より低い結果となっています

LGBTQ

LGBTQとは、Lesbian(レズビアン、女性同性愛者)、Gay(ゲイ、男性同性愛者)、Bisexual(バイセクシュアル、両性愛者)、Transgender(トランスジェンダー、性自認が出生時に割り当てられた性別とは異なる人)、QueerやQuestioning(クイアやクエスチョニング)の頭文字をとった言葉で、性的マイノリティ(性的少数者)を表す総称のひとつとしても使われることがあります。

タレントマネジメント

タレントマネジメントとは、「従業員一人ひとりが持つ能力やスキル、経験といった情報を、採用や育成、配置に活用することで企業の成長につなげていく人材マネジメント」です。タレントマネジメントの対象は、社員に限らず、パート・アルバイトを含む、組織における全従業員が含まれます。タレントマネジメントを行う主な目的は、企業の経営目標を達成させるための戦略的な人員配置の検討や、個々の能力を発揮するための人事戦略の実行です。

インターンシップ

インターンシップとは、特定の職の経験を積むために、企業や組織において労働に従事することです。主に、「学生が自己の適正を把握する」あるいは「仕事の内容を理解する」ために、在学中に一定期間、企業内で就業体験を行うことを指すことが多いです。

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