情報保護 | 特定秘密保護法・不正競争防止法・肖像権・パブリシティ権・プライバシー権

情報の保護に関する法律や権利について、特定秘密保護法、不正競争防止法、肖像権、パブリシティ権、プライバシー権について以下に説明します。

目次

特定秘密保護法

概要

特定秘密保護法は、国家の安全保障に関連する情報を保護するために制定された法律で、特に「特定秘密」として指定された情報を漏洩から守ることを目的としています。

特徴

  • 特定秘密の指定: 国の安全保障に関連する情報が特定秘密として指定される。
  • 管理・取り扱い: 特定秘密の管理や取り扱いに関する規則が設けられ、漏洩防止のための対策が求められる。
  • 罰則規定: 特定秘密を漏洩した場合や不適切に取り扱った場合には、厳しい罰則が適用される。

目的

国家の安全を確保し、機密情報の漏洩によるリスクを低減すること。
対象は次の4分野で、有効期限は上限5年で更新可能、最長60年の例外もあります。

1. 防衛
2. 外交
3. 特定有害活動(スパイ活動)の防止
4.テロリズムの防止

不正競争防止法

不正競争によって営業上の利益を侵害され、または侵害されるおそれがある者に対し、 不正競争の防止・予防請求権を付与することにより、不正競争の防止を図るとともに、その営業上の利益を侵害された者の損害賠償、差止請求、刑事罰などを整備することによって、事業者間の公正な競争を確保すること」を目的としています。

特徴

  • 損害賠償: 不正競争によって損害を受けた場合、損害賠償を請求できる。
  • 営業秘密の保護: 企業が秘密にしている情報(営業秘密)が不正に取得されたり使用されたりすることを禁止。
  • 不正競争行為の規制: 誤解を招く表示や他社の商品を模倣することなどの不正競争行為を禁止。

目的

企業の競争力を守り、健全な市場競争を促進すること。

「不正競争」は大きく10の行為に分類することができます。具体的な内容を解説します。

周知表示混同惹起行為広く認識されている、他人の商品等と同一または類似の表示を使い、その他人の商品等との混同を生じさせる行為。
著名表示冒用行為他人の著名な商品等の表示を、自己の商品等の表示に使う行為
形態模倣商品の提供行為他人の商品の形態を模倣し、これを提供する行為
営業秘密の侵害窃盗など不正の手段によって営業秘密を取得して、これを自ら使用または第三者に開示する行為
限定提供データの不正取得等 (刑事罰無し)特定の者に対してのみ提供されているデータを、窃盗や不正アクセスなどの不正な手段で入手し、自ら使用または第三者に開示する行為
技術的制限手段無効化装置等の提供行為制限されているコンテンツの視聴・記録や、プログラムの実行を可能にする装置・プログラム・役務の提供。
・海賊版のゲームができるようにする改造
・セーブデータを改ざんする
・衛星放送の暗号を無効化するプログラム
ドメイン名の不正取得等の行為不正の利益を得る、あるいは他人に損害を加える目的(図利加害目的)で、他人の商品等の表示と同一または類似するドメイン名を使用する権利を取得する行為
誤認惹起行為原産地や品質、内容等を誤認させるような表示をする行為
信用毀損行為(刑事罰無し)競争相手にあたる他人の信用を害する、虚偽の事実を告知・流布する行為
代理人等の商標冒用行為(刑事罰無し)パリ条約の同盟国等おいて権利を持つ者の代理人が、正当な理由なく、権利を有する者の承諾も得ず、当該商標を使用すること

肖像権

概要

肖像権は、個人が自らの肖像(写真や映像など)を無断で使用されない権利です。個人のプライバシーを保護するための権利として位置付けられています。

特徴

  • 使用の許可: 個人の肖像を使用する場合は、事前に本人の同意を得る必要がある。
  • 権利の侵害: 無断で肖像を使用された場合、権利侵害として損害賠償を請求できることがある。

目的

個人の名誉やプライバシーを守ること。


パブリシティ権

概要

パブリシティ権は、個人の名前や肖像、声などの商業的利用に対する権利です。著名人や芸能人が、自身のイメージを無断で使用されないよう保護する権利とされています。

特徴

  • 商業利用の制限: 個人の名前や肖像を商業目的で使用する場合、事前に許可を得る必要がある。
  • 権利の譲渡: この権利は、著名人などが契約によって譲渡することができる。

目的

個人のブランド価値を保護し、無断で利用されることを防ぐこと。


プライバシー権

概要

プライバシー権は、個人の私生活に関する情報を無断で開示されない権利です。個人の私的な領域を保護するために重要な権利です。

特徴

  • 情報の開示禁止: 個人の私生活や私的情報が無断で公開されることを防ぐ。
  • 権利の侵害: プライバシー権が侵害された場合、損害賠償請求や差止請求が可能。

目的

個人の私生活や情報を守り、自由な生活を確保すること。


まとめ

これらの法律や権利は、個人や企業の情報を保護し、無断使用や漏洩を防ぐための重要な枠組みを提供しています。特定秘密保護法や不正競争防止法は国家や企業の情報保護に重点を置き、肖像権やパブリシティ権、プライバシー権は個人の権利を守ることに焦点を当てています。これらを適切に理解し、遵守することは、情報社会において重要な課題です。

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