【平成29年 2017年】総合技術監理部門 択一問題 解答と解説

目次

I-1-1 品質管理の知識

品質管理で用いられる3 種類の図表の説明(ア)~(ウ)に対応する図表名の組合せとして最も適切なものはどれか。

(ア)2つの特性を横軸と縦軸とし、観測値を打点した、 2つの特性の相関関係を見るための図である。

(イ)連続した観測値又は群にある統計量の値を、通常は時間順又はサンプル番号順に打点した管理限界線を持つ図である。

(ウ)問題としている事象の中から対になる要素を見つけ出し、行と列に配置し、その交点に各要素の関連の有無や関連の度合いを表示した図である。

 
親和図散布図マトリックス図
連関図管理図特性要因図
連関図特性要因図親和図
散布図管理図マトリックス図
散布図特性要因図親和図


正解と解説

【正解④】

この問題では、品質管理に用いられる3種類の図表についての理解が問われています。それぞれの説明に対応する図表名を確認します。

  • (ア) 2つの特性の相関関係を見るための図 → 散布図
  • 散布図は、2つの変数の関係を可視化するための図表です。横軸と縦軸にそれぞれの特性を取り、観測値を打点することで相関関係を確認します。
  • (イ) 連続した観測値や統計量を打点し、管理限界線を持つ図 → 管理図
  • 管理図は、プロセスの安定性や異常の有無を判断するために使用され、観測値を時系列で打点し、管理限界線を超えた異常を検出します。
  • (ウ) 行と列に要素を配置し、交点で関連性を表示する図 → マトリックス図
  • マトリックス図は、複数の要素間の関係性を視覚的に表すために使用され、行と列に要素を配置し、交点で関連性を示します。

したがって、最も適切な組み合わせは以下の通りです。

回答:

④ 散布図、管理図、マトリックス図

I-1-2 財務諸表

財務諸表に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。

① 売上総利益は、売上高から売上原価、販売費及び一般管理費を引いた金額である。

② 経常利益は、営業利益に営業外収益を加え、営業外費用を引いた金額である。

③ 流動資産のうち当座資産は、現金と現金化できる流動性の高い資産である。

④ 固定資産の中には、他の企業への長期的な投資も含まれる。

⑤ 負債のうち1 年以内に返済される借入金や1 年以内に償還される社債は、流動負債である

正解と解説

【正解①】

財務諸表に関する記述の中で、不適切なものを確認します。

① 売上総利益は、売上高から売上原価、販売費及び一般管理費を引いた金額である。

  • 売上総利益は、売上高から売上原価を引いた金額です。販売費及び一般管理費は営業利益を計算するときに考慮されるため、この記述は不適切です。

② 経常利益は、営業利益に営業外収益を加え、営業外費用を引いた金額である。

  • この記述は正しいです。経常利益は、営業利益に営業外収益を加え、営業外費用を差し引いたものです。

③ 流動資産のうち当座資産は、現金と現金化できる流動性の高い資産である。

  • この記述は正しいです。当座資産には現金や預金、すぐに現金化できる売掛金などの流動性の高い資産が含まれます。

④ 固定資産の中には、他の企業への長期的な投資も含まれる。

  • この記述は正しいです。他の企業への長期投資は、投資その他の資産として固定資産に含まれます。

⑤ 負債のうち1 年以内に返済される借入金や1 年以内に償還される社債は、流動負債である。

  • この記述も正しいです。1年以内に返済や償還される負債は流動負債として分類されます。

不適切な記述はです。

I-1-3 損益分岐点

企業Xの次期に販売するある製品の販売価格は500 円/個、製品を生産するための固定費と変動費はそれぞれ24,000,000 円、180 円/個であり、100,000 個の売上を予定している。この条件下での損益分岐点の分析に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。ただし、数値は有効数字2 桁とする。

① 売上数量が100,000 個のときの利益は26,000,000 円である。

② 1 個当たりの限界利益は80 円である。

③ 変動費益率は0.43 である。

④ 限界利益率は0.16 である。.

⑤ 損益分岐点売上数量は75,000 個である。

正解と解説

【正解⑤】

この問題では、損益分岐点分析に関連する計算が必要です。与えられた条件に基づいて、各選択肢を検討していきます。

与えられた条件

  • 販売価格:500円/個
  • 固定費:24,000,000円
  • 変動費:180円/個
  • 予定売上数量:100,000個

損益計算の基本式

  • 限界利益(Contribution Margin) = 販売価格 – 変動費
  • 限界利益率 = 限界利益 ÷ 販売価格
  • 損益分岐点売上数量 = 固定費 ÷ 限界利益

1. 売上数量が100,000個のときの利益を計算

  • 限界利益 = 500円 – 180円 = 320円
  • 総限界利益 = 320円 × 100,000個 = 32,000,000円
  • 利益 = 総限界利益 – 固定費 = 32,000,000円 – 24,000,000円 = 8,000,000円
  • ① 売上数量が100,000個のときの利益は26,000,000円である不適切(8,000,000円が正しい)

2. 1個当たりの限界利益を計算

  • 限界利益 = 500円 – 180円 = 320円
  • ② 1個当たりの限界利益は80円である不適切(320円が正しい)

3. 変動費益率を計算

  • 変動費益率 = 変動費 ÷ 販売価格 = 180円 ÷ 500円 = 0.36
  • ③ 変動費益率は0.43である不適切(0.36が正しい)

4. 限界利益率を計算

  • 限界利益率 = 限界利益 ÷ 販売価格 = 320円 ÷ 500円 = 0.64
  • ④ 限界利益率は0.16である不適切(0.64が正しい)

5. 損益分岐点売上数量を計算

  • 損益分岐点売上数量 = 固定費 ÷ 限界利益 = 24,000,000円 ÷ 320円 = 75,000個
  • ⑤ 損益分岐点売上数量は75,000個である適切

正解

⑤ 損益分岐点売上数量は75,000個である

I-1-4 保全計画

予防保全に関する次の記述の、[ ]に入る語句の組合せとして最も適切なものはどれか。

予防保全では、設備の良好な状態を維持し、

(1)劣化を防ぐために行う清掃・給油・増締め・点検などの[ ア ]、

(2)劣化を測定するための定期検査又は[ イ ]、

(3)劣化を早期に復元するための整備・修理、

などを行う。予防保全の方式として、[ ア ]の他に[ ウ ]と[ エ ]があり、オーバーホール型保全は[ ウ ]の方法の1 つである。

 
日常保全緊急点検予知保全保全予防
日常保全設備診断定期保全予知保全
保全予防緊急点検定期保全改良保全
改良保全設備診断予知保全定期保全
改良保全設備診断保全予防予知保全
正解と解説

【正解②】

予防保全に関する記述の中で、適切な語句を選択するため、各用語の意味を確認します。

記述のポイント

  • (1) 日常的な清掃・給油・増締め・点検など日常保全
  • (2) 劣化を測定するための定期的な検査や診断設備診断
  • (3) オーバーホール型保全は定期的な保全に含まれる定期保全
  • (4) 他の保全方式として、定期保全と予知保全が挙げられる予知保全

各保全の定義

  • 日常保全: 日々の清掃や点検、軽微な整備を行い、設備の劣化を防ぐ活動。
  • 設備診断: 劣化の状況を診断し、設備の状態を把握するために実施される検査。
  • 定期保全: 設備の使用時間やカレンダーに基づいて、計画的に実施される保全活動。オーバーホール型保全はこれに含まれる。
  • 予知保全: センサーデータや診断情報を基に、設備の劣化状態を予測し、故障を未然に防ぐ保全活動。

適切な組み合わせ

② 日常保全、設備診断、定期保全、予知保全

この選択肢が最も適切です。

I-1-5 作業工程と信頼度

前工程である工程1 と後工程である工程2 の2 つの工程からなる生産システムがある。工程1 は設備A 又は設備B のどちらか一方で行われ、工程2 は設備C で行われる。設備A~C は稼働中に不適合品を発生させないものとし、故障等による設備の停止は互いに独立な事象であるとする。設備A、設備B の信頼度が、それぞれ、0.950、0.900 であるとき、システム全体の信頼度が0.900 を超えるために最低限必要な設備C の信頼度に最も近い値はどれか。ただし、 効数字は3 桁で計算せよ。

① 0.804
② 0.851
③0.905
④0.947
⑤0.973

正解と解説

【正解③】

この問題では、生産システム全体の信頼度が0.900を超えるために必要な設備Cの信頼度を求める必要があります。

条件整理

  • 工程1は設備Aまたは設備Bのいずれかで行われる。
  • 工程2は設備Cで行われる。
  • 設備Aの信頼度:0.950
  • 設備Bの信頼度:0.900
  • システム全体の信頼度が0.900を超えるための設備Cの信頼度を求める。

システム全体の信頼度の考え方

  • 工程1:設備Aまたは設備Bのどちらかが正常に動作すればよい。つまり、工程1の信頼度は「AまたはBが動作する確率」で計算できます。
    • 設備Aが動作しない確率:1 – 0.950 = 0.050
    • 設備Bが動作しない確率:1 – 0.900 = 0.100
    • 両方の設備が動作しない確率:0.050 × 0.100 = 0.005
    • 工程1の信頼度は、両方が動作しない確率を引くため、1 – 0.005 = 0.995
  • 工程2:工程1の信頼度(0.995)と設備Cの信頼度(\(R_C\))の積がシステム全体の信頼度となります。
    • システム全体の信頼度 = 0.995 × \(R_C\)

計算

システム全体の信頼度が0.900を超えるためには、以下の式を満たす必要があります。
$$
0.995 \times R_C > 0.900
$$
$$
R_C > \frac{0.900}{0.995} = 0.90452
$$

したがって、設備Cの信頼度は0.905以上である必要があります。

正解

③ 0.905

I-1-6 生産方式

プッシュ生産方式又はプル生産方式に関する次の(ア)~(エ)の記述のうち、プッシュ生産方式に関するものの数はどれか。

(ア)あらかじめ定められたスケジュールに従い、生産活動を行う管理方式である。

(イ)かんぱん方式が一例である。

(ウ)時々刻々の生産・配送・在庫状況情報を集中管理する必要がない。

(エ)過剰在庫の危険が少ないとされる。

① 0
② 1
③ 2
④ 3
⑤ 4

正解と解説

【正解③】

プッシュ生産方式とプル生産方式の特徴を理解しながら、それぞれの記述を分析します。

プッシュ生産方式の特徴

  • 生産計画に基づいて、あらかじめ決められた量を生産し、在庫を持つ。
  • 需要の変動に対しては柔軟性がなく、過剰在庫が発生する可能性がある。

各記述の検討

(ア)あらかじめ定められたスケジュールに従い、生産活動を行う管理方式である。

    • プッシュ生産方式に関する記述。適切。

    (イ)かんぱん方式が一例である。

      • プル生産方式に関する記述。かんばん方式はプル生産方式の一部であるため、不適切。

      (ウ)時々刻々の生産・配送・在庫状況情報を集中管理する必要がない。

        • プッシュ生産方式に関する記述。プッシュ方式は需給に基づく柔軟な調整がないため、集中管理が必要ないとされる。適切。

        (エ)過剰在庫の危険が少ないとされる。

          • プル生産方式に関する記述。プル生産方式は需要に基づくため、過剰在庫のリスクが少ない。したがって、不適切。

          結論

          プッシュ生産方式に関する記述は(ア)と(ウ)の2つです。

          したがって、プッシュ生産方式に関する記述の数は③ 2です。

          I-1-7 PERTとCPM

          PERT とCPM に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。

          ① 最終作業を除く各作業の最遅完了時刻は、その作業の後続作業の最早開始時刻のうち、最も早い時刻と等しい。

          ② PERT 計算によって求められるクリテイカルパスは1 つとは限らず、複数存在することもある。

          ③ 各作業の所要時聞が不確定な場合には、各作業の所要時間を3 点見積もりすることにより、総所要時聞がある値以下となる確率を推定できる。

          ④ CPM は、プロジェクトの総所要時間を延ばすことなく負荷を平準化するコスト最小な方法を求める手法である。

          ⑤ 最適化手法を用いてCPM の計算を行う場合、遺伝的アルゴリズムなどの近似解放がよく用いられる。

          正解と解説

          【正解③】

          この問題では、PERT (Program Evaluation and Review Technique) とCPM (Critical Path Method) に関する知識が問われています。各選択肢を順番に検討しましょう。

          ① 正しい記述です。最遅完了時刻は、後続作業の最早開始時刻のうち最も早い時刻と等しくなります。

          ② 正しい記述です。クリティカルパスは複数存在する可能性があります。

          ③ 正しい記述です。3点見積もり(最悪値、最頻値、最良値)を用いることで、確率的な推定が可能になります。

          ④ 不適切な記述です。CPMは主にプロジェクトの最短完了時間を求める手法であり、負荷平準化やコスト最小化が主目的ではありません。

          ⑤ 不適切な記述です。CPMは通常、線形計画法や動的計画法などの厳密解法で解くことができ、遺伝的アルゴリズムなどの近似解法を用いる必要はありません。

          したがって、最も適切な記述は③です。

          PERTの3点見積もりは、不確実性を考慮したプロジェクト管理において非常に重要な手法です。各作業の所要時間を最悪値、最頻値、最良値の3点で見積もることで、プロジェクト全体の所要時間の確率分布を推定することができます。これにより、「プロジェクトが特定の期間内に完了する確率」などを計算することが可能になります。

          この手法は、不確実性の高いプロジェクトや、リスク管理が重要なプロジェクトにおいて特に有用です。

          I-1-8 

          納期遅れとコストを評価指標としたスケジューリングを行うため、納期遅れとコストを同時に最小化しようとする多目的最適化を考える。この最適化問題において、実行可能な解はA~H の8 個であり、それぞれの納期遅れとコストの値が下表のように与えられている。A~H のうち、パレート最適解であるものの数はどれか。

          (解A) 納期遅れ0、コスト50

          (解B) 納期遅れ1、コスト40

          (解C) 納期遅れ1、コスト30

          (解D) 納期遅れ2、コスト30

          (解E) 納期遅れ3、コスト35

          (解F) 納期遅れ3、コスト20

          (解G) 納期遅れ3、コスト10

          (解H) 納期遅れ4、コスト10

          ① 2 ② 3 ③ 4 ④ 5 ⑤ 6

          正解と解説

          【正解②】

          パレート最適解の定義:
          他のどの解と比較しても、少なくとも1つの目的において優れており、他の目的では劣らない解。各解を順番に検討しましょう:

          1. 解A(納期遅れ0、コスト50): パレート最適。納期遅れが最小。
          2. 解B(納期遅れ1、コスト40): パレート最適ではない。Cに劣る。
          3. 解C(納期遅れ1、コスト30): パレート最適。
          4. 解D(納期遅れ2、コスト30): パレート最適ではない。Cに劣る。
          5. 解E(納期遅れ3、コスト35): パレート最適ではない。FとGに劣る。
          6. 解F(納期遅れ3、コスト20): パレート最適ではない。Gに劣る。
          7. 解G(納期遅れ3、コスト10): パレート最適。
          8. 解H(納期遅れ4、コスト10): パレート最適ではない。Gに劣る。

          まとめ

          • 同じ納期ならコスト最小を採用する⇒ B、E、F は不適
          • 同じコストなら納期最小を最小する⇒D、Hは不適

          よって、パレート最適解は、A、C、Gの3つです。
          この問題は、多目的最適化問題におけるパレート最適解の概念を理解し、実際のデータに適用する能力を測るものです。実務では、このような複数の目的関数のトレードオフを考慮しながら、最適な解を選択する必要があります。

          I-1-9 労働組合及び労働委員会による争議調整

          労働組合及び労働委員会による争議調整に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。

          ① 労働者が団結し、使用者と団体交渉を行い、ストライキ等の団体行動をすることは、憲法で保障されている基本的な権利である。

          ② パートタイムの労働者が労働組合に加入することはできない。

          ③ 労働関係の公正な調整を目的とする労働委員会は、労働者を代表する委員と使用者を代表する委員によって構成される、

          ④ 労働委員会にあっせんを申請できるのは労働者側のみである。

          ⑤ 労働委員会が調停を進める中で解決案を提示した場合、労働者側、使用者側のいずれもこれを受け入れなければならない。

          正解と解説

          【正解①】

          各選択肢の確認

          労働者が団結し、使用者と団体交渉を行い、ストライキ等の団体行動をすることは、憲法で保障されている基本的な権利である。

          • これは適切です。日本国憲法第28条では、労働者の団結権、団体交渉権、団体行動権(争議権)が保障されています。

          パートタイムの労働者が労働組合に加入することはできない。

          • これは不適切です。パートタイム労働者も含め、すべての労働者には労働組合に加入する権利があります。

          労働関係の公正な調整を目的とする労働委員会は、労働者を代表する委員と使用者を代表する委員によって構成される。

          • これは不適切です。労働委員会は、労働者側代表と使用者側代表に加えて、公正な第三者(公益委員)を含めて構成されます。

          労働委員会にあっせんを申請できるのは労働者側のみである。

          • これは不適切です。労働委員会へのあっせんは、労働者側、使用者側のどちらからでも申請することができます。

          労働委員会が調停を進める中で解決案を提示した場合、労働者側、使用者側のいずれもこれを受け入れなければならない。

          • これは不適切です。調停はあくまで双方に対して解決案を提示するものであり、強制力はありません。双方が同意する必要があります。

          結論

          最も適切なものは です。

          I-1-10 労働関係法 (改題)

          労働関係法に関する次の記述のうち、最も適切なものを2つ選べ。

          ① 労働契約法が改正され、定年後の継続雇用の労働者も含めた労働者の有期労働契約が繰り返し更新され通算5 年を超えたとき、労働者の申し出があれば、無期労働契約に転換しなければならない。

          ② いわゆるパートタイム労働法において、パートタイム労働者について正社員との差別的取扱いが禁止

          されるのは、(1)職務内容が正社員と同一、(2)人材活用の仕組みが正社員と同一、(3)無期労働契約を締結していること、のすべてを満たす場合である。

          ③ いわゆる労働者派遣法が改正され、派遣先事業主に対して、無期雇用への転換推進措置、派遣料金などの情報公開、及び待遇に関する事項説明が義務化された。

          ④ 労働安全衛生法が改正され、一定規模以上の事業者には、労働者の心理的な負担の程度を把握するための、医師、保健師等による検査(ストレスチェック)の実施が義務化された。

          ⑤ いわゆる女性活躍推進法が制定され、すべての事業者に自社の女性の活躍に関する数値目標と取組を盛り込んだ行動計画の策定・公表等が義務化された。

          正解と解説

          【正解①④】

          各選択肢の確認

          労働契約法が改正され、定年後の継続雇用の労働者も含めた労働者の有期労働契約が繰り返し更新され通算5 年を超えたとき、労働者の申し出があれば、無期労働契約に転換しなければならない。

          • これは適切です。労働契約法第18条では、有期労働契約が通算5年を超えて繰り返し更新された場合、労働者の申し出により無期労働契約に転換することが定められています。2020年の法改正によって、この規定は定年後の継続雇用の労働者にも適用されるようになりました。

          いわゆるパートタイム労働法において、パートタイム労働者について正社員との差別的取扱いが禁止されるのは、(1)職務内容が正社員と同一、(2)人材活用の仕組みが正社員と同一、(3)無期労働契約を締結していること、のすべてを満たす場合である。

          • これは不適切です。パートタイム労働法では、職務内容が同一であれば無期契約でなくても差別的取扱いは原則禁止されます。無期労働契約であるかどうかは必須条件ではありません。

          いわゆる労働者派遣法が改正され、派遣先事業主に対して、無期雇用への転換推進措置、派遣料金などの情報公開、及び待遇に関する事項説明が義務化された。

          • これは適切です。改正労働者派遣法では、派遣先事業主に対して派遣労働者の待遇や派遣料金に関する情報開示、説明などが義務付けられています。

          労働安全衛生法が改正され、一定規模以上の事業者には、労働者の心理的な負担の程度を把握するための、医師、保健師等による検査(ストレスチェック)の実施が義務化された。

          • これは適切です。労働安全衛生法の改正により、常時50人以上の労働者を雇用する事業所には、ストレスチェックの実施が義務化されています。

          いわゆる女性活躍推進法が制定され、すべての事業者に自社の女性の活躍に関する数値目標と取組を盛り込んだ行動計画の策定・公表等が義務化された。

          • これは不適切です。女性活躍推進法の義務は、従業員が301人以上の事業者に対して適用されます。すべての事業者が対象ではありません。

          結論

          最も適切なものは と④ です。

          I-1-11 組織構造

          組織構造に関する特性についての(ア)~(エ)の記述に対応する組織形態の組合せとして、最も適切なものはどれか。

          (ア)専門性で部門化さ正した水平的分業に重きを置く組織形態。部門業績評価が困難となり、部門間の壁に悩まされることが多い。

          (イ)分割された組織単位を自律した存在として認め、必要に応じて組織単位間で自由に連結するようにしたもの。複数の主体の結合なので、事業活動の不安定性・不確実性が高い。

          (ウ)職能と事業の二元的な組織編成であり、双方の組織体制の有効性を実現しようとするもの。権力関係と情報の流れが複雑となる課題がある。

          (エ)分権化された組織単位によって構成されており、市場における競争状態での自律的活動、変化への対応等に有効。資源などの重複と組織単位間の隙間における対応力の弱さが課題となる。

           
          職能別組織マトリックス組織ネットワーク組織事業部制組織
          事業部制組織職能別組織ネットワーク組織マトリックス組織
          職能別組織ネットワーク組織マトリックス組織事業部制組織
          ネットワーク組織職能別組織マトリックス組織事業部制組織
          事業部制組織ネットワーク組織マトリックス組織職能別組織
          正解と解説

          【正解③】

          各記述の分析

          (ア)専門性で部門化された水平的分業に重きを置く組織形態。部門業績評価が困難となり、部門間の壁に悩まされることが多い。

          • これは 職能別組織 の特徴です。専門分野ごとに部門化するため、部門間の連携が難しくなることが多いです。

          (イ)分割された組織単位を自律した存在として認め、必要に応じて組織単位間で自由に連結するようにしたもの。複数の主体の結合なので、事業活動の不安定性・不確実性が高い。

          • これは ネットワーク組織 の特徴です。ネットワーク組織は柔軟性が高く、外部のリソースを利用するが、事業の安定性が問題になることがあります。

          (ウ)職能と事業の二元的な組織編成であり、双方の組織体制の有効性を実現しようとするもの。権力関係と情報の流れが複雑となる課題がある。

          • これは マトリックス組織 の特徴です。職能別と事業別の二元的な組織を組み合わせており、権限関係が複雑になりやすいです。

          (エ)分権化された組織単位によって構成されており、市場における競争状態での自律的活動、変化への対応等に有効。資源などの重複と組織単位間の隙間における対応力の弱さが課題となる。

          • これは 事業部制組織 の特徴です。事業部ごとの独立した運営が可能ですが、資源の重複や隙間の問題が発生します。

          組合せ

          正しい組合せは:

          • (ア)職能別組織
          • (イ)ネットワーク組織
          • (ウ)マトリックス組織
          • (エ)事業部制組織

          よって、最も適切な選択肢は です。

          I-1-12 人材育成

          企業における人材育成に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。

          ① OJT のメリットとして、実用的な知識や身に付けることができること、特別な費用がかからないことなどがある、

          ② いわゆるメンター制度は、ある一定期間、新入社員に対して相談できる先輩社員をつける仕組みで、OJT を補強する目的で採用されることがある。

          ③ 企業内に整備されたイントラネットを利用し、業務の一環として勤務時間内に社員が実施するe ラーニングは、自己啓発の1 つである。

          ④ OFF-JT には、昇進などの節目に行われる階層別研修、専門的知識などを学ぶ職能別研修、プレゼンの手法などを学ぶ課題別研修などがある。

          ⑤ 社員の自己啓発に対する企業の支援として、研修受講料などへの金銭的援助や教育訓練機関・通信教育に関する情報提供などがある。

          正解と解説

          【正解③】

          最も不適切なものは、です。

          の「企業内に整備されたイントラネットを利用し、業務の一環として勤務時間内に社員が実施するeラーニングは、自己啓発の1つである。」という記述は不適切です。なぜなら、自己啓発は、通常、社員が自主的に勤務時間外に行う活動を指し、企業が提供するeラーニングや、業務の一環として行う研修はOFF-JT(職場外訓練)に分類されます。

          I-1-13 社員格付制度

          我が国の社員格付制度としての職能資格制度、職務等級制度、役割等級制度の設計原理に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。

          ① 職能資絡制度は、職位と資格の二重のヒエラルキーを昇進構造に持ち、職位が上がっても資格が変わらなければ報酬の基本的部分に変化はない。

          ② 職務等級制度は、職務の価値を評価・決定し、等級を設定して昇進や賃金設定などの基準とするシステムで、上位職務に異動したときや職務が上位等級に再評価されたとき③ 役割等級制度は、職能資格制度と職務等級制度のそれぞれの課題に対応した新しい社員格付制度として普及しつつある。

          ④ 職能資格制度は、職務等級制度に比べ、年功的処遇が避けられ、担当する仕事に見合った報酬を量供できるが、人事異動の制約が大きい。

          ⑤ 職務等級制度が評価する能力は顕在能力であるのに対し、職能資格制度はこれに加えて潜在能力も評価することにより能力開発へのインセンティブを与える。

          正解と解説

          【正解④】

          最も不適切なものは、です。

          の記述は不正確です。実際には、職能資格制度は年功序列に基づいた処遇が行われやすく、職務等級制度に比べて年功的処遇を避けることが難しいという特徴があります。職能資格制度は、従業員の職能(能力やスキル)を基に昇進・報酬を決定しますが、その結果として年齢や勤続年数に依存する傾向が強くなりやすくなります。したがって、担当する仕事に見合った報酬を支給しやすいのは、むしろ職務等級制度に該当する特徴です。

          I-1-14 労働力調査

          総務省「労働力調査(詳細集計)」に基づく、我が国の平成27 年の労働者の数に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。

          ① 正規雇用労働者の数と非正規雇用労働者の数の合計は、10 年前(平成17 年)に比較して増加している。

          ② 非正規雇用労働者の数は、10 年前(平成17 年)に比較して増加し、正規雇用労働者の数を超えている。

          ③ 非正規雇用労働者を15 才以上から64 才まで10 才ごと、及び65 才以上の6 つの階層に区分した揚合、最も数が多いのは25 才から34 才の階層である。

          ④ 非正規雇用労働者を雇用形態で区分した場合、「パート」「アルバイト」「派遣社員」「契約社員」「嘱託」のうち、最も数が多いのは「派遣社員」である。

          ⑤ 非正規雇用労働者のうち、正規の職員・従業員として働く機会がなく非正規で働いている不本意非正規の労働者の割合は、5 割以上を占める。

          正解と解説

          【正解①】

          最も適切なものは、です。

          の記述は正しいです。平成27年時点の総務省「労働力調査(詳細集計)」によると、正規雇用労働者と非正規雇用労働者の合計は、10年前の平成17年と比較して増加しています。非正規雇用労働者の増加が特に顕著で、労働力人口全体も増加しているため、この記述は適切です。

          その他の選択肢については、以下の通りです。

          • 非正規雇用労働者の数は増加していますが、正規雇用労働者の数を超えてはいません。
          • 非正規雇用労働者の最も多い年齢層は、25〜34歳ではなく、むしろ高齢者層に多いです。
          • 非正規雇用労働者の中で最も多い雇用形態は「パート」であり、「派遣社員」ではありません。
          • 不本意非正規労働者の割合は5割以上ではなく、5割未満です。

          I-1-15 最低賃金法

          最低賃金法に基づく労働者の最低賃金制度に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。

          ① 最低賃金には都道府県ごとに定められた地域別最低賃金の他に、特定の企業に対して個別に設定された特定最低賃金がある。

          ② 平成28 年度に改定された地域別最低賃金額は、全国加重平均額では大幅な引き上げとなったが、据え置き・引き下げとなった都道府県もある。

          ③ 地域別最低賃金は、パートタイマー、アルバイト、臨時、嘱託などの雇用形態や呼称にかかわらず、当該都道府県内の事業場で働くすべての勢働者に適用される。

          ④ 労働者と使用者の双方が合意している場合は、使用者が支払う金額が定められた最低賃金額以下であってもかまわない。

          ⑤ 派遣労働者には、派遣元の事業場がある都道府県の最低賃金が適用される。

          正解と解説

          【正解③】

          最も適切なものは、です。

          の記述は正しいです。地域別最低賃金は、パートタイマーやアルバイト、臨時、嘱託などの雇用形態にかかわらず、該当する都道府県内の事業場で働くすべての労働者に適用されます。したがって、すべての労働者は地域別最低賃金の対象となります。

          その他の選択肢については、以下の通りです。

          • 特定最低賃金は特定の産業や職業に対して設定されるものであり、特定の企業に対して個別に設定されるものではありません。
          • 地域別最低賃金の改定は、引き上げはあっても、据え置きや引き下げはありません。最低賃金は引き上げが基本方針です。
          • 労働者と使用者が合意しても、最低賃金額を下回る賃金を支払うことは認められていません。最低賃金額は法律で定められており、遵守しなければなりません。
          • 派遣労働者には、派遣先の事業場がある都道府県の最低賃金が適用されます。派遣元ではなく派遣先の地域が基準となります。

          I-1-16 人事評価

          人事評価に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。なお、成果評価については業績評価、情意評価については姿勢評価と呼ぶ場合もある。

          ① 評価項目については、成果評価、能力評価、情意評価に行動評価を加えることがある。行動評価では、高い成果を生み出すためにとった行動特性(いわゆるコンピテンシー)を客観的に評価する。

          ② 評価基準の設定については、近年、失敗を防ぐ観点から、仕事で失敗することを厳しく評価する減点主義の考え方が一般的である。

          ③ 評価方法については、人事評価の基準、手続き、結果などを被評価者に公開することによって、社員の評価に対する納得性を高めることをねらいとした公平性の原則が重視されている。

          ④ 評価の時期と結果の反映については、成果評価は半期ごとに実施され主として賞与に反映し、情意評価と能力評価は1 年に1 回実施され昇給や昇進に反映することが一般的である。

          ⑤ 成果評価の仕組みである目標管理による評価では、上司と部下の面談において個人の目標が設定され、これらを集約して組織目標とすることにより組織目標と個人目標を統合することができる。

          正解と解説

          【正解①】

          最も適切なものは、です。

          の記述は正しいです。評価項目に行動評価を加えることがあり、行動評価ではコンピテンシー(高い成果を生み出すための行動特性)を客観的に評価することがあります。コンピテンシー評価は、最近の人事評価制度において重要な要素となっています。

          その他の選択肢についての説明は以下の通りです:

          • 失敗に対する減点主義ではなく、近年は挑戦や成長を重視する観点から、加点主義や学びを評価する姿勢が一般的です。
          • 公平性の原則は重要ですが、人事評価においては、基準や手続きを完全に公開することが必ずしも適切とは限りません。公開する範囲には慎重さが求められます。
          • 成果評価や情意評価、能力評価の頻度や反映の方法は企業によって異なり、必ずしもこのように区別されているわけではありません。
          • 目標管理制度(MBO)では、個人の目標を組織の目標と整合させますが、必ずしも個人目標が組織目標を集約する形式になるわけではありません。組織目標は通常、上位から設定されます。

          I-1-17 情報通信白書

          平成28 年版情報通信白書によれば、人工知能(Al)の研究は1950 年代から続いているが、その過程ではブームと冬の時代が交互に訪れてきたとされ、現在は第三次人工知能ブームとして脚光を浴びている。これらのブームに関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。

          ① 第一次ブームでは、コンピュータによる推論や探索が可能となり、特定の問題に対して解を提示できるようになった。当時の米国では自然言語処理による機械翻訳が特に注力された分野であった。

          ② 第一次プーム当時の人工知能では、様々な要因が絡み合っているような現実社会の問題を解くことはできないことが明らかになり、一転して冬の時代を迎えた。

          ③ 第二次ブームでは、コンピュータに知識を与えることで人工知能が実用可能な水準に達し、多数の、エキスパートシステムが生み出された。

          ④ 第二次ブーム当時は、コンピュータにとって必要となる情報を人がすべて記述して用意する必要があった。このため活用可能な知識量は特定の領域の情報などに限定する必要があり、こうした限界から再び冬の時代を迎えた。

          ⑤ 第三次ブームでは、人工知能自身が知識を獲得する機械学習が実用化された。次いで、知識を定義する要素を自ら習得するディープラーニングが登場した。これらにより人工知能を文字どおり「人間のように考えるコンピュータ」として実現可能な時代を迎えた。

          正解と解説

          【正解⑤】

          最も不適切なものは、です。

          の記述には誤りがあります。「人工知能を文字どおり『人間のように考えるコンピュータ』として実現可能な時代を迎えた」とされていますが、現段階の人工知能は「人間のように考える」レベルに到達していません。ディープラーニングなどの機械学習技術により、AIはデータからパターンを学び、高度なタスクをこなせるようになりましたが、依然として人間のように柔軟かつ創造的な思考能力を持つわけではありません。第三次AIブームでは、特定分野で高性能なタスクを実現できるAIが進化しているものの、いわゆる「汎用人工知能(AGI)」はまだ研究段階です。

          他の選択肢は、第一次および第二次ブームの特徴を正確に説明しています。

          I-1-18 ドローン

          平成27 年12 月から、 ドローン等の無人航空機の飛行ルールを定めた改正「航空法」が施行された。本法に基づき無人航空機を飛行させる際の基本的なルール(国土交通大臣の許可・承認を受けた場合は除く。)に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。

          ① 祭礼、縁日など多数の人が集まる催し場所の上空では、安全高度を維持して飛行させること。

          ② 目視範囲内で無人航空機とその周囲を常時監視して飛行させること。

          ③ 人又は物件との聞に一定の距離を保って飛行させること。

          ④ 日中に飛行させること。

          ⑤ 物を投下しないこと。

          正解と解説

          【正解①】

          最も不適切なものは、です。

          改正「航空法」において、無人航空機(ドローンなど)は祭礼や縁日など多数の人が集まる場所の上空で飛行することが禁止されています。たとえ安全高度を維持したとしても、このような場所での飛行は原則として許可されていません。飛行させる場合は、事前に国土交通大臣の許可が必要です。

          他の選択肢、②~⑤は、無人航空機を飛行させる際の基本的なルールとして適切です。

          I-1-19 個人情報保護法

          いわゆる個人情報保護法に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。

          ① この法律は、個人情報の適正かつ効果的な活用が新たな産業の創出並びに豊かな国民生活の実現などに資するという個人情報の有用性よりも、個人の自由な活動や名誉を保証するために個人情報の取緩い範囲を制限することを目的としている。

          ② 「個人情報」とは、生存する個人に関する情報であって、当該情報に含まれる氏名、生年月日その他の記述等により特定の個人を識別できるものをいう。ただし日本に居住する外国人の情報は「個人情報」には含まれない。

          ③ 「個人情報取扱事業者」とは、個人情報データベース等を事業活動に利用している者をいい、国の機関、地方公共団体も含まれる。

          ④ 個人情報を取り扱うに当たっては、利用目的をできるだけ特定しなければならない。また、原則として、あらかじめ本人の同意を得ずに、その利用目的の達成に必要な範囲を超えて個人情報を取り扱うことは禁止されている。

          ⑤ 原則として、あらかじめ本人の同意を得ずに本人以外の者に個人データを提供することは禁止されている。委託、事業継承および共同利用に該当する場合も、第三者提供に該当するため禁止されている。

          正解と解説

          【正解④】

          最も適切なものは、です。

          の内容は、個人情報保護法の基本的な規定に沿っています。個人情報を取り扱う際には、利用目的を特定し、その目的の範囲内でのみ個人情報を取り扱うことが原則であり、目的を超えて取り扱う場合は本人の同意が必要です。

          他の選択肢については以下のように不適切です:

          • :個人情報保護法は、個人情報の有用性を確保しつつ、個人の権利利益を保護することを目的としています。自由な活動や名誉の保証のみに焦点を当てたものではありません。
          • :外国人の個人情報も「個人情報」に含まれます。したがって、日本に居住する外国人の情報も保護の対象です。
          • :個人情報取扱事業者には、国の機関や地方公共団体は含まれません。これらの機関には別の法的枠組みがあります。
          • :委託や事業承継、共同利用に関しては、適切な手続きや通知が行われている場合には第三者提供に該当せず、これらの場合に限り本人の同意なしで個人情報の提供が認められることがあります。

          I-1-20 

          正解と解説

          【正解】

          情報処理関連の4 つの用語に対応する説明の組合せとして、最も適切なものはどれか。

          (ア)自動車、家電、ロボット、施設などあらゆるモノがインターネットにつながり、情報のやり取りをすること。

          (イ)インターネット上で友人を紹介しあい、個人間の交流を支援するサービス。誰でも参加できるものと、友人の紹介が必要なものがある。

          (ウ)3D スキャナや3D CAD などにより、自分のアイデアなどをデータ化した上で、3D プリンターなどで造形すること。

          (エ)ネットワーク上にある端末同士を直接接続して、取引記録を分散的に処理・記録するデータベースの一種。

           SNSブロックチェーンIoTデジタルファブリケーション

          ① SNS:ア ブロックチェーン:エ IoT:イ デジタルファブリケーション:ウ

          ③ SNS:イ ブロックチェーン:エ IoT:ア デジタルファブリケーション:ウ

          ③ SNS:イ ブロックチェーン:ウ IoT:ア デジタルファブリケーション:エ

          ④ SNS:ウ ブロックチェーン:イ IoT:エ デジタルファブリケーション:ア

          ⑤ SNS:ア ブロックチェーン:ウ IoT:イ デジタルファブリケーション:エ

          I-1-21 情報処理用語

           情報処理関連の4 つの用語に対応する説明の組合せとして、最も適切なものはどれか。

          (ア)自動車、家電、ロボット、施設などあらゆるモノがインターネットにつながり、情報のやり取りをすること。

          (イ)インターネット上で友人を紹介しあい、個人間の交流を支援するサービス。誰でも参加できるものと、友人の紹介が必要なものがある。

          (ウ)3D スキャナや3D CAD などにより、自分のアイデアなどをデータ化した上で、3D プリンターなどで造形すること。

          (エ)ネットワーク上にある端末同士を直接接続して、取引記録を分散的に処理・記録するデータベースの一種。

           SNSブロックチェーンIoTデジタルファブリケーション
          正解と解説

          【正解②】

          この問題を解くには、各用語の定義を正確に理解し、与えられた説明と照らし合わせる必要があります。

          各説明を分析しましょう:

          (ア) これはIoT (Internet of Things) の定義に合致します。

          (イ) これはSNS (Social Networking Service) の定義に合致します。

          (ウ) これはデジタルファブリケーションの定義に合致します。

          (エ) これはブロックチェーンの定義に合致します。

          したがって、正しい組み合わせは:

          SNS:イ
          ブロックチェーン:エ
          IoT:ア
          デジタルファブリケーション:ウ

          この組み合わせに一致する選択肢は ② です。

          ② SNS:イ ブロックチェーン:エ IoT:ア デジタルファブリケーション:ウ

          よって、最も適切な答えは ② です。

          この問題は、情報処理技術の基本的な概念を理解しているかを問うものです。特に、IoTやブロックチェーンなどの比較的新しい技術概念も含まれており、最新の技術トレンドへの理解も求められています。

          I-1-22 情報セキュリティ

          企業や組織における情報セキュリティでは、情報の「機密性」、「完全性」、「可用性」を維持することが重要である。次の(ア)~(ウ)の説明と「機密性」、「完全性」、「可用性」の用語との組合せとして最も適切なものはどれか。

          (ア)アクセスを認められた者だけが、決められた範囲内で情報資産にアクセスできる状態を確保すること。

          (イ)アクセスを認められた者が、必要なときにはいつでも、中断することなく、情報資産にアクセスできる状態を確保すること。

          (ウ)情報資産の内容が正しく、矛盾がないように保持されていること。

           
          機密性可用性完全性
          可用性完全性機密性
          完全性可用性機密性
          機密性完全性可用性
          可用性機密性完全性
          正解と解説

          【正解①】

          この問題を解くには、情報セキュリティの3要素(CIA)の定義を正確に理解し、与えられた説明と照らし合わせる必要があります。

          (ア)「アクセスを認められた者だけが、決められた範囲内で情報資産にアクセスできる状態を確保すること。」
          これは「機密性」の定義に合致します。機密性は、許可された者のみが情報にアクセスできる状態を指します。

          (イ)「アクセスを認められた者が、必要なときにはいつでも、中断することなく、情報資産にアクセスできる状態を確保すること。」
          これは「可用性」の定義に合致します。可用性は、必要なときにいつでも情報を利用可能な状態にしておくことを指します。

          (ウ)「情報資産の内容が正しく、矛盾がないように保持されていること。」
          これは「完全性」の定義に合致します。完全性は、情報が正確かつ完全な状態にあることを指します。

          したがって、正しい組み合わせは:

          ア:機密性
          イ:可用性
          ウ:完全性

          この組み合わせに一致する選択肢は ① です。

          この問題は、情報セキュリティの基本的な概念を理解しているかを問うものです。これらの概念を正確に理解し、適切に適用することは、企業や組織の情報セキュリティ管理において非常に重要です。

          I-1-23 クラウドサービス

          クラウドサービスに関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。

          ① クラウドサービスでは、従来は利用者が手元のコピュータで利用していたデータやソフトウエアを、ネットワーク経由で利用者に提供する。

          ② 利用者側が最低限の環境としてパソコンや携帯情報端末などのクライアント、インターネット接続環境などを用意することで、利用者はどの端末からでも様々なサービスを利用することができる。

          ③ クラウドサービスを利用することで、これまで機材の購入やシステムの構築、管理などに要していた様々な手間や時間などを削減することができ、利用者は業務の効率化やコストダウンを図れる。

          ④ クラウドサービスは、企業が情報資産を管理する手段として急速に普及しているが、個人が利用できるクラウドサービスは少ない。

          ⑤ クラウドサービスを利用する場合、データがインターネットを介してやり取りされ、事業者側のサーバに保管されることなど均ら、十分な情報セキュリティ対策が施されたサービスを選択することが重要である。

          正解と解説

          【正解④】

          クラウドサービスに関する記述の中で最も不適切なものは以下です:

          ④ クラウドサービスは、企業が情報資産を管理する手段として急速に普及しているが、個人が利用できるクラウドサービスは少ない。

          この記述は不適切です。実際には、個人向けのクラウドサービスも多く存在しており、例えば、Google Drive、Dropbox、OneDriveなど、個人が利用できるクラウドストレージサービスは非常に一般的です。

          I-1-24 知的財産権

          下図は我が国における特許、実用新案、商標の2006 年から2015 年までの年間の出願件数の推移を示したものである。下図の(ア)~(ウ)に該当するものの組合せとして、最も適切なものはどれか。

           
          特許実用新案商標
          実用新案商標特許
          商標特許実用新案
          特許商標実用新案
          実用新案特許商標
          正解と解説

          【正解④】

          1. 特許:技術革新や研究開発の進展に伴い、特許出願は一般的に高い傾向があります。
          2. 商標:ブランドの重要性が増す中で、商標出願も増加していますが、特許に比べると件数は少なめです。
          3. 実用新案:特許ほどの厳密な要件はないものの、発明の保護が比較的簡易であるため、出願件数は通常特許より少ないですが、商標より多いことが多いです。

          このような一般的な傾向から考えると、出願件数の多い順は次のようになります:

          1. 特許
          2. 商標
          3. 実用新案

          したがって、選択肢としては ④ 特許、商標、実用新案 が適切であるといえます。

          I-1-25 化学物質のリスクアセスメント

          事業場における一定の危険有害性のある化学物質について、“化学物質のリスクアセスメント(RA)”が労働安全衛生法によって規定されている。労働安全衛生法によるRA に関する記述のうち、最も不適切なものはどれか。

          ① RA の実施義務の対象物質は、安全データシートの交付義務の対象である化学物質である。

          ② 指定された化学物質に対する危険性又は有害性の調査は事業者の努力義務である。

          ③ RA の手順は、化学物質などによる危険性又は有害性の特色、リスクの見積り、リスク低減措置の内容の検討からなる。

          ④ 業種、事業場規模にかかわらず、対象となる化学物質の製造・取扱いを行うすべての事業場が対象となる。

          ⑤ 事業者はRA の実施に当たり、対象となる化学物質等に係わる危険性又は有害性に関する情報を入手するものとする。

          正解と解説

          【正解②】

          不適切な記述:

          ② 指定された化学物質に対する危険性又は有害性の調査は事業者の努力義務である。

          解説:

          は正しい。RAの実施義務の対象物質は、安全データシート(SDS)の交付義務がある化学物質です。

          は不適切です。指定された化学物質に対する危険性や有害性の調査は、事業者の努力義務ではなく、法的に定められた義務です。

          は正しい。RAの手順には、化学物質の危険性や有害性の特定、リスクの見積り、リスク低減措置の検討が含まれます。

          は正しい。業種や事業場の規模に関わらず、対象となる化学物質を製造・取扱いを行うすべての事業場がRAの対象です。

          は正しい。事業者はRAの実施に際して、対象となる化学物質に関する危険性や有害性の情報を入手することが求められています。

          したがって、正解は です。

          I-1-26 リスクコミュニケーション

          リスクコミュニケーション(RC)に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。

          ① RC によりリスクに対する情報の非対称性は解消されるので、発信側が受け手のリスク情報の理解の仕方を意識する必要はない。

          ② 平常時のRC の仕組みの構築が行われていれば、緊急時のRC も対応できる。

          ③ RC は、社会の各層が対話・共考・協働を通じて多様な情報及び見方の共有を図る活動である。

          ④ 不確かさや見解の相違があるリスク情報の公開に当たっては、その根拠を説明し参加者を説得することが重要である。 ⑤ RC を企画・運営する人材には、内容を熟知している事業者の担当者が好ましい。

          正解と解説

          【正解③】

          適切な記述:

          ③ RC は、社会の各層が対話・共考・協働を通じて多様な情報及び見方の共有を図る活動である。

          解説:

          は不適切です。RCにおいては、発信側が受け手のリスク情報の理解の仕方を意識することが重要です。非対称性を解消するためには、コミュニケーションの効果を高める必要があります。

          は不適切です。平常時にRCの仕組みが構築されていても、緊急時には状況が変わるため、特別な対応が必要となることがあります。

          は適切です。RCは、多様な情報や見方を共有するために対話や協働を促進する活動です。

          は部分的に正しいですが、根拠を説明することだけでなく、参加者の意見や懸念を尊重し、相互理解を図ることも重要です。

          は不適切です。RCを企画・運営する人材には、内容を熟知しているだけでなく、コミュニケーション能力やファシリテーションスキルも求められます。

          I-1-27 事業継続

          災害時における民間企業の事業継続の取組に関する次の記述のうち、最も不適切なものどれか。

          ① 災害応急対策又は災害復旧に必要な物資若しくは資材又は役務の供給又は提供を業とする者は、災害時においてもこれらの事業活動を継続的に実施するように努めなければならない。

          ② 事業継続計画策定や維持・更新、事業継続を実現するための予算・資源の確保、その他平常時からのマネジメント活動は事業継続マネジメントと呼ばれ、経営レベノレの戦略的活動として位置付けられる。

          ③ 緊急時の対応手順の想定に当たっては、時間の経過とともに必要とされる内容が変化していくため、それぞれの局面ごとに実施する業務の優先順位を見定めることが重要である。

          ④ 緊急時においても顧客の顧客の満足を得ることが最も重要であり、すべて顧客や供給先の要望に対応すベく事前に戦略及び対策を検討することがより実践的である。

          ⑤ 事業継続マネジメントを実効性あるものとするには、経営者から従業員まで事業継続の重要性を共通の認識として持たせることが重要である。

          正解と解説

          【正解④】

          この問題では、災害時における民間企業の事業継続の取り組みに関する知識が問われています。各選択肢を順番に検討しましょう。

          ① 正しい記述です。災害対策基本法に基づいた内容です。

          ② 正しい記述です。事業継続マネジメント(BCM)の定義と位置づけを適切に説明しています。

          ③ 正しい記述です。災害時の対応は時間経過とともに変化するため、各局面での優先順位付けが重要です。

          ④ この記述は不適切です。緊急時には全ての顧客要望に対応することは現実的ではありません。優先順位をつけて対応することが重要です。

          ⑤ 正しい記述です。事業継続マネジメントの実効性を高めるには、組織全体での共通認識が重要です。

          緊急時には、限られたリソースで最大の効果を得るために、優先順位を設定し、重要な業務や顧客に焦点を当てることが重要です。全ての顧客要望に対応しようとすることは、リソースの分散を招き、かえって効果的な対応を妨げる可能性があります。

          BCPでは「最も重要な自社の事業を守るための経営戦略」が重要であることが示されており、全ての要望に対応することよりも、重要な事業の継続に焦点を当てることの重要性が強調されています。

          I-1-28 労働基準法及び労働安全衛生法

          労働基準法及び労働安全衛生法に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。

          ① 使用者は、原則として、1 日に8 時間、1 週間に40 時間を超えて労働させてはならない。

          ② 労働時間を延長することができるいわゆる36 協定で定める特別条項の対象は、臨時的なものに限るとされている。

          ③ 事業者は、労働者の週40 時間を超える労働が1 月当たり100 時間を超え、かつ、疲労の蓄積が認められるときは、労働者の申出を受けて、医師による面接指導を行わなければならない。

          ④ 労働者の受動喫煙を防止するため、事業者及び事業場の実情に応じ適切な措置を講ずることが事業者の努力義務とされている。

          ⑤ 妊産婦でない女性労働者は、男性労働者と同様にすべての危険有害業務に従事することができる。

          正解と解説

          【正解⑤】

          女性労働者の危険有害業務への従事に関しては、以下のような制限があります:

          すべての女性労働者(妊産婦以外も含む)に対する制限:

            • 重量物を取り扱う業務(年齢に応じて重量制限あり)
            • 有害物を発散する場所において行われる業務

            妊産婦(妊娠中および産後1年を経過しない女性)に対する制限:

              • 重量物を取り扱う業務
              • 有害ガスを発散する場所における業務
              • その他妊娠、出産、哺育等に有害な業務(労働安全衛生法で詳細に規定)

              妊娠中の女性に対する制限:

                • 坑内労働
                • 高所作業
                • 重機操作 など、24種類の業務が制限されています

                産後1年を経過しない女性に対する制限:

                  • 一部の危険有害業務(申し出があった場合)

                  これらの制限は、労働基準法第64条の3および女性労働基準規則に基づいています。ただし、妊産婦以外の女性労働者に関しては、多くの危険有害業務に従事することが可能です。制限は主に妊娠・出産に関連する健康リスクを防ぐためのものです。

                  I -1 -29 安全システム

                  ある状態量が閾値x以上となった場合に異常とじて判断する安全システムにおいて、異常であるにもかかわらず正常と判断される確率を未検知率p、正常である場合に異常と判断される確率を誤検知率qとして次のように表されるとする。

                  p=x/(1+x) q=1/(1+4x)

                  未検知率p<0.20 となるように閾値xを設定した場合の、誤検知率qの取り得る値の範囲として最も適切なものはどれか。なお、閾値xは正の値であるものとし、有効数字は小数点以下2 桁とする。

                  ① 0<q<0.20

                  ② 0.20<q<1

                  ③ 0<q<0.50

                  ④ 0.50<q<1

                  ⑤ 0.20<q<0.50

                  正解と解説

                  【正解④】

                  与えられた条件に基づいて、未検知率 \( p \) と誤検知率 \( q \) の式を使って、異常を判断するための閾値 \( x \) の範囲を求め、その範囲から \( q \) の取り得る値を導き出しましょう。

                  ステップ 1: 未検知率 ( p ) の条件から閾値 ( x ) の範囲を求める

                  未検知率の式は次のように与えられています:

                  $$
                  p = \frac{x}{1 + x}
                  $$

                  この式が \( p < 0.20 \) であるため、次の不等式を解きます:

                  $$
                  \frac{x}{1 + x} < 0.20
                  $$

                  この不等式を解くと、

                  1. \( x < 0.20 + 0.20x \)
                  2. \( x – 0.20x < 0.20 \)
                  3. \( 0.80x < 0.20 \)
                  4. \( x < \frac{0.20}{0.80} = 0.25 \)

                  したがって、閾値の範囲は \( 0 < x < 0.25 \) となります。

                  ステップ 2: \( x \) の範囲を誤検知率 \( q \) の式に代入

                  誤検知率の式は次のように与えられています:

                  $$
                  q = \frac{1}{1 + 4x}
                  $$

                  これに \( x \) の範囲を代入して、\( q \) の取り得る値を求めます。

                  1. \( x \) が 0 のとき(実際には正の値なので限りなく 0 に近い):
                    $$
                    q = \frac{1}{1 + 4 \cdot 0} = 1
                    $$
                  2. \( x \) が 0.25 のとき
                    $$
                    q = \frac{1}{1 + 4 \cdot 0.25} = \frac{1}{1 + 1} = \frac{1}{2} = 0.50
                    $$

                  したがって、誤検知率 \( q \) の範囲は次のように表されます:

                  $$
                  0.50 < q \leq 1
                  $$

                  結論

                  有効数字を小数点以下2桁とするように求められているため、最終的には次のように表現できます:

                  $$
                  0.50 < q < 1.00
                  $$

                  よって、選択肢の中で最も適切なものは ④ ( 0.50 < q < 1 ) です。

                  I-1-30 津波防災地域づくり

                  津波による災害から国民の生命、身体及び財産の保護を図ることを目的として、「津波防災地域づくりに関する法律」が制定され、国土交通省より「津波防災地域づくりの推進に関する基本的な指針」が示されている。これらの津波防災地域づくりに関する次の(ア)~(オ) の記述のうち、適切なものの数はどれか。

                  (ア)津波浸水想定の設定・公表及び津波防災地域づくりの推進計画の作成は、地域の実情を最も把握している市町村が行う。

                  (イ)津波浸水想定は、 平均的なクラスの津波を想定し、過度な対策につながらないよう設定する。
                  (ウ)住民等が津波から逃げることができるよう、啓開避難態勢を特に整備すベき土地の区域が指定される。

                  (エ)住民の生命及び身体を保護するために、一定の開発行為及び一定の建築物の建築を制限すべき土地の区域が指定される。

                  (オ)指定された区域内において、津波避難建築物の整備を促進するため、防災用備蓄倉庫等を備えた一定の基準を満たす建築物について、容積率規制が緩和される。

                  ① 1 ② 2  ③ 3  ④4  ⑤ 5

                  正解と解説

                  【正解④】

                  「津波防災地域づくりに関する法律」および国土交通省の指針に基づいて、各選択肢の適切性を評価しましょう。

                  各記述の評価

                  (ア)津波浸水想定の設定・公表及び津波防災地域づくりの推進計画の作成は、地域の実情を最も把握している市町村が行う。

                  • 適切です。津波防災地域づくりは地域の特性を考慮する必要があり、市町村が中心となって行うことが期待されています。

                  (イ)津波浸水想定は、平均的なクラスの津波を想定し、過度な対策につながらないよう設定する。

                  • 不適切です。津波浸水想定は「最も想定される津波」または「過去の大津波」を基に設定されるため、過度な対策を避けるために平均的なクラスではなく、最悪のケースを想定する必要があります。

                  (ウ)住民等が津波から逃げることができるよう、啓開避難態勢を特に整備すべき土地の区域が指定される。

                  • 適切です。津波からの避難を容易にするために、特定の区域が指定され、避難路や避難場所の整備が求められています。

                  (エ)住民の生命及び身体を保護するために、一定の開発行為及び一定の建築物の建築を制限すべき土地の区域が指定される。

                  • 適切です。津波の危険性が高い区域では、建築行為の制限が行われることがあります。

                  (オ)指定された区域内において、津波避難建築物の整備を促進するため、防災用備蓄倉庫等を備えた一定の基準を満たす建築物について、容積率規制が緩和される。

                  • 適切です。津波避難建築物については、一定の基準を満たすことで、規制緩和が図られることがあるとされています。

                  結論

                  適切な記述は(ア)、(ウ)、(エ)、(オ)の4つです。したがって、適切なものの数は ④ 4 です。

                  I-1-31 消費者安全法

                  消費者の消費生活における被害を防止し、その安全を確保するため、「消費者安全法」が制定され、内閣総理大臣より「消費者安全の確保に関する基本的な方針」が示されている。これらの消費者安全に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。

                  ① 消費者を含む関係者相互間のリスクコミュニケーシヨンを充実させていくことは、消費者の安全・安心の確保に資するものであり、また、風評被害の解消への貢献も期待される。

                  ② 消費者の安全を確保するためには、消費者事故等に関する情報の一元的ま集約体制や分析機能を整備し、関係者の間での迅速な情報共有、協働・協カ関係を構築していくことが重要である。

                  ③ 被害の発生や拡大の防止のために注意喚起情報を公表する際には、ルールの透明性を確保することによって、事業者の行政の対応への予見可能性を高め、産業活動を活性化させるという観点にも十分に配慮する必要がある。

                  ④ 重大事故等が発生した場合、被害の発生・拡大防止を図るために実施し得る他の法律に基づく措置がない事案(いわゆるすき間事案)については、消費者庁による勧告の対象となる。

                  ⑤ 消費者安全調査委員会は、事故等の原因について、科学的かつ客観的な調査を実施与又それに基づいて責任を明確化して事業者等に是正命令を行うとともに、被害者等への情報提供を行う。

                  正解と解説

                  【正解⑤】

                  この問題を解くには、消費者安全法と消費者安全の確保に関する基本的な方針の内容を理解し、各選択肢を検討する必要があります。

                  ①②③④の選択肢は、消費者安全法や基本方針の内容と一致しています。

                  ⑤の選択肢について検討します:

                  消費者安全調査委員会の役割は、事故等の原因について科学的かつ客観的な調査を実施することは正しいですが、「責任を明確化して事業者等に是正命令を行う」という部分は不適切です。

                  消費者安全調査委員会の主な役割は以下の通りです:

                  1. 事故等の原因を究明するための調査
                  2. 調査結果に基づく再発防止策の提言
                  3. 被害者等への情報提供

                  委員会には、事業者等に対して直接的に是正命令を行う権限はありません。また、責任の明確化よりも、再発防止に重点を置いています。

                  したがって、最も不適切な記述は ⑤ です。

                  この選択肢は消費者安全調査委員会の役割を誤って解釈しており、実際の法律や基本方針の内容と一致していません。

                  I-1-32 死亡原因

                  図に、我が国における、交通事故、自然災害、労働災害、自殺のリスクについて、それぞれの原因による年間当たりの死亡者数の長期的推移を示した。(ア)~(エ)の組合せとして最も適切なものはどれか。ただし、自然災害の値には行方不明者数を含む。また、自殺は「人口動態統計」による値である。

                  選択肢
                  労働災害交通事故自殺自然災害
                  交通事故労働災害自然災害自殺
                  自殺労働災害自然災害交通事故
                  交通事故自然災害労働災害自殺
                  自殺交通事故労働災害自然災害
                  正解と解説

                  【正解⑤】

                  1945年以降の日本における死亡原因としての自殺、交通事故、労働災害、自然災害の推移と特徴について以下にまとめます。

                  1. 自殺

                  • 推移:
                    • 1945年以降、特に戦後の混乱期に自殺率は高かったが、1950年代から1970年代には比較的安定していた。
                    • 1990年代後半から2000年代初頭にかけて、自殺者数が急増し、2003年には過去最高の自殺者数が記録された。
                    • その後、政策や支援活動の影響で減少傾向が見られるが、近年再び増加する傾向が見られる。
                  • 特徴:
                    • 経済状況や社会環境に影響されやすい。
                    • 精神的な問題、孤立、経済的な問題が要因として挙げられる。

                  2. 交通事故

                  • 推移:
                    • 1960年代から1970年代にかけて交通事故が急増し、1970年代には年間交通事故死亡者数が一時的に増加。
                    • その後、交通安全対策(交通規制の強化、交通教育の普及など)の影響で、死亡者数は減少傾向に。
                    • 2010年代以降も減少が続いているが、高齢者の事故が増加している。
                  • 特徴:
                    • 運転免許の普及と交通量の増加に伴い、事故が多発。
                    • 交通安全施策が効果を上げ、死亡者数が減少しているが、高齢化社会の影響で新たな課題が出ている。

                  3. 労働災害

                  • 推移:
                    • 1945年以降、経済成長とともに労働災害が増加。
                    • 1980年代以降、労働災害に対する法制度や安全対策が強化され、死亡者数は減少。
                    • 近年は、建設業や製造業における災害が依然として問題となっている。
                  • 特徴:
                    • 産業構造の変化に伴い、労働災害の発生率が変動。
                    • 近年、精神的な健康問題に関連する労働災害(過労死など)も増加傾向にある。

                  4. 自然災害

                  • 推移:
                    • 戦後の復興期には自然災害による死亡者が多かったが、1950年代以降は災害対策が進む中で死亡者数は減少。
                    • しかし、1995年の阪神淡路大震災や2011年の東日本大震災など、大規模な自然災害によって一時的に死亡者数が急増。
                    • 最近では、異常気象や台風の影響による死亡者が懸念されている。
                  • 特徴:
                    • 自然災害は地域や時期によって大きく影響を受ける。
                    • 防災対策の強化や教育が進んでいるが、気候変動による新たなリスクも生じている。

                  結論

                  1945年以降、日本では自殺、交通事故、労働災害、自然災害それぞれにおいて時代背景や社会的要因に影響されながら推移が見られました。自殺率の変動や交通事故の減少、労働災害の対策強化、自然災害の影響を受ける地域差など、各要因に対する理解と対策が求められています。

                  I-1-33 環境用語

                  次の環境に関する用語とその説明文について、[  ]に入る語句の組合わせとして最も適切なものはどれか。

                  用語説明文
                  [ア]組織や事業者が、その運営や経営の中で自主的に環境保全に関する取組を進めるに当たり、環境に関する方針や目標を自ら設定し、これらの達成に向けて取り組むための工場や事業所内の体制・手続などの仕組みである。
                  PRTR有害性のある多種多様な[ イ ]が、どのような発生源から、どれくらい環境に排出され たか、あるいは廃棄物に含まれて事業所の外に運び出されたかというデータを把握し、集計し、公表する仕組みである。
                  PPP[ ウ ]者が、受容可能な状態に環境を保つために公的当局により決められた[ ウ ]の防止と規制措置を実施することに伴う費用を負担すべきであるという原則である。
                  [エ]自ら生産する製品等について、生産者が、資源の投入、製品の生産・使用の段階だけでなく、廃棄物等となった後まで一定の責任を負うという考え方である。  
                   
                  EMS化学物質汚染RoHS
                  SRI重金属排出RoHS
                  SRI重金属排出EPR
                  EMS化学物質汚染EPR
                  EMS重金属排出EPR
                  正解と解説

                  【正解④】

                  環境に関する用語とその説明文の組み合わせを考え、最も適切なものを特定します。

                  用語と説明文の評価

                  [ア]

                    • 説明文: 組織や事業者が自主的に環境保全に取り組むための体制や手続き。
                    • 候補: EMS (Environmental Management System)が適切です。これは組織が自発的に環境保護に取り組むためのフレームワークです。

                    [イ]

                      • 説明文: 有害性のある多種多様な物質の排出データを把握する仕組み。
                      • 候補: 化学物質が適切です。PRTR(Pollutant Release and Transfer Register)は、化学物質の排出状況を把握するための仕組みです。

                      [ウ]

                        • 説明文: 環境を保つために公的当局によって決められた汚染の防止と規制措置を実施する原則。
                        • 候補: 汚染が適切です。PPP(Polluter Pays Principle)は、汚染を引き起こした者がその費用を負担すべきという原則です。

                        [エ]

                          • 説明文: 生産者が自らの製品に対して責任を負う考え方。
                          • 候補: EPR (Extended Producer Responsibility)が適切です。これは生産者が製品のライフサイクル全体に責任を持つという考え方です。

                          選択肢の評価

                          • 選択肢④は、次のように組み合わされています:
                          • : EMS(環境管理システム)
                          • : 化学物質(PRTRの対象物質)
                          • : 汚染(PPPの内容)
                          • : EPR(拡張生産者責任)

                          したがって、最も適切な組み合わせは ④ EMS、化学物質、汚染、EPR です。

                          I-1-34 

                          循環型社会形成のための施策に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。

                          ① 循環型社会形成推進基本法では(i)発生抑制、(ⅱ)再使用、(ⅲ)減量化、(ⅳ)再生利用、(ⅴ)適正処分、といった5 段階の優先順位に基づき廃棄物処理やリサイクルを行うよう明記している。

                          ② 第三次循環型社会形成推進基本計画では、物質フロー「入口j、「循環」、「出口」のそれぞれを代表する指標として、資源生産性、循環利用率、最終処分量を定めている。

                          ③ いわゆる小型家電リサイクル法では、デジタルカメラやゲーム機等の使用済小型電子機器等の再資源化を促進するため、国、地方公共団体、消費者、事業者及び小売業者のそれぞれの責務を明確化しているが、製造業者の責務については規定していない。

                          ④ いわゆる廃棄物処理法では、産業廃棄物として、事業活動に伴って生じた廃棄物のうち政令で定める14 種類のものの他、輸入された廃棄物などが定められている。

                          ⑤ リサイクルに関する取組を廃棄物の排出量に占める再生利用盈の割合で見ると、産業廃棄物に比べて一般廃棄物のリサイクルに関する取組が進んでいる。

                          正解と解説

                          【正解②】

                          ① 不適切です。循環型社会形成推進基本法では、優先順位は「発生抑制(リデュース)」「再使用(リユース)」「再生利用(リサイクル)」「熱回収」「適正処分」の5段階です。「減量化」は含まれていません。
                          ② 適切です。第三次循環型社会形成推進基本計画では、物質フローの「入口」「循環」「出口」を代表する指標として、それぞれ資源生産性、循環利用率、最終処分量を定めています。
                          ③ 不適切です。小型家電リサイクル法では、製造業者の責務も規定されています。
                          ④ 適切な可能性があります。廃棄物処理法では、産業廃棄物として事業活動に伴って生じた廃棄物のうち政令で定める種類のものと、輸入された廃棄物が定められています。
                          ⑤ 不適切です。一般的に、産業廃棄物のリサイクル率の方が一般廃棄物よりも高いです。

                          I-1-35 社会経済的表手法

                          自然の恵みの価値を評価するために、それぞれの事例における環境の社会経済的評価手法の適用に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。

                          ① 干潟の浄化機能を定量的に把握するため、同じ浄化機能を有する水質浄化施設の建設費用を算定し、代替法により評価する。

                          ② 誰も訪れないような奥地の原生林の価値を把握するため、この原生林の利用状況を調査し、トラベルコスト法により評価する。

                          ③ 都市緑地整備による環境向上価値を把握するため、環境条件の異なる複数の住宅価格を調査し、へドニック法により評価する。

                          ④ 鉱山開発により森林が消失することの外部不経済を把握するため、損害を回避することに対する支払意思学などのアンケート調査を行い、仮想評価法により評価する。

                          ⑤ 湿原の自然再生事業の価値を把握するため、複数の属性と水準を用いて代替案を作成してアンケート調査を行い、コンジョイント分析により評価する。

                          正解と解説

                          【正解②】

                          この問題を解くために、各選択肢を検討し、提供された情報と一般的な知識を組み合わせて判断します。

                          ① 適切です。代替法の例として、干潟の水質浄化サービスの評価が挙げられており、同様の浄化機能を持つ施設の建設費用を用いて評価することが説明されています。

                          ② 不適切です。トラベルコスト法は、訪問地までの旅費をもとに訪問価値を評価する手法です。誰も訪れない奥地の原生林の場合、トラベルコスト法では価値がゼロとなってしまい、適切な評価ができません。

                          ③ 適切です。ヘドニック法は、環境条件の異なる地域の住宅価格の差を用いて環境の価値を評価する手法として説明されています。

                          ④ 適切です。仮想評価法(CVM)は、アンケート調査を用いて支払意思額を尋ねることで環境の価値を評価する手法です。これは非利用価値も含めた評価が可能です。

                          ⑤ 適切です。コンジョイント分析は、複数の属性で構成される評価対象をその属性ごとに価値評価できる手法として説明されています。

                          したがって、最も不適切なものは ② です。トラベルコスト法は訪問者がいる場合に適用可能な手法であり、誰も訪れない奥地の原生林の価値評価には適していません。このような場合、非利用価値も含めて評価できる仮想評価法(CVM)やコンジョイント分析などの表明選好法がより適切です。

                          I-1-36 地球温暖化対策

                          地球温暖化知策に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。なお、二国間クレジット制度は二国間オフセット・クレジット制度と呼ばれることもある。

                          ① 平成28 年版のいわゆる環境白書によると、日本の2014 年度の温室効果ガス総排出量は、2005 年度の総排出量に比べて増加し、1990 年度の総排出量に比べて減少している。

                          ② パリ協定では、「世界的な平均気温上昇を、産業革命以前に比べて1.5℃より十分低く保つこと」を目標にしている。

                          ③ パリ協定では、すべての国が5 年ごとにいわゆる削減目標を提出・更新する仕組み、及び先進国の適応計画プロセスや行動の実施を規定している。

                          ④ 我が国の地球温暖化対策計画では、温室効果ガスの排出抑制・吸収に関する中期目標として、2030 年度において、1990 年度比40%減の水準とすることとしている。

                          ⑤ 我が国の二国間クレジット制度は、途上国への温室効果ガス削減技術等の普及や対策実施を通じ、実現した温室効果ガス排出削減・吸収への日本の貢献を定量的に評価するとともに、日本の削減目標の達成に活用する制度である。

                          正解と解説

                          【正解⑤】

                          提供された情報と選択肢を分析すると、以下のように考えられます:

                          ① 不適切です。[1]の資料によると、2014年度の温室効果ガス排出量は2005年度比で減少しています。

                          ② 不適切です。パリ協定の正確な目標は「2℃より十分低く保ち、1.5℃に抑える努力をする」というものです。

                          ③ 部分的に正確ですが、適応計画は先進国だけでなく全ての国に適用されます。

                          ④ 不適切です。提供された情報には具体的な数値目標が記載されていませんが、一般的に知られている日本の2030年目標は2013年度比46%減です。

                          ⑤ 適切です。この記述は二国間クレジット制度(JCM)の正確な説明となっています。

                          したがって、提供された情報と一般的な知識を組み合わせると、最も適切な記述は ⑤ であると判断できます。

                          二国間クレジット制度(JCM)は、日本が主導する国際的な温室効果ガス削減の取り組みであり、途上国への技術移転を通じて実現した排出削減量を日本の削減目標達成に活用する仕組みです。この制度は、日本の気候変動対策の重要な一部となっています。

                          I-1-37 景観法

                          景観法の解釈と運用については、「景観法運用指針」において、国としての原則的な考え方が示されている。この指針に照らして、景観法、及びその解釈や運用に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。

                          ① 景観法では、「景観」という用語について、良好な景観は地域ごとに異なるものであり、統一的な定義を置くと結果的に画一的な景観を生むおそれがあることなどから、特段の定義を置いていない。

                          ② 景観行政団体として景観計画を策定するのは基礎自治体である市町村や特別区であり、都道府県は法律上、自ら景観計画を策定する役割はなく、主に市町村に対する指導や調整の役割を担う。

                          ③ 景観計画については、全国各地における規制の整合性や公平性を確保する観点から、景観行政団体の裁量で景観に関する規制内容等を選択して定めることができないように、法的に措置されている。

                          ④ 景観計画の策定や変更の手続については、地方公共団体の判断で、 条例により手続きを付加したり逆に簡素化したりするなど、実情に応じて弾力的に運用することが望ましい。

                          ⑤ 建築物等の形態意匠の制限について変更命令を行う場合には、所有者の自発的取組を促す観点から、色彩や形状に係る明示的な内容を含むことは極力避けることが望ましい。

                          正解と解説

                          【正解①】

                          ② 不適切です。都道府県も景観行政団体となり得て、景観計画を策定することができます。
                          ③ 不適切です。景観計画の内容は、各景観行政団体が地域の特性に応じて定めることができます。
                          ④ 不適切です。景観計画の策定や変更の手続きには、法律で定められた手続きや基準が存在し、地方公共団体がその手続きを自由に変更することはできません。
                          ⑤ 不適切です。変更命令を行う場合、具体的な内容を明示することが望ましいとされています。

                          I-1-38 放射性物質による環境の汚染

                          平成23 年3 月11 日に発生した東北地方太平洋沖地震に伴う原子力発電所の事故により放出された放射性物質による環境の汚染に対処するための、いわゆる中間貯蔵施設の事業、及び除染作業に伴う除去土壌等(以下「除染土壌等」という。)に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。

                          ① 中間貯蔵施設は福島第一原子力発電所を取り囲むような配問画されており、既に国による用地買収が開始されている。

                          ② 中間貯蔵施設には、除染土壌等を貯蔵する施設だけでなく、除染土壌等を分別するための施設、可燃物の減容化のための施設など、多様な施設が整備される予定である。

                          ③ 中間貯蔵施設には、福島県内のみならず、他県における除染土壌等も貯蔵される予定である。

                          ④ 除染土壌等の中間貯蔵施設計画地内への輸送作業は、既に開始されている。

                          ⑤ 中間貯蔵施設に貯蔵される除染土壌等については、法律により、国が中間貯蔵開始後30 年以内に福島県外で最終処分を完了するために必要な措置を講ずるものとされている。

                          正解と解説

                          【正解③】

                          提供された情報と選択肢を分析すると、以下のように考えられます:

                          ① 適切です。中間貯蔵施設は「東京電力福島第一原子力発電所を取り囲む形で、大熊町・双葉町に整備されています。」

                          ② 適切です。中間貯蔵施設には受入・分別施設、土壌貯蔵施設、仮設焼却施設などが含まれています。

                          ③ 不適切です。中間貯蔵施設は「福島県内の除染に伴い発生した土壌や廃棄物」を貯蔵するためのものです。他県の除染土壌等は言及されていません。

                          ④ 適切です。「除去土壌等の輸送は平成27年3月から開始され」ています。

                          ⑤ 適切です。「中間貯蔵開始後30年以内(2045年3月まで)に福島県外で最終処分を完了させることが法律で定められています。」

                          したがって、最も不適切な記述は ③ です。中間貯蔵施設は福島県内の除染土壌等のためのものであり、他県の除染土壌等を貯蔵する予定はありません。

                          I-1-39 環境影響評価法

                          環境影響評価法に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。

                          ① 第一種事業を実施しようとする者、及び第二種事業を実施しようとする者は、いずれも計画段階環境配慮書を作成し、公表しなければならない。

                          ② 第一種事業では、スクリーニングの手続が必要である。

                          ③ 原子力発電所は、特別の法律によって手続が規定されており、環境影響評価法の対象外である。

                          ④ 第一種事業、及び第二種事業のいずれの場合も、事業者は事業着手後の環境保全措置等の実施状況に

                          ついて報告書を作成し、公表しなければならない。

                          ⑤ 第一種事業、及び第二種事業のいずれの場合も、事業者は環境影響評価書を作成した際には、公告・縦覧した上で、住民への説明会を開催し、意見を求めなければならない。

                          正解と解説

                          【正解④】

                          ① 不適切です。第一種事業は計画段階環境配慮書の作成が必要ですが、第二種事業は任意とされています。

                          ② 不適切です。スクリーニング(環境影響評価を行うかどうかの判定)は第二種事業に対して行われます。

                          ③ 不適切です。発電所は環境影響評価法の対象事業に含まれています。

                          ⑤ この選択肢に関する直接的な情報は提供されていませんが、環境影響評価書の作成後の手続きについての詳細な記述はありません。

                          最も確実に正しいと判断できるのは④です。法改正により「環境保全措置等の結果の報告・公表手続」が導入されたことが明記されています。

                          第一種事業および第二種事業の両方において、事業者は事業着手後の環境保全措置等の実施状況について報告書を作成し、公表することが求められるようになったと考えられます。これは環境影響評価の実効性を高めるための重要な措置です。

                          I-1-40 ライフサイクルマネジメントと環境適合設計

                          ライフサイクルアセスメント(LCA)、及び環境適合設計(DfE)に関する次の(ア)~(オ)の記述のうち、適切なものと不適切なものの組合せとして最も適切なものはどれか。

                          (ア) LCA の原則及び枠組みに関する国際規格としてISO 規格があり、これを基に、同じ技術的内容がJIS として定められている。

                          (イ) LCA でインベントリ分析を行う際の代表的な手法としては産業連関法と積み上げ法があるが、ISO 規格においては産業連関法を基礎としている。

                          (ウ) ISO 規格に沿ってLCA を行う場合、調査結果の用途については、インベントリ分析やそこで得られた結果の評価の後に、結果の解釈において設定される。

                          (エ) DfE の普及の主な背景の1 つとして、 CO2 や有害物質の排出抑制に係る、いわゆるエンドオブパイプ管理の重要性と高い効果が着目されたことが挙げられる。

                          (オ)国連環境計画(UNEP)が策定したDfE に関するマニュアルでは、 DfE を進める際の段階として、フォローアップ活動の確立を含め7 つのステップが示されている。

                            エ
                          適切不適切不適切適切不適切
                          不適切適切適切不適切不適切
                          適切不適切不適切不適切適切
                          不適切不適切適切適切適切
                          不適切適切不適切適切不適切
                          正解と解説

                          【正解③】

                          (ア) 適切です。JIS Q 14040およびJIS Q 14044がISO規格を基に制定されていることが示されています。

                          (イ) 不適切です。ISO規格では特定の手法を基礎としているという記述はありません。

                          (ウ) 不適切です。LCAの目的は調査の初期段階(目的及び調査範囲の設定)で定められるべきです。

                          (エ) 不適切です。DfEは製品設計段階での環境配慮を重視する考え方であり、エンドオブパイプ管理とは対照的なアプローチです。

                          (オ) この記述に関する直接的な情報は提供されていませんが、一般的にDfEのプロセスにはフォローアップ活動が含まれることが知られています。

                          したがって、適切なものと不適切なものの組み合わせとして最も適切なのは③です。

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