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出入国管理及び難民認定法の歴史・経緯
出入国管理及び難民認定法(入管法)は、日本における外国人の出入国、在留管理、および難民認定の手続きを定めた法律です。この法の施行と改正には、以下の歴史と経緯が含まれます。
1951年:日本はサンフランシスコ平和条約を締結し、翌1952年に入管令が施行されました。これは戦後の日本が主権を回復し、外国人の出入国管理を自らの手で行うために制定されたものです。
1982年:難民に関する国際的な規定である「難民の地位に関する条約」に日本が加入し、出入国管理に難民認定制度が導入され、「出入国管理及び難民認定法」として改正されました。
1990年:入管法の大規模改正が行われ、外国人労働者や留学生の受け入れに対する在留資格の整備が進められました。
2009年:日本での中長期滞在者に対する在留カードの導入が決定され、外国人管理制度が強化されました。
2018年:労働力不足を背景に、新しい在留資格「特定技能」が導入される法改正が行われ、2019年4月に施行されました。これにより外国人労働者の受け入れが大幅に拡大されました。
特定技能1号と特定技能2号
特定技能1号と2号は、日本での外国人労働者の受け入れ拡大を目的として、2019年に新設された在留資格です。
特定技能1号
- 目的:即戦力となる技能を持った外国人労働者を受け入れるための在留資格。
- 滞在期間:1回の在留期間は1年、6カ月、4カ月のいずれかで、最長で通算5年間滞在可能。ただし、家族(配偶者や子ども)の帯同は認められません。
- 技能水準:業務に必要な基礎的な技能を持ち、日本語での基本的なコミュニケーションができるレベル。
- 試験:業種ごとに設定された技能試験と日本語能力試験に合格する必要があります(特定の条件下では技能実習2号を修了した場合、試験免除となる)。
特定技能2号
- 目的:さらに高い専門的な技能を持つ外国人労働者を受け入れるための在留資格。
- 滞在期間:在留期間の上限がなく、長期滞在や家族の帯同が認められます。
- 技能水準:特定技能1号よりも高度な技能が要求されます。
- 試験:業種ごとに設定された高度な技能試験に合格する必要があります。
認められている業種
特定技能1号と2号では、認められる業種が異なります。
特定技能1号が認められている業種(14業種)
- 介護業
- ビルクリーニング業
- 素形材産業
- 産業機械製造業
- 電気・電子情報関連産業
- 建設業
- 造船・舶用工業
- 自動車整備業
- 航空業
- 宿泊業
- 農業
- 漁業
- 飲食料品製造業
- 外食業
特定技能2号が認められている業種(2業種)
特定技能2号は、より高度な技能が必要なため、2024年時点で以下の2業種に限定されていますが、今後拡大される可能性があります。
- 建設業
- 造船・舶用工業
今後の展望
特定技能の導入は、日本の労働力不足を補うための重要な施策となっており、今後も業種や条件の拡大が予想されています。また、日本語教育の支援や外国人労働者の生活支援など、受け入れ体制の強化も進められています。
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