障害者雇用促進法 | 障碍者の雇用促進を図る法律

障害者雇用促進法は、日本において障害者の雇用促進を目的とした法律です。この法律は、障害者が一般の労働市場で働く機会を増やし、社会的な自立を支援するための基本的な枠組みを提供しています。また、障害のある方に対し職業生活における自立を実現するための職業リハビリテーション推進、事業主が障害者を雇用する義務、差別の禁止や合理的配慮の提供義務等を定めています。
以下に、この法律の概要や主要な内容について説明します。

目次

概要

  • 目的
    • 障害者が適切な支援を受けながら就労し、自立した生活を送ることを促進するための法律です。
  • 制定年
    • 1976年に制定され、以降何度か改正されています。

主要な内容

  1. 障害者の雇用義務
    • 一定規模以上の事業主には、障害者を雇用する義務があります。具体的には、法定雇用率が設定されており、事業主はその率を満たすよう努める必要があります。
  2. 法定雇用率
    • 障害者の法定雇用率は、年次ごとに改定されることがあり、現在は2.3%(2023年時点)です。この割合を満たさない場合、事業主は国に報告しなければなりません。
  3. 支援措置
    • 障害者雇用を促進するため、企業にはさまざまな支援措置が用意されています。例えば、障害者を雇用することで受けられる助成金や税制優遇措置などがあります。
  4. 職業リハビリテーション
    • 障害者が就労するために必要な技能を習得するための職業リハビリテーションが行われています。これには、職業訓練や就労支援が含まれます。
  5. 雇用環境の整備
    • 障害者が働きやすい職場環境を整えるため、事業主には合理的配慮を行う義務があります。具体的には、バリアフリー化や職場での特別な支援を提供することが求められます。
  6. 報告制度
    • 障害者の雇用状況に関する報告が義務づけられており、事業主は定期的に雇用状況を報告する必要があります。
  7. 評価制度
    • 障害者の雇用に取り組む企業の取り組みが評価される制度もあります。これにより、良好な取り組みを行っている企業が表彰されることもあります。

障害者雇用率

全ての事業主に、算出された雇用率に相当する人数分、障害者を雇用することが義務付けられています。民間企業での法廷雇用率は2.3%と定められており、雇用率は今後も段階的に引き上げられる予定です。障害者雇用率は次の式で定義されています。

障害者雇用率 = (対象障害者である常用労働者数+失業している対象障害者数)÷(常用労働者数+失業者数)

障害者雇用率(法定雇用率)」の算定対象となるのは以下のA〜Cとなっています。

A:身体障害者(身体障害者手帳保持者。重度身体障害者も含む)
B:知的障害者(療養手帳など、各自治体が発行する手帳の保持者。および知的障害者と判定する判定書保持者。重度知的障害者も含む)
C:精神、発達障害者(精神障害者保健福祉手帳の保持者)で、症状安定し、就労ができる人
D:精神障害の特性・疾患があるが、症状安定し、就労ができる人(手帳を持たない人)
E:A~D以外の心身機能の障害があるが、手帳を持たない人

納付金制度

法定雇用率を満たさない事業主は、不足1人につき50,000円の障害者雇用納付金が徴収されます

調整金の支給

法定雇用率を達成している事業主は、一定の調整金が支給されます。常用労働者の人数によって異なり、支給額は以下の通りです。

常用労働者100人超の企業月額27,000円×超過人数分の調整金
常用労働者100人以下で、障害者を常用労働者の4%、または6人のうち多い数を超えて雇用している企業月額21,000円×超過人数分の報奨金

まとめ

障害者雇用促進法は、障害者が一般の労働市場で就労するための基本的な枠組みを提供し、社会的な自立を促進することを目的としています。法律に基づく雇用義務や支援措置を通じて、障害者が働きやすい環境を整備し、社会全体での理解を深めることが求められています。これにより、障害者の就労機会が拡大し、経済的な自立が促進されることを目指しています。

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