個別労働関係紛争解決促進法 | 労働者と使用者間の紛争を円滑解決

個別労働関係紛争解決促進法(こべつろうどうかんけいふんそうかいけつそくしんほう)は、労働者と使用者の間で生じる個別の労働関係に関する紛争を迅速かつ円滑に解決するための法律です。この法律は、労働者の権利を保護し、労使関係の安定を図ることを目的としています。以下にその概要と主要なポイントを説明します。

目次

法律の概要

目的

  • 労働者と使用者の間で発生する個別の労働関係紛争を適切に解決し、労働者の権利を保護すること。
  • 労使関係の円滑な運営を図ること。

適用範囲

  • 個別労働関係に関する紛争に適用される。
  • 労働契約に基づく権利義務の問題や賃金、解雇、労働条件などのトラブルが含まれる。

主要な内容

紛争解決手続

  • 労働者が使用者との間で発生した紛争を解決するための手続きが規定されています。
  • 労働者が自らの権利を主張し、問題解決を図るための方法として、仲裁や調停が利用されます。

労働紛争解決センター

  • 労働者や使用者が利用できる「労働紛争解決センター」が設置されており、紛争の解決に向けた支援が行われています。
  • 相談窓口を通じて、問題解決に向けた助言や調停を受けることができます。

解決手段

  • 労働者は、紛争解決センターを通じて、専門の仲裁人や調停人による紛争解決を依頼することができます。
  • これにより、法的手続きに頼らずに、スムーズに問題を解決することが可能になります。

労働者の権利保護

  • 紛争解決手続において、労働者の権利が十分に保護されるよう、法律に基づいたガイドラインが整備されています。
  • 労働者が不利益を被ることがないよう、適切な支援が行われることが求められます。

時効の延長

  • 個別労働関係紛争に関する時効が延長され、労働者が権利を主張する機会が増えています。
  • これにより、より多くの労働者が問題解決のための手続きを利用しやすくなります。

法律の重要性

個別労働関係紛争解決促進法は、労働者と使用者の間で発生する様々な問題に対処するための法的枠組みを提供する重要な法律です。この法律により、労働者は自らの権利を主張しやすくなり、労使関係のトラブルを迅速に解決することが可能になります。また、企業側にとっても、労働紛争の解決が円滑に行われることで、経営環境の安定が図られるメリットがあります。

紛争解決援助制度

労働条件その他労働関係に関する事項についての個々の労働者と事業主との間の紛争について、あっせん制度を設けること等により、その実情に即した迅速かつ適正な解決を図ることを目的とした法律です。
解決方法に、3つの紛争解決援助制度があります。

相談:総合労働相談コーナーへの相談
助言・指導:「相談」で紛争解決援助の対象となった場合、都道府県労働局長による助言・指導
あっせん:助言・指導で解決しない場合、紛争調整委員会によるあっせん

助言・指導、あっせんの対象となる紛争

対象となる範囲は、労働条件その他労働関係に関する事項についての個別労働紛争です。

・解雇、雇止め、労働条件の不利益変更などの労働条件に関する紛争

・いじめ・嫌がらせなどの職場環境に関する紛争

・退職に伴う研修費用の返還、営業車など会社所有物の破損についての損害賠償をめぐる紛争

・会社分割による労働契約の承継、同業他社への就業禁止など労働契約に関する紛争

・募集・採用に関する紛争(※助言・指導の対象にはなりますが、あっせんの対象にはなりません)

助言・指導、あっせんの対象とならない紛争

次のような紛争は対象になりません。

労働組合と事業主の間の紛争や労働者と労働者の間の紛争

・他の法律において紛争解決援助制度が設けられている紛争や、裁判で係争中である、または確定判決が出ているなど、他の制度において取り扱われている紛争

・労働組合と事業主との間で問題として取り上げられており、両者の間で自主的な解決を図るべく話し合いが進められている紛争

あっせんの概要

・紛争当事者の間に、公平・中立な第三者として労働問題の専門家が入り、双方の主張の要点を確かめ、調整を行い、話し合いを促進することにより、紛争の解決を図る。

・裁判に比べ手続きが迅速かつ簡便

・弁護士、大学教授、社会保険労務士などの労働問題の専門家である紛争調整委員が担当

・あっせんの手続きは非公開であり、紛争当事者のプライバシ―は保護される。

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