生物多様性

地球上の生命な個性と命のつながりその中には多様な姿の生物が含まれており、この生物たちの豊かな個性と命のつながりを生物多様性と呼んでいる。条約では、次の3つのレベルで多様性があるとしている。

生態系の多様性
の多様性
遺伝子の多様性

目次

生物多様性基本法

2008年制定、生物多様性の保全及び持続可能な利用について基本原則を定め、国、地方公共団体、事業者、国民及び民間の団体の責務を明らかにするとともに、生物多様性の保全及び持続可能な利用に関する施策の基本となる事項を規定した法律である。
生物多様性に関する施策を総合的かつ計画的に推進し、生物多様性から得られる恵沢を享受できる、事前と共生する社会の実現を図り、合わせて地球環境の保全に寄与することを目的としている。

生物多様性条約

生物の多様性の保全やその構成要素の持続可能な利用及び遺伝資源の利用から生ずる利益の公正かつ衡平な配分を目的とした条約である。1992年に採択され、1993年発行した
。日本は1993年に締結し、条約に基づき生物多様性国家戦略を策定し、各種施策を実施している。

生物多様性国家戦略

生物多様性条約第6条に基づき、条約締約国が作成する生物多様性の保全及び持続可能な利用に関する国の基本的な計画である。
2012年9月には「生物多様性国家戦略2012-2020」が閣議決定された。

ミレニアム生態系評価

国連の主導により、2001 ~ 2005年にかけて行われた地球規模の生態系に属する総合的評価である。
95か国から1360人の専門家が参加、生態系が提供するサービスに着目して、それが人間の豊かな暮らしにどのように関係しているか、生物多様性の損失がどのような影響を及ぼすかを明らかにした。これにより、これまであまり関連が明確でなかった生物多様性と人間生活との関係がわかりやすく示された。
生物多様性に関連する国際条約、各国政府、NGO、一般市民などに対し政策・意思決定に役立つ総合的な情報を提供するとともに、生態系サービスの価値への考慮、保護区設定の強化、横断的取り組みや普及広報活動の充実、損なわれた生態系の回復などによる思い切った施策の転換を促している。

生態系サービス

人々が生態系から得ることのできる便益のこと。

供給サービス:食糧・水・木材・繊維・燃料などの供給
調整サービス:気候の安定や水質の浄化などの調整
文化的サービス:レクリエーションや精神的な恩恵を与える文化的サービス
基盤サービス:栄養塩の循環や土壌形成、光合成など

などがある。

SATOYAMAイニシアティブ

人と自然との共生を目指し、世界的な規模で生物多様性の保全と持続可能な利用・管理を促進するための取り組みである。
日本の里地里山のような人間の営みにより形成・維持されてきた農地や人工林、二次林などの二次的な自然地域を対象とし、保全と持続可能な利用を進めるもので、環境省が国連大学などの国際機関とともに提唱している。

名古屋議定書

正式名称を「生物の多様性に関すから生ずる利益の公正かつ衡平な配分に関する名古屋議定書」という。
2010年10月、名古屋で開催された生物多様性条約第10回締約国会合(COP10)において採択され、2014年10月発効した。
生物多様性条約の目的である「遺伝資源の利用から生ずる利益の公正かつ衡平な配分 (ABS)」を達成するため、各締約国が具体的に実施すべき措置を規定している。日本は2017年5月に批准し、同年8月に効力を生ずるに至った。

レッドリスト

日本における絶滅の恐れのる野性生物種のリスト。
日本に生息または生育する野生生物について、生物学的観点から個々の種の絶減の危険度を評価し、絶滅の恐れのある種を選定してリストにまとめたもの。

ラムサール条約

正式名称を「特に水鳥の生息地として国際的に重要な湿地に関する条約」という。1971年に採択、1975年に発効し、日本は1980年に加入した。
国際的に重要な湿地及びそこに生息、生育する動植物の保全と賢明な利用を推進することを目的としている。2019年時、日本では50か所の湿地が登録されている。

ワシントン条約

正式名称を「絶滅のおそれのある野生動植物の種の国際取引に関する条約」という。1973年に採択、1975年に発効し、日本は1980年に加入した。
野生動植物の国際取引の規制を輸入国と輸出国が協力して実施することにより、絶滅の恐れのある野生動植物の種の保護を図ることを目的としている。
条約の付属書に掲載された野生動植物の国際取引は禁止または制限され、輸出入の許可書などが必要となっている。

パイオセーフティ

細菌・ウイルスなどの微生物や、微生物が作り出す毒素(病原体)などが原因となって、人やほかの生物体にもたらされる危害(リスク)であるバイオハザード(生物災害)の防止のために行う対策の総称。
病原体の危険性に応じた4段階の取り扱いレベル(バイオセーフティレベルBSL1~4)が定められている。

2020年4月、世界保健機構(WHO)は、新型コロナウイルス感染症に関連した検査室のバイオセーフティに関するガイダンスを出し、対策を図った。

カルタヘナ議定書

正式名称を「生物の多様性に関する条約のバイオセーフティに関するカルタヘナ議定書」という。
遺伝子組み換え生物などの利用などによる生物多様化保全などへの影響を防止するために、特に国境を越える移動に焦点を合わせた国際的な枠組みである

自然環境保全法

1972年制定、自然環境を保全することが特に必要な区域等の適正な保全を総合的に推進することを目的とする法律。
自然環境保全基本方針の策定、自然環境保全基礎調査の実施、優れた自然環境を有する地域を原生自然現境保全地域等として保全すること等を規定している。

自然公園法

1957年制定、優れた自然の風景地を保護するとともに、その利用の増進を図ることにより、国民の保険、休養及び教化に資することと相まって、生物の多様性の確保に寄与することを目的とする法律である。

自然再生椎進法

自然再生に関する施策を総合的に推進するための法律。
自然再生についての基本理念、実施者等の責務及び自然再生基本方針の策定、その他の自然再生を推進するために必要な事項を定めている。

鳥獣保護管理法

2002年制定。正式名を「烏獣の保設及ぴ管理並ぴに狩猟の適正化に関する法律」という。
鳥獣の保護を測るために事業を実施するとともに鳥獣による被害を防止し、合わせて猟具の使用に関わる危険を予防することにより、鳥獣の保護と狩猟の適正化を図ることを目的とした法律である。

自然共生圏

「生物多様性国家戦略2012-2020」で、「自然共生圏」という新しい考え方が示された。
生態系サービスの需要につながる地域や人々を一体として捉え、その中で連携や交流を深めていき、相互に支え合っていくという考え方であり、そのペースにある圏域を自然共生圏という。

特定外来生物

日本に入り込んだ外来生物のうち、農林水産業人の生命・身体、生態系へ被害を及ぼすものまたは及ぼすおそれがあるものの中から、外来生物法に基づき指定された生物(生きているものに限られ、卵、種子、再生可能な器官も含まれる)であり、同法によって、輸入、飼育や遅搬、野外に放つことが原則として禁止されている(特定の目的のため許可を受けた場合は可能)。

森里川海プロジェクト

自然資源を象徴する「森」「里」「川」「海」を保全してつなげること、それぞれに関わる人をつなげること、都市部に住む人たちも含めて国民全体で「森里川海」の保全とそれに関わる人たちを支える、一連の取組を森里川海プロジェクトと呼んでいます。具体例として、グチのようなアクションがあります。

  • 日本の原風景である棚田の景観を継承していく
  • お魚殖やす植樹運動 100年前の浜の再生
  • 被害対策から資源活用へ ジビエで地域活性化
  • の賢い利用で高品質化 震災からの復興をきっかけとして
  • 未来につなげる保護と利用の両立 国立公園の利用調整地区
  • マガンもシナイモツゴも安心 共に生きる米づくり
  • 里山を活かしたエコツーリズム 地域の人が、地域の言葉で、地域をご案内
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!
目次